見出し画像

Appleとわたし

手に余るほどのおおきな携帯を買った。
iPhone13
最新機器にうとく、なんでもよかった。
電話さえ出来ればいい、の時代から
LINEさえ出来ればいい、の時代になり
誰の電話番号もわからなくなった。

指紋認証が心地よく思っていたのは過去になり
世間では顔認証、マスク認証とやら
人さまに顔を向けるのも恥ずかしいのに
携帯さまに顔を向けるだなんて、寝起きは困る。
親さえ認証してくれないのを、えーあいさまは
認証してくれるのであろうか。

それでも時代遅れの、そのまた遅れのような
iPhone7を持っていたわたしは必要にかられ
替えることにした。持ち主とともに劣化。

さて。手に余るほどの携帯を手にしたわたしは
使うのがこわすぎる。全面画面。ぜんめんがめん。
親指おくとこねーじゃねーか。
よし、後悔しないためにもカバーを買おう。

ものすごく気に入ったカバーを買おうと
きらめく銀座のAppleにいった。純正以外お断り派。
「ご予約はされていますか?」してるわけない。
純正を買うんだ!という意志と裏腹に予約なし。
相手は予約の方以外お断り派だった。

「お色はお決まりですか?」実物みて決めたい。
「決まっているモノを買うだけ、3分程度の入店でしたら」

アレも買いたいしコレも買いたい。
カバーも買いたいし、背面に付けるカード入れも。
色の組み合わせだって実物みないとわからない。
ルールを知らなかった私は
涙をのんで、今日もカバーにありつけなかった携帯を
しっかり握りしめ帰って来た。

その夜オンラインで予約をしようとしても
オンラインでの予約は承っておりません。としか出ない。
いったい世の人はAppleさまに入るのにどーしてるんだ。
でも絶対実物をみて、飽きるまで見比べて買いたい。

翌日にあたる今日、新宿のAppleに行ってみる。
入り口のチャラチャラしたお兄ちゃん。
サングラスしてる。色つき。
お兄ちゃんに「カバーを買いたい!」と申し出る。
「予約は?色は決まってますか?決まってたら…」
案の定、昨日聞いた言葉が返ってくる。

もういい、この後表参道で用があるから
表参道行ってやるんだ、そうするつもりだったし。
絶対ここより混んでるだろーけど。
と思ったら、まわりを見回し
「入っちゃいましょ」と。

後ろには列がある。
ちゃんと予約した人たちが自分の番を待っている。
「え?予約の方は?入れるんですか?」
「入っちゃえばおねーさんが予約がどうかは
誰もわかんねーんだからさ!」デキる青年
さすがのチャラ男である。
やっとわたしの運の本領発揮。運だけはいい。

声をかけた子が正解だった、店頭イチのチャラ男。
いろんな色を悩み、あれこれ付け替えて意見を聞く。

シリコンだと汚れ目立つけど
シリコンのこの色いいなーとか。
この色とこの色だと
出かける時にテンションあがりそ!とか。
単色だと面白みはないかもだけど
飽きずにシックだねとか。
定番色だけど、飽きのこない
遊びある色がいいなとか。

そんなに写真送って誰に意見を求めてるの?
とか。母です。
母はむかしから私のことをよく知っている。
母の絶対はわたしの絶対になる。
そして何通りもの色の組み合わせをLINEで母に送り
友達に送り、何人もの意見を聞くのに付き合ってくれた。

すごいなぁ、Apple。こんなにマンツーマンで
予約なしのわたしに「時間気にしなくていいよ」と
半タメ語でヒジついて対応してくれる。
手を前にそろえて直立で
ご丁寧に頭を下げて断られるよりよっぽどいい。

最終的に母から送られてきた答えが決断になる。
「違和感のある可愛さ」がいいという。
くしくもそれはチャラ男が最初に「良い」といった
色の組み合わせだった。
1時間悩んでやっと決めたころには
表参道のお店、修理をお願いしている
ジュエリー屋さんの閉店30分まえ。やばーい!

「着けて帰ったら?」というチャラ男に
「時間ないから家でゆっくりやる!」
と言って袋に入れてもらい表参道へとはしる。

そしてギリギリ閉店時間2分過ぎて表参道の
ジュエリー屋さんに着く。
ありがたく無事に修理品を受け取りひと息。
友達(Aさん)のいるお店に行ってケーキを頼む。

任務完了!休日満喫、大満足!

