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【書評】聞く力―心をひらく35のヒント/阿川佐和子/文藝春秋

聞く力―心をひらく35のヒント/阿川佐和子/文藝春秋

「人の話を聞いてない」と、昔からよく妻に言われることもあって、たまたま本屋さんでこの本が目に入り、ベストセラーとも書いてあるから読んでみた。

著者の阿川さんも元々インタビューというものが得意ではなく、本の中でもたくさんの失敗談が面白おかしく書かれていた。

自分自身、人の話を聞いてないと言われるのは、単純に人に興味が無いものと思い込み、自己嫌悪に陥っていた。「人に興味が無い」なんて、ひとりの人間として最低だなと思った。

それでも興味のあることに関してはめちゃくちゃしっかり聞くし、質問もする。

この興味があることと無いことの差で、人の話を聞くか聞かないかが分かれるものだと思っていた。

しかし、この本を読んで、阿川さんの失敗談をみていると、会話している相手からはいつも好評。失敗と思っていても相手はそう感じていないように思えた。

阿川さんはシンプルに会話を楽しんでいた。相手を尊重して会話自身を楽しんでいたのだ。

これだなって思いました。

会話は生もので、同じ環境で同じ内容を話すことなんてない、今その時だけのこと。その時間をシンプルに楽しむ。自分が楽しむことが相手への敬意なのかなと思った。

たくさん失敗しながらも、読者の自分からは、阿川さんはいつも楽しんでいるようにみえた。

だから愛されるんだな。


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