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プレッシングの配置最適化 ~プレミアリーグ第21節 ブライトンvsチェルシー~


発車(はじめに)

どうも、むじんえきBOYSのKAISATSUです。年末年始は休日ダイヤなので、なかなか電車が来ないですね。そう言えば、神戸のアウトレットでいい買い物ができました。特にお気に入りなのはグレンチェックの…という話は置いといて。

今季スタッフ陣の改革を行ったものの、波が大きく失点も少なくないチェルシー。ランパード監督の手腕が問われる山場に差し掛かっている。

今節の相手はブライトンだ。あまり注目していなかったので前情報は多くないが、大目に見てやってほしい()


スタメンはこちら。

ブライトンチェルシー2


チェルシーのビルドアップ(vs中盤ダイヤモンド4-4-2)

ブライトンチェルシー3

大方の予想通り、ボールをゆったり保持したのはチェルシー。

ブライトンは中盤ダイヤモンドの4-4-2でプレッシング。その理由は、チェルシーを昨季から見ている人なら単純明快だろう。ジョルジーニョとデートさせる選手を置くためだ。加えて、チェルシーのCB又はSBのどちらにボールを持たれるのが恐いかと言えば前者だ。

ブライトンにはSBを自由にしてサイドで囲い込むという狙いがあった。実際、チェルシーは単純なCBからSBの展開ではブライトンの3CHのスライドが間に合い前進できていなかった。そこで、チェルシーはゾーン2右ハーフスペースへのウィリアンやカンテの降り、そこからのズマへのレイオフを多用した。すると、ズマからアスピリクエタへの素早い展開にブライトンの3CHのスライドは間に合わない。アスピリクエタに時間とスペースが与えられた。前半8分、アスピリクエタからの縦パスを受けたプリシッチのカットインから右へ展開した場面では3CHのスライドが間に合っていないことがよくわかる。(チェルシーはこの流れから得たCKで先制点を得た。)

ジョルジーニョ封じよりもスライドの追いつかなさを怖がったか。ブライトンは中盤をフラットに変更した。これにより、ジョルジーニョが自由を取り戻し始めた。


チェルシーのビルドアップ(vsフラット4-4-2)

ブライトンチェルシー4

23分ごろからフラット4-4-2でのプレッシングに変更したブライトン。

2CB+ジョルジーニョの3人をトロサールとモペイの2CFで監視。片方のCFがボールを持ったCBに行き、もう片方のCFがジョルジーニョを捕まえるという、これまたベーシックなチェルシー対策。

フラット4-4-2に変更したことで、先ほどまでの課題であった横方向へのスライドが容易になった。その代償として、噛み合わせの構造上ジョルジーニョに時間とスペースが与えられる。CB→SB経由でジョルジーニョにボールが渡ることが多くなってしまう(CB→IH経由の場合もあり)。

ここで声を大にして伝えたいのが、ジョルジーニョの個人戦術とも呼ぶべきポジショニングだ。前述した通り、ジョルジーニョを2CFで受け渡すブライトンの守り方に対して、ジョルジーニョはその”受け渡す瞬間”に移動を開始して管轄外に逃れる動きを何度か見せていた。

こういう何気ないところが超一流なのだな、とKAISATSUは試合を見ながらしみじみと感じた。

ジョルジーニョにボールが渡る回数が多くなるということは、その分だけ自陣に前進される回数も増えるブライトン。よって前半のうちにもう1度中盤ダイヤモンド4-4-2に戻したのだが、「守り方」自体に変動はなく、効果的なシステム変更とはならないまま前半が終了。


後半・ブライトンのシステムと守備修正、チェルシーのハイプレス

後半に入るとブライトンは再度、フラット4ー4ー2に変更した。しかし、前半と同じ守り方ではジョルジーニョからの展開が防げない。よって、SHの対応にマイナーチェンジを施したブライトンだった。

