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会計や財務を気にしなくても経営はできる?

会計という過去の記録を見ずに、お金をどう使うかを決めるのはとても怖いと、前に述べました。これは、人の性格によるところもありますので、別に怖くない、大丈夫だよという方もいると思います。

実際、会計記録である試算表を見ずに経営を行っても多くの場合は大丈夫です。大丈夫というのは、会社が倒産する事態にはなかなかならないという意味です。

不摂生をしてもすぐには悪影響は出ない

会計を軽視し続けても会社は倒産しない、ということを言っているわけではありません。今すぐには倒産しないという意味です。

不摂生を続けてもすぐには病気にならないし、ましてや命の危険に陥ることがないのと一緒です。しかし、そのような生活を続けていれば、いつかは取り返しのつかないことになります。

会社も同様で、会計のことなど気にしなくても当面は大丈夫です。しかし、いずれは倒産してしまう日が来ます。会社を永続させたいならば、試算表を通じて会社の声を聞き、間違った方向に進んでいるのであれば方向を修正しなければなりません。

試算表は進む方向を教えてくれる

試算表を見続けていれば、会社がどんな方向に向かっているかがわかるようになります。売上が下がっているという情報だけでなく、粗利益率が下がっている、預金が減り続けている、毎月の固定費が高すぎる等、改善すべき点はすべての会社に存在します。

そのような情報を読み取り、日々の経営に反映していくのです。少しくらいは悪い方向に進んでも会社は大丈夫です。引き返せるうちに、しっかりと戻るようにしましょう。

試算表をもとにした財務戦略で致命傷は避ける

これも大切なことです。通常は多少の失敗はあっても大丈夫なものですが、中には致命傷を負いかねないものもあります。

それを見極めるためのものが、複数のシナリオを反映した事業計画です。事業計画は3つではありません。通常のケース、楽観的なケース、悲観的なケースの最低3つは作っておきたいところです。

特に大事なのが、悲観的なケースです。これを見ることで、上手くいかなかったときにどれくらいの怪我をするのかがわかります。それが致命的なものであれば、その計画自体の見直しが必要です。もっとも、致命傷を負う可能性があっても、上手くいくケースに賭けるというのも経営戦略としてはありです(私にはできないですが…)。ただし、そのようなリスクがあることを知っていながらやるのと、知らずにやるのは大違いです。リスクを知らずにやるというのは絶対に避けるべきです。

まとめ

経営をしている以上リスクは必ずありますし、リスクを取りにいった結果失敗することもあります。失敗することが問題なのではなく、失敗したことに気付かずに同じことを続けていくことが問題です。そうならないためにも、しっかりと数字を見て、正しい判断をしていきたいものです。

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