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経営分析論(2020年度)の履修ガイダンス

今週に入り大学からしばらく続くであろう遠隔講義についてお知らせが。ここでは私が勤務する福岡大学商学部・商学部第二部の皆さん対象に経営分析論の履修ガイダンス的なメモを記しておきます。

加えて,私のポエム的な現状認識についてもメモしておきます。

学生は大学からのお知らせを必ずチェック!(私のnoteで言うてもほとんど見られない笑)

これを書こうと思ったのは、近畿大学の山縣正幸先生の投稿を見てのこと。少しでもこの不便な状況を改善できればと作成したものです。

学生さんは必ずFUポータルと商学部・商学部第二部特設サイトを確認してください。これまでとは全く講義のやり方が異なります。

※状況に合わせて順次書き直します。あくまでも4/14 9:15現在の考えです。
※トップ画は講義準備をする私の横でしまじろうを観る娘氏です。

成績評価について

まず成績評価ですが,この先COVID-19が収束していれば通常通り定期試験のみです。

もし収束していない場合、(大学が認めるかどうかはありますが)決められた時間に解答を入力できるフォームを作成して自宅で試験を受験できるようにします。

これが認められない場合は,期末レポートと講義ごとに提出する課題(講義内容に沿ったもの)を採点対象として検討します。経営分析論は経営戦略やマーケティングの分析手法を使って企業行動を見ることと、財務数値をもとにその企業の経営状態を判断できるようにするという2つの要素を身につけることが目的ですから、その講義目的に沿った成績評価方法を選択します。

定期試験はこれまで原則的に講義の内容に沿ったものにしてきました。「講義に出席し,復習さえちゃんとやっていれば単位は取れる」と考えてきましたが,レポートの場合はどうするかを思案しています。自分で企業を選んでも良いでしょうし,講義で取り上げたいくつかの企業について詳細に分析するでも良いでしょうし。とても悩んでいます。

履修方法

現在、大学からはWebexを用いて、①講義を生中継で配信する、②(実際どうやるかはまだ説明がないですが)オンデマンド配信と、オフラインで③教員から示された課題を行い提出する課題研究の3パターンがあります。

本来ならば①を選択したいのですが、現時点においてどの程度回線が混雑し、混乱が起きるかわかりませんので、②で行うことが妥当ではないかと考えています。

これまでも経営分析論では、①講義でのレジュメ配布、②復習用にWebでpptを配布するという方法を行ってきましたが、遠隔講義でも基本的にこのやり方を踏襲します。問題は,講義をどのように皆さんにお届けするか。

内容にリアリティを持ってもらうため、講義ではこれまで動画を積極的に活用してきました。しかし、著作権の関係でオンラインでは見せられないことが考えられます。ただ、雑誌記事や新聞記事を配布することは認められそうですし、そもそも企業に関する情報は各社のWebを見れば豊富に掲載されていますから、これを使用すれば良いのではとも考えています。

その上で、講義をどう進めるか。これもこれから大学から示される指針をもとに再検討しますが、現時点(4/13 23:00時点)では以下のようにします。

① 講義のオンデマンド配信[映像あり]
WebexあるいはYoutube(限定リンク)を用いて講義動画を配信する。後者の場合はいつでも復習可能なコンテンツとして履修者のみに限定公開します。

② 講義のオンデマンド配信[音声のみ]
noteの「下書き」は実は「限定公開」の機能のようなもので、URLをシェアするとそれを知っている人だけが見ることができます。そのページに音声のみを載せています。①の音声のみバージョンです。これをFUポータルを通じて受講者向けにシェアして、アクセスしてもらうという方法です。こうすれば音声を聴きながらでも、他のアプリを開けます。講義資料を見ながら講義を聴くことができるのではないかと考えています。

③ レジュメとpptのみで自習
これらの資料はFUポータルの「講義内容」あるいは私のWebでダウンロードできるようにしていますので、そこからダウンロードしてください。講義を聴かなくても何とかなる人向けです。

