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【「婚約」という不確かなものにちゃんとした名前をつけた日】

[Intro]

こんばんは。ひょんなことから離婚と再婚をコミカルタッチに書くことになったアラフォーの私。ぜひ、隙間時間にエピソード1からお読みいただけたら嬉しいです。

[ざっくりあらすじ]

とはいえ時間がなくて、本編から読んでいただける方へ:
離婚を決意し、東京から大阪へ出戻ったアラフォーのバツイチ子持ちが10歳下の彼に出会って運命を感じ、数々の障壁を乗り越えて再婚するまでのありそうでなさそうな大冒険のお話です。

第1話はこちらから↓

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前回、ひょんなことからペアリングを作ることになった私たち。
その日は、鎌倉をデートして、彼の誕生日をお祝いする日。

物件を探したり、ペアリングを作ったり、観光をしたり、「プロポーズするね」とプレプロポーズをしたり

本当に忙しい私たち。
読んでいただくと、恋愛しかしていない高校生みたいに見えるかもしれないが、お互いちゃんと会社員としてフルタイムで働き、私は大阪で育児と家事をして根回しをしまくり&母の協力のもと東京出張にきている。
その合間の休みにこうやって彼との時間を捻出しているのである。

今回は、彼のお誕生日を鎌倉でお祝いする。
去年は、ひょんなことから付き合ってもいない彼のお誕生日を2人でお祝いした。

なんか、懐かしい。彼に完全に恋に落ちたあの日から一年、私は離婚や出戻りや遠距離恋愛を経て、今日彼に私はプロポーズをする。
え、1年ってこんなに色んなことがあるんでしたっけ?

彼も私もペアリングを作るなんて初めての経験で。
少しふわふわした気持ちで、前日は全然仕事が手につかなかった。
コンビニで見かける「ペヤング」さえ「ペアリング」に見えた(重症)。


物件探しで決めていたことはいくつかあって。
絶対に楽しみながら、やること。
観光や美味しいもの、カフェでのデートも楽しみつつ物件をめぐる。

こんなアガる物件探しなかなかない。

ペアリングの相場は、正直未知だった。

私は、なんなら300円のガチャガチャのガラス指輪でも全然いいと思っていた。
しかし、致命的なことに、私たちは類まれなるおっちょこちょいなのである。ガラス細工を指につけようものなら、ちゃんっと割る自信があった
(そんなことに自信を持つな)。

私たちの金銭感覚は割と似ていて、
「そんな何十万円もするリング買うよりは、二人が気に入る肌が荒れない最低限のものを買って、浮いたお金で美味いもん食べたくない?」

私がそんな提案をすると、

彼「いや、ほんまそれな。よかったーそこの感覚一緒で!」

ということで、一応多く見積もってペアリングの予算を2万円と決めた。
周りの相場をきいていると1人2万円はかなり安価っぽい。

でも、重要なのは自分たちがそれでつながっている感、結束力が生まれること。そばにいれることが少ないので、少しでもそばにいることを感じることが大事。


結局、リングを作りに行くと、狙っていたゴールドのリングは彼の指に全然似合わず、むしろ小粋なおばさんの手みたいになって(ええやないか)おり、彼はマインドは完全におばさんだけど指先まではおばさんにならなくてもいいのでは?という思いが浮上し、シルバーリングにすることに。


予算より大幅に安くつき、
2人で9800円のものが一番気に入った。


なんて私たちらしいんだろう。


結局、「この浮いたお金でめっちゃ美味いもん食おうぜ!」と食いしん坊協定が結ばれた。

以前、お邪魔した居酒屋へ再度出向き、間違いない美味しさのアテを食す。
店主の方は、「あれ?先月きてくれた方ですよね?」と覚えてくれていた。

アットホームなその居酒屋で、気がついたら店にいたみんなが私たちに移住の話や、物件探しの相談に乗ってくれる。

ここに住んで思うけど、本当にいい人たちが多い。
変に土地へのプライド、とか「よそ者」という感じを出さず、 welcome感がすごい。
帰りなんか、店の外にみんな出てきてくれて、「またきてね〜!」と見送ってくれた。

この土地に歓迎されているような感覚がして、
すごく、すごく心が動いた。


駅に着き、私は大阪へ
彼は東京へ帰る。

駅のホームで私たちは抱きしめ合い、


私は、
「結婚してください。」とプロポーズした。


満面の笑みで彼も予告通り間髪入れず、


「結婚してください!」


私よりも大きな声でプロポーズ返しをしてきた。


相手よりも大声を出すことでボケを自分のものにする出川みたいな手法に笑いつつも、


「こんなに幸せな誕生日は今までなかったよ。」


と彼。


私は
「私と結婚したら、これからどんどんおもろくなるからな、覚悟しとけよ。」と伝えた。


幸せな気持ちで、またそれぞれの帰路へ。


私たちは「婚約」ってやつをしたんだが、

「婚約」ってなんだか不確かで面白い状態ですよね。

「付き合ってる状態」に毛が生えたような、
あくまで口約束で「結婚しよう」という同意がとれただけで
なんの確固たる保証もなければ、責任もない。


お互いの愛を信じるしかない状態。


彼に帰りの電車で上記のような疑問を投げかけた。


彼「婚約って、確かに不確かでなんの保証もないけど確実に我らは気持ちの高揚しているのであるという状態を表すものであって、


いわば、”アゲ"の状態のことなのかもしれないね。」


私「なるほど、婚約=アゲなんやな!(納得すな)」


「そう、我らは今、"アゲ"! We are AGE!」(ほんまにうるさい)


アゲたてほやほやの私たちは(天ぷらみたいにいうな)、この翌月、最高のロケーションで理想の家を見つけることになる。


余談だが、彼はこれまで大変な思いをしてきた人で、
だからこそ底抜けに明るいし、私のことも本当に大切にしてくれる。

そんな彼は、ある日決めたらしい。

「おみくじを引くのをやめよう」と。

よくも悪くも、書いてあることに影響されたり、悪いことが書いてたら気になってしまうというループに陥っていたらしい。

しかし、自分の人生は自分で決めよう、と決意し、昨年からおみくじを引かなくなったとのこと。


「おみくじをひかず、自分の直感に信じて生き始めた年に、瀬菜ちゃんに出会えました。」


そう話していた。


私たちは常に直感で動いてきた。
だからこそ、1年でこんなに動きまくる人生を送れていて結果超幸せになっているんだと思う。

迷った時こそ、何かに縋(すが)りたくなるけど、自分の中にある五感を信じて動いていくことの大事さを彼から学んだ気がした。


そんなことをふと思った夜更けでした。

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