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バブル時代のクリスマスイブ

今日はクリスマスイブ。

イブの思い出というと、子供のころは近所のカトリック教会のミサに毎年行っていたのを一番に思い出すが、この件はいままで何回か書いたので、今日は違うことを。

僕は高校2年のときから六本木の飲食店で働き始めた。

当時は時代がバブルに向かって急加速していくときで、クリスマスというと飲食店はどこもメチャクチャに混雑した。

普段はカジュアルなお店でもクリスマスはコース料理を出して入れ替え制にして、お客さんは全部カップルで、みたいな。

僕はコアアルバイターだったので、イブに休むなんて絶対に出来なかった。

だからイブにはアルバイトしていた思い出がほとんどなのだが、1989年
のイブだけはアルバイトをしていなかった。

当時の僕は2回目の大学1年生で、付き合っている彼女がいて結構盛り上がっていて、彼女とイブを二人で過ごしたいと思っていた。

1989年は夏にバイト先のお店が地上げで閉店することになり、僕は別の店のオープニング スタッフとして銀座で働くことになった。

その銀座のお店に入るときに、「期間限定で」という約束をマネージャーとしていたのだ。

約束通り僕は11月末あたりでバイトを辞め、晴れてフリーの身となった。

1989年末には日経平均が史上最高の3万8,915円を記録した年で、世の中はまさにバブル絶頂に向かって突き進んでいた(株価は翌年から落ちるが不動産バブルが弾けるのは1992年だ)。

世の中は浮かれまくっていたが、僕は彼女のアパートの部屋で二人で料理を作って食べて静かに過ごした。

日常的にバブル絶頂の六本木に触れすぎて食傷気味だったのと、彼女が素朴な人で派手に遊び歩くことを望まない人だってので、家で過ごすイブは嬉しがった。

僕は翌年の2月から再びコアアルバイターとして働き始め、その彼女に翌夏に振られてしまった。

その後大学を卒業するまでずっとバイトばかりしていたし彼女もできなかったので、学生時代にクリスマスイブを恋人と過ごしたというのは、この1回だけだった。

やっぱりイブの思い出はバイトが真っ先に思い浮かぶ。

1988年のクリスマスイブは深夜までバイトをしてスタッフの皆さんと店で飲んでいたら、チラチラと雪が降ってきた。

東京でイブの夜に雪が降ることなんてあるんだ、と驚いたのを憶えている。

あのバブル期の熱狂は当時は好きじゃなかったけど、今この年齢でもう一度あの環境を見てみたい気はちょっとする。

日本中が浮かれていて、みんなが未来を信じていた超楽観的な時代。

もうあそこまで能天気な時代は二度と来ないだろうね。

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