見出し画像

日本のキャッシュレス界隈で話題になったニュースをまとめてみた(2018年初夏版)

こんにちは。5月から AnyPay で paymo biz のデザイナーをしている石田です。
Eコマースやスマート決済がどんどん発展している今、「支払い」をもっと便利によりよくするために、次々と新しいサービスが生まれています。
特に今年5月〜7月にかけては「キャッシュレス推進協議会」が発足し、各社も新しい戦略を発表するなど大きなニュースが多かったため、改めて振り返って見たいと思います!

産官学でQRコード決済の規格統一に向けて検討開始(6月)

このニュースのポイント

・QRコードを利用してキャッシュレス決済ができるアプリがすでに複数社から提供されている
・消費者が自分のスマホにQRコードを示すのか、店舗側がQRコードを表示して買い物客がスマホで読み取るのか規格が分かれているのが現状
・産官学、業界横断組織で取り組みを進めていく「キャッシュレス推進協議会」を設立し、規格を統一に向けて検討を開始
・加盟店が支払う手数料軽減などについても、店舗側に負担がかからないような仕組み、費用面について検討し、でキャッシュレス化を推進していく
・協議会では、銀行、IT企業、業界団体などが参加し、2025年までに日本のキャッシュレス比率を40%に引き上げる「キャッシュレス・ビジョン」の実現を目指す

かなり大きな一歩となったニュースではないでしょうか。
これから規格や助成金など関係者には重要な決定がされていく要の会となるので、注目していきたいと思います。
ちなみに「キャッシュレス推進協議会」には、AnyPayも初期メンバーとして参加しています!

Yahoo!が実店舗むけ決済をアプリに搭載(6月)

●このニュースのポイント

・消費者がバーコードを提示することで決済できる「消費者提示型」の決済サービスを開始
・支払い金額に応じて200円(税込)につき1ポイントのTポイントが溜まる
・口座数が4,000万を超える決済サービス「Yahoo!ウォレット」の新機能
・「Yahoo! JAPAN」アプリから利用できる

アプリ立ち上げから最短2タップでQRコードが提示できるように実装されていたので、個人的にはかなり気合いを感じました。
このリリースには「店舗提示型」も追って追加予定とありますが、このあとでご紹介する新しいサービスにどうやら統合されていく模様です。

LINE PayがQRコード決済の加盟店手数料の3年間無料を発表(6月)

●このニュースのポイント

・店舗の「加盟店手数料」を3年間無料にすると発表
・店舗用のアプリを無料配布
・店舗アカウントと連携することで、ともだちへの販促メッセージ配信も可能
・店舗(特に中小、個人経営)がクレジットカード決済を導入する際の障壁となる、初期費用と決済手数料を取り払うことで電子決済サービスの普及に加速をかける狙い

クレジットカードなどの決済手数料が費用対効果に見合わない、と言う声は確かによく聞く気がします。(色々な手続きを代行するための手数料だと思うので、代行会社が入っている限りは仕方ないとは思います)
そこを向こう3年間は0%にすると言うのは本気の施策だなと思いました。
キャッシュレス決済の手数料に障壁を感じている中小企業が審査に通るのであればすごく良さそうです。

ウォレットアプリの「Kyash」がリアルカードを発行、Visa加盟店舗で利用可能に

●このニュースのポイント

・今まではアプリで受け取ったお金をオンラインのVisa加盟店で利用することができた
・リアルカードの発行が可能となったことで、受け取ったお金をVisa加盟店の実店舗でも使えるようになった
・利用者には決済額の2%を残金として翌月にキャッシュバック

個人間でお金のやりとりができるアプリが普及するためは、「受け取ったお金の使い道」はすごく重要だと思うので、実店舗で使えるカードを発行し一気に使える店舗が増えることで、使ってみようと思う人がかなり増えたのではないかと思います。

pringが加盟店舗でのQRコード決済をいよいよ開始。決済手数料は業界最安値の0.95%。(6月)

●このニュースのポイント

・今までは銀行口座から直でチャージし、そのお金を他のユーザーに送金ができた
・QRコードを利用した実店舗での決済ができるようになり、加盟店の募集を開始
・銀行と直接繋ぎ込んでいるので、店舗側の決済手数料が、0.95%と、クレジットカードの決済手数料と比べてかなり低い

クレジットカードを通さず銀行口座と直接繋がっているので、加盟店決済手数料0.95%というのもすごいですが、pringの魅力はアプリ内でやりとりしたお金を自分の銀行口座に戻すまで、一切手数料がかからないという部分ではないでしょうか。

ソフトバンクとヤフーの合弁会社が、インドのPaytmと連携し、バーコードを使った新たなスマホ決済サービス「PayPay」を今秋提供開始(7月)

●このニュースのポイント

・ソフトバンクとヤフーが折半出資で新会社を設立
・インド最大手のスマホ決済事業者「Paytm(ペイティーエム)と協力
・各社のノウハウ、テクノロジーを活用し、スマホ決済におけるユーザー数、加盟店数ナンバーワンを目指す
・スマホ決済のサービス名は「PayPay(ペイペイ)」
・加盟店の決済手数料は開始から3年間無料
・決済は「消費者提示型」と、「店舗提示型」2つの手段を提供、支払いはクレジットカードと電子マネーを予定
・リリース後はヤフー単独のスマホ決済サービスは終了予定

こちらも加盟店の決済手数料3年間無料。
また中国で普及している「WeChatPay」や「AliPay」同様、「消費者提示型」「店舗提示型」どちらも提供するというところも注目ポイントかなと思いました。先述のYahoo!アプリ内のQRコード決済はこちらに置き換わる予定だそうです。

みずほスイカ(8月)

●このニュースのポイント

・カード発行不要の電子マネー「Mizuho Suica」の提供を開始
・みずほ銀行の口座から直接チャージが可能
・発行からチャージ、支払いまでの全てをiPhoneひとつで、キャッシュレスで完了
・将来的には顧客の同意を得た上で、入出金やスイカでの決済などを組み合わせたデータの活用も視野に
・利用にはアプリ上で専用のスイカを新規発行が必要(既存のスイカは使えない)

みずほ銀行のウォレットアプリの一機能という形を取っているので、みずほ銀行を利用しているかつiPhoneユーザーは、チャージと銀行の残高や明細確認が1つのアプリでできるのは便利そうです。
ただ既存のスイカは使えないとのことなので、スイカの定期や、パスモの定期を持っている人は使い分けが少し難しそうだなと思いました。


気になるニュースはありましたか?
これからまだまだ新しい動きが出てきそうな予感がするので、また溜まったら書きたいと思います。
誤りなどありましたらお気軽にコメントいただけるとありがたいです。