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『千と千尋の神隠し』を見てきた

公開当時映画館で見て、映像の美しさに圧倒され
子供たちも大好きでDVDを買い、何度も見て
セリフも覚えてしまうほどの作品

え?あのファンタジーなアニメ映画を舞台にするの?!

どうなってるのか不安もあり
あんまり期待しないで、別物としてみようとすら覚悟してたのに
結果的に、あの映画がそっくりそのまま舞台になって
命あるものとして目の前で繰り広げられて
めちゃくちゃ感動したんですよね。

舞台になると聞いた時、しかも千尋役が上白石萌音ちゃんと
橋本環奈ちゃんのダブルキャスト
どっちも大好きだし、見てみたいなあ~と思いつつ
コロナ禍だし、キャストも豪華でチケット争奪戦に
参加する気力もなくあきらめていたんですが

ある日友達がチケットサイト枠の抽選ツイートを
リツイートしてくれていたので、ダメ元で申し込んでみよ・・と
応募したら、なんと当選!!

しかもS席。スマチケをダウンロードしたら8列目で
すごーい!と思ってたのに、いざ梅芸に入ると
舞台を拡張してるからか、実質4列目!!

オペラグラスなしに、演者の表情も見える最高の席でした
ありがたやーー!

その興奮と感想をきれいにまとめられないので
思いつくままつづります。


何がびっくりするって、いやもう、萌音ちゃんの動きが
アニメーションの千尋そのもの!

ディズニーのアニメが、人間の動きをキャプチャーして作られてるから
それであの独特の滑らかな動きなんだというのを聞いたことがありますが

まさにその逆で、アニメーションの動きを
萌音ちゃんが、実際の身体で再現してるのめっちゃすごいのよ

あの手足の動き、表情、雰囲気

冒頭の車に乗ってるシーンからびっくり

あ、お父さんが大澄賢也だ。
油屋の兄役も大澄さんで二役だというのはわかったんだけど
お母さんの妃海風さん、 リンと二役だったのか!!
知らなかった!!(今キャスト調べてて知ったw)

リンが、ものすごくリンだったのよ(力いっぱい)
声もしゃべりかたも、しぐさもアニメから飛び出してきたみたいで
衝撃受けるほどのリンで!!素晴らしかったなあ。

最近、舞台でも映像を使ってることがよくあって
あまりに多用すると、それもう映画でよくない?
舞台の意味?っていうことになったりするんだけど
必要最小限の映像を効果的に、最初と最後だけに使っていて
(しかもその映像・・というかアニメーションは
 ジブリが舞台のために作ってた、すごい)

あとは、もうすべて人力。人のなせる業

湯婆婆が飛ぶシーンは、ちゃんと人形が飛んでるし
釜爺のたくさんの手もススワタリたちも、人が動かしてる
黒子ならぬ、ベージュの人たちが舞台上でパペットを動かしてて
なんなら鳴き声も出してる。
それが全然気にならない、不自然じゃない。
なんというか、文楽の趣さえある。

湯婆婆の顔が大きくなるところは、
ちゃんと、ばーーんと大きくなるんですよ。
これはね「ナイツ・テイル」でクリオンの顔が
巨大なお面になってたのを思い出したわ
それよりも、さらに複雑になってたけど
おお、さすがジョン・ケアード!

千尋がカオナシや坊と電車に乗るシーン
映画では、海の映像がものすごくきれいで神秘的なシーンだったけど
どうなるのかと思っていたら

電車に乗り合わせているほかの人が
全員黒い紗を着ていて、顔にも紗がかかっていて
ものすごい影の匿名性を表していて、印象的だった。
すごいなあ、

その中で、何とも言えない表情の千尋が座っているのよ。

龍になったハクと空を飛ぶところや
水の中で助けられたことを思い出すシーン
これもフライングするでなく、ベージュの人が
萌音ちゃんを持ち上げて支えて人力フライング

ハクは一歩間違えたら、実写にすると滑稽になりかねない
イケメンキャラなのに、いやもうそのまま!!
あわや2.5次元、ヘアメイクもばっちりはまってたわ。
ハク様がそこにいる・・・

