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[紹介] フルート・ダモーレとはなんぞや

わたくし、サックス奏者として20数年やってきましたがとくに録音などの現場で「フルート吹いてくれない?」ってなご要望がまれにあるんです。
フルートそのものは興味があって10年くらい前に買った一番安い半分壊れたようなやつを持っていたのですけど独学で習得するにはあまりにハードルが高く、しかも「吹けなければならない」というような状況もなかったものですからろくすっぽ練習もしておりませんで、2020年2月時点の実力は正直言って「かんたんな童謡がどうにか吹けるレベル」でございました。

そしてこのころ、わたしにとって初めての「壊れていないフルート」を譲り受けましてちょっと気が向いた頃にCovid-19の影響で仕事が激減しました。
毎日毎日家にいる日々。
この騒ぎが収まっても失った仕事が元通り回復するとは思えない。

そこで、この自粛祭りが終わった時になにかひとつ芸を増やしておかねばならんと、それまで放置していたフルートを頑張りはじめました。
たいへん素晴らしいトレーナーの方にお世話になりながら初歩からフルートを教わりました。
(いまでも続いています。)

10数年前にフルートを手に入れた時から、どうせならこれが欲しいと思うフルートがありました。
それが「フルート・ダモーレ」です。

普通のフルート(コンサート・フルート)は調がC調ですが、このフルート・ダモーレはBb(あるいはA)調なのです。
つまり普段吹いているソプラノサックス(Bb調)と全く同じ。
これはたいへん助かります。
もともとC調で書かれた楽譜を手渡されても即座に読み替えができますし、いままで演奏してきた曲もそのまま吹けばいいのです。
さらにはコンサートフルートを持ってアドリブをしているときには、ついBb調の楽器のつもりで手が動いてしまっていたのですがダモーレであればその心配もありません。

わたしの兄弟子である山中良之が手に入れてたいへん気に入っているというメーカーを見つけまして、春~初夏あたりだったと思いますが、意を決して注文しました。

さて楽しみに待って9月11日。
うちにあこがれのフルート・ダモーレが到着しました。

第一印象は「でかい
通常のコンサート・フルートよりも大幅に太く、長いのです。
それゆえに温かみのある音がします。
なので、フルート・ダモーレ(愛のフルート)なのですね。

ひととおり吹いてみて、とっても気に入りました。
それからというものこのダモーレに夢中で、ずっとこればかり吹いています。
ただ、技術の習得からするとコンサートフルートでうまく吹けるほうが先のような気がするので、いまは両方の笛をがんばって練習しています。

足部管はソプラノサックスと同じBb足にしたのですけど、ここだけはC足でもよかった気はしますね。なにしろ重いです。
ただ、いざというときそこまで下がれるというのは心理的には余裕があります。
なんせ普段はアドリブ演奏が主体ですから、普段LowBbまでついているサックスを吹いている関係上、成り行きでそこまで下がらないといけないこともあり得ます。
管楽器の場合、低音はがんばっても決められた音より低い音は出せません。高い音は努力次第ですよね。
ややこしいですがBb管でBb足管なので、実音でAb(As)まで下がれます。
コンサートフルート(C足)の下限はCなので実に長3度も低い音が演奏できます。
余談ですがアルトフルートは下限がGなので半音しか違いません。でもアルトフルートですともっとずっと大きくなりますね。

現場で使ってみてわかったこと

音量は実はコンサートフルートと数値としては大差なく、ただし音質が温かみのある音質になっているので例えばアンサンブルにドラムが居る時点でわたしの技量では「聴こえません」。
ですので積極的にマイクを使用しています。
マイクも最初のうちは耳掛け式の安価なものにしていましたが(タンポのカタカタ音が気になる)、先生からのアドバイスでスタンドマイクを使っています。ただライブハウスによってはPAさんがいらない苦労をしてしまうようなので、ちょっといい値段のマイクを新調してしまいました。こちらのレビューはそのうちまたしようと思います。

さて、つらつらと綴ってきましたがまだこのダモーレを使った録音物はありません。
Youtubeには練習動画を載せてはおりますが、現在のところライブに来ていただくほかお聴きいただくことはできません。

もしもダモーレを直に聴いてみたいということでありましたら、事前にわたくしまでお問い合わせください。(どのライブでもダモーレを使用しているとは限りません。)

黒田雅之へのお問合せフォーム
http://form1.fc2.com/form/?id=597289

京都在住のサックス/フルートプレイヤーです。 思ったことを自分勝手に書いていきます。 基本、内容はえらそうです。