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純資産を増やして資金を増やす

何だか当たり前すぎて普通のタイトルになってしまいました。しかし、純資産を増やすという方法について中小企業で取れる選択肢は多くないため、今回は仕方ないのかなと思っています…すみません。

前回までのまとめ

貸借対照表の左側にある資産の部、これを資金調達の観点では2つ(現金預金と現金預金以外の資産)に分けます。

そして、お金を調達する(増やす)ための方法は3つでした。
①現金預金以外の資産を現金預金に変える
②負債を減らさない、もしくは増やす
③純資産を減らさない、もしくは増やす

①には回収、使用収益、売却、税金減額の4つの方法がありました。

②では支払サイトや借入期間を延ばす、短期継続融資を活用するという方法がありました。

今回は③の純資産を減らさない、もしくは増やすという方法を解説します。

純資産の増やし方

中小企業において純資産を増やす方法ですが、実質一択です。それは、利益剰余金を増やす、つまり利益を積み上げることです。

上場企業であれば新株や新株予約権を発行するという方法で資本金を増やすことができるのですが、中小企業では株式の引き受け手がなかなか見つからず、普通は難しいです。

となれば、利益を積み上げていく方法しかありません。利益を計上するには黒字でないといけないのはもちろんですが、必ず法人税も支払うことになります。

黒字でも法人税を支払わなくて良い方法はないのか?とよく聞かれますが、ありません。大企業が使うような方法は中小企業はまず使えません。繰越欠損金があれば黒字で法人税なしもありえますが、そもそも赤字を出してないといけないので、上記の質問で意図している方法ではないですよね。

利益剰余金を増やしたいなら税金は必ず払う、このように覚えておいてください。

資金調達方法のまとめ

純資産の増やし方だけだと、すぐに終わってしまうので、資金調達方法について総括しておきます。

損益計算書しか見ない経営者だと、資金の増やし方は利益を増やす、つまり利益剰余金を通じて純資産を増やす方法と銀行から借りるくらいしか選択肢がありません。

ところが貸借対照表に目を向けると、いろいろな方法が隠れていることがわかります。

資産であれば、現金預金に変える方法が4つあり、負債であれば借入を増やすだけでなく、借入期間を延ばし返済額を減らす方法もあります。資金調達の選択肢が一気に広がるのです。

これに気が付ければ財務面に関してはかなり楽になります。

知らなければ着目点のわからない貸借対照表ですが、前回までの記事を復習してしっかり読めるようになりましょう。

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