「やっと買ってきたんだー!」
「何色にしたのー?」
と。袋から出して箱から取り出しはめてみる。
はめてみる?どころかはまらない。
はまらないんじゃなくてスカスカ。

iPhone13で試しに試して1時間ディスカッションして
あげくに袋に入れてくれたのは
iPhone13pro maxと書かれた一番大きなサイズの
カバーだった!かろうじて色だけ正解、チャラ男!

落ち込むー明日からのカバー付き生活。
夢が叶うまえに崩れ落ちる。

新宿店に電話をするけど繋がらない。
このご時世大忙しのAppleさま。
いま表参道から新宿に向かっても閉店時間は過ぎる。
電話は繋がらない。10分かけっぱなしでも保留音。

そしてここは表参道。ってことはAppleがある。
Aさんのいるお店にすべてを置いて
お店のスタッフに自転車を借りAppleに走る。
3分で着く自信のある表参道店。
走りながら自転車の鍵のナンバーを聞いて
忘れないように繰り返しているうちにApple到着。

先ほど新宿でカバーを買ったのですが…
なるべく、なるべくチャラい男の子に話しかけた
Apple✖️チャラ男は必ず正解、とさっき学んだ。
「レシートありますー?」この、軽い感じがいい。
Appleさまとなると、紙のレシートなどなく
メールで送られてくる。でも送られてない!

嘘言ってるんじゃないんだーと。
iPhoneのシリアル番号を確かめる。
クレジットカードを確かめる。
確かに決算しているのだけど、レシートがない。

でもほんとに30分前に買ったんだもーん。

「今日カバー着けて帰りたいですよね
待ってください上の者に確認します。
絶対なんとかします!」
表参道のチャラ男もイカしている。

もちろん予約あるわけもない表参道店では
店内に入ることすら出来ず、外で待つ。
そして来た、iPhone13と書かれた箱を持って
チャラ男が出て来た。出て来てくれた!涙。

そして「今度は着けて帰りましょう!」と
iPhoneに着けてくれて、もうおばちゃん感涙。
さっきも着けてもらっていればこんなことなかったのに。

それで購入履歴を残しますね、とカードを切る。
またレシートが届かない。
「おかしいなぁ」とわたしの携帯を見てくれると
メールのデータ移行後の設定が出来てなかった
これに至っては120%わたしの不備。
わからないからもういいや!と言うと
「今後不便だろうから10秒でボクやります!」と
設定もしてくれた。外で。
規則があるのかないのか、量販店には絶対にない
このAppleの柔軟な対応と客想いな感じ。
ただ、望みを叶えてくれる外資系企業らぶ。

無事に新宿店のレシートも、返品伝票も
表参道店のレシートも、交換済みも届いた!

ごめんなさーい!となるわな。

まぁ、違うサイズのカバーをわたしたのもだけど笑。
でも、そのおかげでこんなに優しいチャラ男たちに
一日に2人も巡り会えた。
Sから始まる携帯屋さんでは断固としてやってくれなかった
メールの設定もやってくれたし、便利な使い方もいろいろ教えてくれた。若いチャラ男たち。サイコー。
最近のモノは最近の子に聞くのが一番だわ。

「あーよかったーカバー着けて生活出来ますね!
お見送りします!」って、最初から最後まで外で。

ん…?

必死に唱えてた覚えたての自転車の鍵の番号わすれた。
来る道ではしっかり唱えられてたのに
返品やら交換やらシリアルやら唱えてるうちに
すっかり忘れた。さすがわたし。

今や使いこなせるiPhoneで自転車の持ち主に電話。
ほんの10分前に聞いた番号を聞きなおす。

お見送りします!のチャラ男も待ってる。

もたもたしていてごめんなさい。
とんでもなく焦ったのですよ、ぷろまっくすに。

世の中の皆さまありがとう。
鍵を開けて、カバーの着いたiPhoneを持って
颯爽とAppleをあとにするわたしは
表参道イチかっこよかった。
すべてが整った、時間を十分にかけて整った。

iPhone20が出るくらいまで使うつもり。

Apple社に感動した一日の物語。
アメリカ資本の素晴らしさよ、若者の柔軟性よ。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

本当によく悩んだ一日でした。
お相手してくれた皆さまありがとう。

画像7

画像8

新宿のAppleにはお世話になりましたが
かっこいいのはやっぱり表参道だなー。
しゅんぺーの自転車とApple。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?