履修に向けてのお願い

教育現場はやはりベースのことが多いので、紙で情報提供するのが当たり前になってきました。多くの学生が自宅にプリンターが無いのではないかと推察します。また,大学周辺のコンビニで印刷しようと思えば,学生が殺到しているなんてこともあり得るかもしれません。ここをどう調整するかは正直悩ましいところです。

できればレジュメは印刷しておいてください
この科目は会計科目なので、やはり印刷してもらって紙を置きながら講義を聞いてもらうことを前提にしています。当然計算問題もありますが、今回は遠隔講義の実施にあたり、のちに紹介するシステムを用いてある程度出席管理(出席点はありませんが、多少の加点要素とする場合もあります)をせざるを得ないと考えています。

ですから、受講前に自宅にプリンターがある、あるいはコンビニなどに行ってもらって、プリントアウトしておくが理想的です。

印刷できなくても
また、印刷しなくても、スマホ+PCあるいはタブレット端末があれば、どちらかで講義映像を観ながら、どちらかでレジュメを観るということも可能でしょう。Webにあるレジュメとpptをあらかじめダウンロードしておけば、印刷なしでもある程度対応できます。

さらに、スクリーンショットをすれば(かなりメモしづらいですが)メモすることも可能ですし、タブレット上にファイルをダウンロードしてメモ書きできるアプリ(個人的にはGoodNoteがオススメです。ノート買ったと思って課金した方が便利です)などもありますから、印刷しなくても多くのことが可能になると考えます。

音声だけでも対応できるように
もしスマホしかない、タブレットしかない、PCしかないという場合は音声だけで講義を聞くことができるようにしています。

この場合,ブラウザを用いてURLリンクからnoteにアクセスしてください。

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こんな画面が出てきます。
ゼミOBに協力してもらって確認してるので,恐らく聴取可能でしょう。

そうすれば音声が流れている間でも講義資料を表示することができます。その際、あらかじめファイルをダウンロードしておく、表示できるアプリに落としておく、スクショしておくなどしておけば、ストレスなく講義を聞けるのではないかと考えています。

カンタン提出のテスト協力

この講義では、某メーカーから依頼を受け、講義管理用の「カンタン提出」というアプリケーションを使用します。

毎回の講義レジュメにQRコードを付し、そこからWebにアクセスして①講義アンケート、②毎回の課題を提出してもらうことにします。この写真のようなシステムを活用します。

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左がQRコードを読み込んだら出てくるブラウザ画面。
右が所定のアンケートに回答した後,課題提出で出てくる選択肢。

使用方法のマニュアルはFUポータルあるいは私のWebページに共有しています。

そのため、やはりスマホとは別のハードを用意あるいはあらかじめレジュメの印刷をしておくことをオススメします。音声だけでも対応とは謳っていますが、中には指定されたQRコードを用いてレジュメに示された課題を撮影して提出する場合もあります。
※ QRコードは毎回それぞれ異なりますし、提出時間が表示されます。

ただし,スクショやGoodNote等のアプリを使って課題を行った場合でも,その画面をスクショして「カンタン提出」から「フォトライブラリ」を選択すれば送付できます。やむを得ない場合(事前に申告がある場合)は認めることもありますが,プリントアウト→撮影で提出を推奨します。

課題提出の締め切りは原則講義の2日後の23:59としていますので、できればレジュメを用意(印刷)しておくようにお願いします

提出方法は当該資料をよく読んでおいてください。

おわりに:初めてのことばかりですが

今回のこのような状況は、学生だけでなく、教員にとっても初めてのことです。最初は迷惑をかけるでしょうが、講義が進む中で改善をしながらより良い講義ができるようになるでしょう。

そのためには教員側はもちろん、学生の皆さんからの貴重なフィードバックも必要です。ぜひ不満ばかりでなく、「もっとこうしたら良い」とか、「こうすると講義に取り組みやすい」とか、意見を下さると嬉しいです。

