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ステロイド外用薬の副作用を知って不安をなくし正しく使いましょう!


以前に、こちらの記事で、肌を健やかに保つための保湿剤についてまとめました。
肌のトラブルのほとんどには、保湿することが基本中の基本ですが、
今回はさらに踏み込んだ、治療に関するお話です。
ご参考ください。

ステロイド軟膏などを投薬する時に、不安そうな表情をされることが少なからずあります。

《強い薬》《怖い薬》《副作用が多い》

そのような印象を持たれている方が多いのではと感じました。

ほとんどの場合、治療として、処方されて使用する薬なので、医師の指示通りにきちんと使っていただくことが一番大切なことですが、薬の特徴副作用のことを知っておくことで、不安なく信頼して治療できるようご参考にしていただければ嬉しいです。

💊ステロイドとは何でしょう

ステロイドは腎臓の上にある副腎で作られる、副腎皮質ホルモンの一つです。

炎症を抑えたり、免疫を抑制する働きがあり、体の様々なところに作用しますので、色々な病気の治療薬として使われています。

その様々なところで働くために、副作用が多いという問題点もあります。

どのような副作用があるのでしょうか?

投与量や投与期間によっても違いがありますが、主な副作用としては

不眠、多幸感、うつ、骨粗しょう症、消化性潰瘍、糖尿病、血栓症、ムーンフェイス、高血圧、高脂血症、白内障、緑内障、にきび、感染症などです。

ただし、これらのほとんどは内服薬や注射による副作用です。そして、用量や服薬期間などによっても違います。

ステロイド外用薬による副作用は塗った場所に限ります。全身性の副作用は起こりませんのでご安心下さい。


💊外用薬ではどのような副作用があるでしょうか?

副作用は大きく分けて2種類あります。

①リカバリーできるもの

多いのはにきび毛包炎などの感染性疾患や毛深くなったりするものです。
これらの症状は抗菌剤(抗生剤、合成抗菌剤、抗真菌剤の総称)を使用したり、ステロイド剤を弱いものに変えたり、中止すれば治ります。

②リカバリーできないもの(症状が出てしまうと、なかなか元に戻りにくいもの)

皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張する副作用です。
長期間(6か月以上)にわたる使用で症状が出ることがあり、皮膚の薄いに出やすいです。
皮膚が薄くなって、赤い血管がもやもやと浮き出てくるような症状が出始めたらすぐに、ステロイドを弱くしたり、中止した方がよいです。
これはステロイド独特の副作用なので、長期使用する場合には、ステロイド様の作用があり、皮膚が赤くなる副作用のない免疫抑制剤の外用薬に切り替える手法がよく取られています。

良く使われるのはプロトピックやコレクチムなどです。ステロイドで顔が赤くなってしまった場合にも、これらの免疫抑制剤が効果があります。


💊ステロイドの副作用と誤解されている症状もあります。

①肌が黒ずむ

ステロイドの副作用と思われがちですが違います。傷や炎症などが治った後にしばらく黒ずんだ瘢痕が残ることがありますね。
それと同じで、肌の炎症が治った瘢痕ですので、ステロイドが原因ではありません。
瘢痕がなくなるまで、弱いステロイドや保湿剤でしっかりと治療を継続することが大切です。

②日に焼ける

これも誤解されていることが多いですが、ステロイド剤を塗っても塗らなくても、適切なケアをしなければ日焼けはします^^

夏に海や山などのレジャーに行くときにはしっかり日焼け止めを塗ってください。それ以外の日常生活における日焼けは特別に気にしなくて大丈夫です。


💊ステロイド外用薬の強さ

日本ではステロイド外用薬は5段階にランク付けされています。

強い順に

①strongest
②very strong
③strong
④medium
⑤weak

使用部位、使用期間、症状の度合いによって使い分けます。

③のstrongが中くらいの強さになります。よく使われているのはリンデロンVやVGです。これよりもランクが上だと強め、下だと弱めのステロイドと言えます。

ステロイド外用薬は適切な強さを選ぶことも、とても大切です。
怖さ故に弱い薬をだらだらと使用していると、治らないばかりか、長期使用によりかえって副作用が出ることもありますので、1週間程度使用して改善が見られない時は、より強いランクの薬に切り替えることも必要です。
塗る量は、塗った時に少しベタつくくらい、テカっとするくらいの量を塗りましょう。


専門医はたくさんの症例に対する使用経験があり、症状や部位による使い分け、副作用が出ないように薬を切り替えたり、中止するタイミングの計らい等に長けていますので、安心して、自己判断せずにきちんと治療をすることをお勧めいたします。


💊まとめ

☑ステロイド剤による副作用のほとんどは内服薬や注射によるものです。

☑ステロイド外用薬の副作用は大きく分けて2種類
①リカバリーできるもの にきびなどの感染症 多毛
②リカバリーできないもの 皮膚が薄くなる 毛細血管が拡張する 赤ら顔

☑ステロイド外用薬による副作用ではないもの
①皮膚の黒ずみ
②日焼け


最後まで読んでいただきありがとうございます。

皆さまが安心して薬を使用できるようご参考になれば嬉しいです.。◌〇💖


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