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『大人になりたい』

2023.3.12 多分、マイナスなことしか書けないし、何かを書こうと思うのは比較的マイナスなときだ。自分が自分である以上は、自分の許せないところと付き合っていかなければならなくて、そういう部分を美化するにしろ蔑むにしろ、自分でどう判断をつけるか、飲み込み方を言葉にしなければならない。くだらない人間だと思うこと、思考も言動もなんて自制心がなくて愚かなんだろうと思うこと、本来は真っ直ぐに見つめなければならない弱さを言葉にすることによって、自分との距離を作り、わたしではない、創

    • 『映画』

      2023.10.18 もっとはやく泣いておけばよかった。 時間が経ち、涙は出なくなった。 息が苦しくて、身体の自由が効かなくて、受け取れきれなくて泣いていた。映画を見る時、わたしはその情報量の多さ、人の感情の何重にも重なったそれに、耐えられなくて泣いてしまう。言語化できない限り、その感性を生で喰らってしまうから、ショートする。 映画を見たあと、わたしは主人公になってしまう。作品のではなく、この世界の。嘘、わたしはずっとわたしがこの世界の主人公だと思っている。思わないよう

      • 『わたしには想像しえない君、それを創造したこと』

        2023.10.18 この物語を、わたしが読んでも、この世の多くの人が読んでも、妹はそのような人間に見えなかったと思う。攻撃的で、繊細で、鏡のようで、妖精のようで、虚構で。言葉だけなら、説明だけなら、そんな少女だって思った。世界観も、例えば君が座っている椅子とか、纏っている衣装とか、硝子であることとか。もっと神秘的だって正しかった。もっと非実在にしたって、イマジナリーにしたって良かった。でも、リアルで、生々しくて、グロテスクで、悪魔のようで、悪女のようで、ファム・ファタルだ

        • 『書けなくて悔しい』

          2024.2.26 足りない。書ききれてないし考えきれてないのに、考え続けるのをあきらめて、簡単にできる「完成」を選んでしまった。納得していないから拡散することもできなくて、でも今この瞬間に考えていることを誰かに知ってほしいという欲が勝ってしまって、目先の快楽に負けた。悔しい。もっと考えなきゃいけないのに。違和感にも答えを見つけたいはずなのに。途中からは、丁度良くバランスの取れた答えにむかって書いてしまった。こんなのじゃだめだ。見て見ぬ振りしたことがいっぱいある。答えに導き

        『大人になりたい』

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          『耳を塞いでしまえば』

          2024.2.25 正義を語るための、攻撃性をはらむ言葉。 言葉の持つ影響力。 伝播する悪意を、簡単に想像できてしまう。 苦しい。 想像だけで、苦しい。 自分の発した言葉が自分の首を絞めて、呪いから逃れられない。 傷つけることで傷ついている。 離れられない。離れれば全て解消するのに。 傷つきたいみたいだ。 傷つく段階にいれば、向き合わずに済むからかもしれない。 優しくなりたい。

          『耳を塞いでしまえば』

          PPPPPPを読んで、呼吸が止まりそうになった。

          PPPPPPを読んで、呼吸が止まりそうになった。 読んで、というか、それを体感したのは64話を読み終えた後、誤ってページを閉じてしまったときのことだった。戸田真琴さんがツイートで漫画を紹介されていて、表示された画像の中には、ピアノと、ピアノの前に立つ少年がいた。ピアノの森を思い出して、ちゃんと読み切れていないことを少しばかり後悔した。漫画は全話無料公開中らしく、緊張しながら読み始めた。 読み始めて、面白くて。それはストーリーもそうだし、苦しさとか、コントロールできなさとか

          PPPPPPを読んで、呼吸が止まりそうになった。

          『レモネード』

          2023.7.15 「本を読んで人生に深みが増したと感じますか?」 そう尋ねられたとき、わたしは自らを省みて、何を思うだろう。 「そもそも大して読んでないです」 「完全な娯楽だと思っていて」 「ただ、妄想癖が加速しただけ」 本を読んで良いことがあるのは自分だけで、それはわたしが好きなものの中から選び取った、わたしにとって都合の良い言葉で、だから他人にも本を読んだほうが良いですよとは思わない。本を読んだくらいでわたしは深くならない。 タコスを食べた。 純情商店街の入

          『レモネード』

          『綴/私』

          2023.6 日記をつける、の「つける」って良い。 「つける」したい。 それで、日記をつけるのだけど、理由は多分たくさんあって、"多分"なのはその内いくつかを確実に忘れてしまっているからで。文章の書き方をすぐに忘れる。Wordの前で一時間。一文字目の入れ方がわからない。私は文章を書くことができるのに、書けない。書くことを身体に染み込ませるには、沢山書くことだ、と思う。十中八九、誰かが言っている。 物語が書きたい。 謎が好き。物語をジャンキーに取り入れたい時がある。結末