以下は私の朧気ながらの感想です。読み飛ばして頂いて構いません。

いずれ大学の講義はオンラインで済むようになる。その時、教員がどういうコンテンツを作れるかはもちろんですが、実は学ぶ側の学生も学ぶ姿勢が問われるようになる。この数年、ずっとそのように考えてきました。

オンライン・コンテンツの充実化で教室で行う講義の価値はどのようになるか。

ある種の恐怖感のようなものがありました。

しかし、準備をしていく過程の中で、一方向の100人近くが履修する講義で全員が全員に満足してもらうことは難しいからこそ(諦めてはいません。でも相性はありますよね。)、これまでのやり方をベースに、少しずつ改善することを選択しました。その現時点における解答が、上記に示した方法での講義です。

そのヒントとなったのがこの記事でした。

ここではオンラインとオフラインというインターネット上でどうするかという話だけではなく、同期型非同期型という概念を提示して、これからの仕事の進め方、ひいては講義の意義を示してくれたように感じました。

ここに書かれている一番大切なことは、テキスト(文章)でのコミュニケーションがこれからもますます重要になるという、多くの人にとって文章を書くことが苦手でしょうから耳が痛い話です。そうオンラインになればますます文章を書く力が大切になる。日常生活で情報を取る読解力と合わせて,誰が読んでもわかる文章を書く力が求められるようになります。

そして、もう1つ大切なことは、非同期型の仕事の仕方=一堂に会して仕事をする、顔が見えるコミュニケーションに基づく「コミュ力勝負」ではない働き方が重要になるという指摘です。もう少し言えば、監視の有無、進捗管理の有無に関わらず、「結果を得られる人材」=組織に属しながらもある程度個人で自律的に仕事が継続できる人材が求められそうだという話です。コミュ力もオンラインで自分の意志・意図が伝えられるようになるという意味でのコミュ力になるでしょう。

本当にそうなるかどうかは未来にわかることですが、少なくともさまざまな経営者と話をしている限りでは、そういう時代はだいぶ前に来ていて、今回たまたま顕在化しただけだと考えることも可能です。

一般的な学校教育(何が一般的か問題もある)では、学校あるいは教室という場に教員と学生が集い、その場で互いの顔を突き合わせて理解度を確認するというオフライン・同期型の形式を取ってきました。しかし、残念ながらこうした方法は少なくともしばらく選択することができず、止むを得ず遠隔講義を実施することになりました。

なので、これまでと同じ部分と新しく変わる部分とが出てくることでしょう。つまり、講義はオンライン・非同期型になっていく可能性が高いわけですから、私たち教員もそうですが、学生の皆さんもさまざまな講義を受けながら適応していくことが求められそうです。その逆に,オフラインの価値も高まるのだと思います。そのときに,学校という場が持つ機能が理解されるのでしょう。オフライン・同期型の価値です。

もちろん,オンライン・同期型もあり得ます。ZOOMやWebexで行う講義ですが,これはこれまで学生であれば馴染んできたLINEでの通話ですよね。これまでITツールの進化をその利用者側は空間・時間を乗り越えるという視点で活用してきましたが,(すでにそうなっているように)オンデマンドやアーカイブされている情報にアクセスして時間を乗り越えるという視点で活用するようになるのでしょう。

私たちはすでに来ている未来を生きている。

かつて経営学の巨人と言われたドラッカーが言っていた言葉ですが,こういう危機に直面して私たちは初めてそのテクノロジーが持つ価値に気付かされるのかもしれません。本当はその時点で気づきたいんだけど。

繰り返しますが、まだまだわからないこともあるし、これから順次修正を加えることになりますが、こういう風に考えて講義をしているんだということを少しでもご理解頂ければありがたく存じます。

早くこの災禍が収まって、皆さんの姿を大学で見ることが理想ですが、まずはオンライン上で無事に講義を受けられることを祈念します。

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