チェルシー 21節 ブライトン  攻ゾーン1 フラット 後半

ブライトンのSHは前半よりチェルシーのSBに近い位置に立った。そうして、縦切りよりSBからジョルジーニョへのパスコースを切ることを優先した。中盤のスライドとジョルジーニョ封じを両立したブライトン。この対応によりチェルシーは有効なビルドアップが減っていった。

ブライトンが守備を修正したことにより、ブライトンがボールを持つ時間が少しずつ増えてくる。となると、ボール保持を優先したいチェルシーとしてはハイプレスを実行。


チェルシー 21節 ブライトン  攻ゾーン3 ハイプレス

チェルシーのハイプレスの図がこちら。白い四角形で囲まれた数字は人とボールの順番・時系列を表している。言葉でも説明すると↓

1⃣WG(ウィリアン)が敵CHをカバーシャドウしつつ、CBに寄せる。

2⃣すると、ブライトンのCBは残ったSBへのパスコースを選択せざるを得ない。SBにパスが出ると同時にIH(カンテ)が敵CHをカバーシャドウしつつ出てくる。

3⃣WG(ウィリアン)は、IH(カンテ)がマークしていた敵CHを捕まえに戻る。


だがKAISATSU的には、このハイプレスは好みではない。時系列2⃣の場面でブライトンのCHがパラレラをすると、カンテのカバーシャドウの効果が薄まり、ウィリアンが戻ってそのCHを捕まえられなくなるからだ。

実際、55分13秒の場面でアルザーテがパラレラ(タッチラインと平行にボールを引き出す動き)を実行してフリーで受けたために、敵SHをマークしなければいけない右SBのジェームスが迎撃せざるを得なくなった。

KAISATSU「まぁ結局どの戦い方をするかに正解はなく、人それぞれの好みによるわけです(笑)。」

それと、このハイプレスが上手くいかなかったときの4-1-4-1ミドルプレスへの移行が結構スムーズ。迷わず帰陣していることから確実に仕込まれていると予想され、個人的には好きだった。



ブライトンのパラレラ&視野外強襲vsチェルシー撤退守備

試合時間が70分を過ぎたあたりから、スタミナの問題もありハイプレスに行きづらくなったチェルシー。4-1-4-1のミドルプレスとゾーン1での撤退守備で乗り切ろうとする。

ブライトンチェルシー1

特徴的だったブライトンの攻めが上図のCFのパラレラ。CB又はジョルジーニョを大外に釣り出せて中央においしいスペースを作ることができていた。

それと、逆サイドのCFのクロスに対する動き方も重要だ。

マークするチェルシーのCBとしては、クロスが上がる瞬間はどうしてもボールに目が行ってしまう。その隙に素早く視野の外からCBの手前に現れてシュート、というシーンも見受けられた。

背中に眼球が存在しない人間の原理を利用した、CFには必須ともいえる基本的な動き方だが、かなり効果的。

チェルシーが少し受け身になっていた時に得たコーナーキックで、ジャハンバフシュがロナウドもびっくりのバイシクルゴラッソ。えぐいの一言。

プレミアリーグ月間最優秀ゴールに圧倒的王手だ。

そして1-1で試合終了。ホームのブライトンは追いつき雄叫びを上げ、アウエィのチェルシーは追いつかれ勝ち点を2つ失った気分だろう。。。


終着駅(あとがき)

負け試合っぽい雰囲気を覆した前節のアーセナル戦から一転、逆の現象が起こってしまったチェルシー。最後に、チェルシー担当のKAISATSUから一言。

KAISATSU「ランパード監督がどう乗り切るか、様子を見てみよう」

まさかの海外サッカー常套句である。

まだ無人駅に駅員は来ていない。。。




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noteとTwitterでサッカー戦術分析中。両方ともフォローしていただけると嬉しがります。 無人駅に駅員を呼ぶためにサッカーの戦術分析で町おこし。 KAISATSUとKIPPUの2人組で10分に1本のペースの時刻表を目指して活動中(戦術分析の更新ペースは週1です)。
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