          『綴/私』

          二冊目を手に入れたい。

          好きな本を本屋で見かけると、買わなければと思う。家に帰れば枕元の本棚にしまってある本を。 本来であれば、わたしはハンガーを買い揃え、ノイズキャンセリングヘッドホンのために貯金をしなければならないのに、何冊も積み上げられ、孤独に佇む愛しいあの本を見ると、つい財布の中の2000円を確認してしまう。 愛しいあの本は家に何冊あったって良い。ひとつで読み、ひとつで眺め、ひとつで触る。嗅いだり、頬擦りしたり、たまには一緒に眠るのも良い。旅行をして、沢山の写真と切符を挟もう。 何者で

          二冊目を手に入れたい。

          『わたしだけが全てを引きずったままの強がり』

          2022.2.11 わたしの人生は可哀想なんかじゃない 中学の同級生とLINEをした。 気軽に他人とLINEが出来るタイプでは無いから、約一年ぶりの会話だった。彼と話すと、何となく楽しくなってしまって嫌だ。昔から。気遣いが心地好いのだと思う。何より、彼と話す自分が嫌いだった。気持ち悪くて、自分が自分じゃないような気持ちになる。出来るなら、忘れて生きていたいと思うのに、誕生日だけは思い出すから嫌いだった。 彼はわたしが元々通っていた高校の同級生でもある。殆ど関わりは無く、

          『わたしだけが全てを引きずったままの強がり』

          『こえないで』

          2021.12.31 一年を振り返ることが強制される社会の流れに身を任せたら、心臓がいたかった。 なんとなく、全ての行動に罪悪感があって、それは1mmも悪いことをしていないときさえも付き纏っている。例えば、友達と遊びに行くとか、家のお菓子を食べるとか。自由が怖くて、何故なら、責任をとりたくなくて。想像される通りの自分でいることが、一番安全で一番楽だと、そう思う。 わたし、本当は、インターネットに顔を載せることすら嫌。リスクも承認欲求も、高くて危うい。ミスiDの写真「気に

          『こえないで』

          「またね」と「さよなら」は違うから 貴方に「またね」と言ったのに もう会えないと思ったなんて 寂しいよ 「さよなら」 【あとがき】 部活を辞めた日、唯一の同期に「今までありがとう またね」とLINEを送った。転校後にした通話の中、彼女は「またねって書いてあったからもう会ってくれないと思った」と言った。

          完璧主義

          完璧になりたいと願うことは 悪いことですか? わたしは完璧になりたい 完璧なわたしで在りたいのです わたしの完璧とは 理想とイコールであり 言ってしまえば キャラクターに近いかもしれません 憧れの対象 ミスをすることが苦手です 自分のことは自分で解決しなければならない 非合理的な感情 社会に出た際に問題の起こる性質です しかし 簡単にミスを出来る人間に 成りたいと思いません 生命活動の上で 後悔はしないけれど 失敗も反省も山積みになっていて わたしは記憶力が良いで

          完璧主義

          読む。中毒

          文章を読んだら 自分の中で 理解して 呑み込んで 考えなければいけなくて 苦しい時には 流し見をして 読んだという事実に寄り掛かりながら マウントと 自己肯定をする けれど、 その行為が 文章を読めない人間を産み出すのだと 逃げる度 わたしを責める 苦しくて 息が詰まって 共感性羞恥やら 嫉妬やら 感情がわたしを狂わせても 読む

          読む。中毒

          トマトジュースは血液になるのだろうか

          青春コンプレックスの話をしたせいか、学歴コンプレックスの話を思い出してしまいました。GMARCHが滑り止めと言うのは、本当にそういう世界があって、そういう価値観の教育をされて、そういう常識が植え付けられる、そういう環境があるからなのです。例えば少し頭の良い人が、通っていた高校の話をするとき(YouTube)そういう価値観のまま話をすると、コメントで「学歴コンプ乙」と言われる訳ですが、価値観が固定されてしまうのもしょうがないと思えるほどに、高校の「頑張れ」押し付けは凄まじいし、

          トマトジュースは血液になるのだろうか

          『再演』

          2021.10.26 喉の調子が悪い。すこぶる。 起きたら10:38だった もっと前だったかもしれない こんなに甘えてて良いだろうか いや、良くない 日々自問自答し 答えはいつも決まっている 良いか悪いかと やるかやらないかは 決して受動的に流れてはくれない 隣の部屋の窓が開いていて 部屋を遮るカーテンがまばゆい 白がペールピンクに揺れた 昨日、学校を休んだ 自転車で駅に向かい いつも通りに電車に乗る 音楽を聴きながら 自分の稚拙さを考えていた 駅の西口を出

          『再演』