私が見たハク様は醍醐虎汰朗さんで
「天気の子」の声優してたんだね・・
くらいしか予備知識なかったんだけど

なんていうか、身体の動きがとても美しかった!
むしろ映画よりも人ではない神秘性を感じられて
よかったかもしれない

何よりカーテンコールの最後の最後で、
魔法をかけるしぐさが投げキスのようで、美しくてやられてしまった
あれ、上手でやったんだよなあ。
ワタシ下手だったんだよなあ。目の前で見たかったw

そしてカオナシ役を菅原小春がするんだ!!
小春ちゃんがすごい楽しみだったのよね。
ずっとあのカオナシのお面をかぶって
身体も黒い服をまとっているけど
その身体を覆う服の下で、何とも言えない、
異様な動きでカオナシの異質さを表して
やっぱすごい・・
小春ちゃんをキャスティングした人に拍手

カオナシも気が付いたら、巨大お面になってたり
だんだん大きくなってるさまがすごかったよ

カーテンコールでやっとお面をとったら
真っ赤な口紅の小春ちゃんが表れて
小さくマスクの下で、ひゅ~~~♪って言うてもうたわ

釜爺が薬棚に、手をびよーんと伸ばして薬をとってくるところとか
あの部屋も映画のまんま。
呪いの虫を踏んづけて、えーんがちょ、するところも。

紐を引っ張って湯桶にお湯を張るところも
ちゃんとあのトイが下りてきて、もくもくとした煙が出てくるし。

湯婆婆は、夏木マリさんと朴 璐美さんのダブルキャストで
ワタシが見たのは朴 璐美さんだったけど、
いや、ほぼ映画の湯婆婆だった!!

夏木マリさんが映画では声優したから、ほんとは夏木マリさんで
見たかったなーという気持ちもあったけど
全く違和感なく、湯婆婆で逆にびっくりしたわ。

油屋にやってくる神様も見事!
春日様もそのまんま、千尋とエレベーターに乗るおしらさまも
着ぐるみでそのまんま
エレベーターも、ライティングで上がってるのがわかるし
何枚もの扉が縦横無尽に動いて、駆け抜けてるさまとか
演出ってすごいなあ。

ハクにおにぎりもらって食べるあのシーン
もう、萌音ちゃんの号泣が、ほんとに号泣で
もらい泣きしそうになった。

もちろんその場でおにぎりを食べてるわけじゃなくて
もらったおにぎりをそっと後ろにいる花役の人に渡してるのが
ワタシの位置からよく見えて、なるほど・・と思ったり。

余談ですけど、昔、初回盤のDVDを買ったら
特典が「ハクのおにぎり」で、プラスチックの白おにぎりが
ついてたんですが、どうしろと・・・っていう代物だった思い出

そういえば、ミュージカルではないのに、
生演奏って聞いてたけど、オケどこにいるんだろう?と思ってたら
最後に、舞台の後方上段にオケピがあった!!
あんなところに~~~!!!

ずっと音楽も素晴らしかったもんなあ
たぶん、映画と同じ曲を演奏してたのかな?
歌うシーンも少しだけあったけど、
ミュージカルではなくて、音楽劇とでもいうのか

音楽とともに見ていたから、さらに想像がふくらんだのかもなあ

ちなみにこのnoteもSpotifyで「千と千尋の神隠し」サウンドトラックを
聞きながら書きました。いい時代だ・・・


子供たちと一緒に真似してた、♪おねだり、おねだり のシーンも
そのまんまだったし、青蛙を飲み込んだカオナシのセリフも・・

ほぼすべてのキャストが完璧だったけど一つだけ残念だとすれば
坊ですかね、坊はちょっとおもしろかった(笑)
ちょっと小さめの相撲取りみたいな感じになってしもてた。

っていうか、何しろあれは神木隆之介だしなあ。

ちなみにこの舞台の千秋楽、配信があるそうなので
興味ある方はチェックしてみてください

7月3日(日)12:00と7月4日(月)12:00の御園座公演を
Huluストアにて独占生配信

詳しくは
https://news.hulu.jp/spirited_away/


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