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カスタマーサクセスの立ち上げ期に必要な3つのこと


はじめに

私はカスタマーサクセスとして4年働いており、チームの立ち上げから数名のチームマネジメントを行っておりました。※主にB2Bでのハイタッチ、ミドルタッチで業務を行っていました。その過程で感じたカスタマーサクセスの立ち上げ期にやっておいた方が良かったなと思うこと(反省も交えて)をご紹介させていただきます。というもの、カスタマーサクセスの仮説検証がセールスと比較して難易度が高いと感じているからになります。具体的に以下の点において難易度が高いと感じており、少しでも社会に対して情報共有できればと思った次第です。

・仮説検証が長期的になること
・仮説検証を行う際に市場にデータが少ないこと(参考書も少ない)
・仮説検証が多変量になること

カスタマーのサクセスを設定する(ゴールの設定)

以下に記載する他2つの対策と連動する肝になる重要な部分になります。
カスタマーサクセスチームを立ち上げると、更新率、利用率、満足度、その他エンゲージメント指標を目標に活動や改善を行っていきます。

そうすると、程度の差はあれど以下のような会話が増えていきます。
「今月の契約更新率は○%で目標に対して○%ビハインドです。」
「来月にこのビハインド分を補填するために○○社の解約を阻止します。」
会社の収益を保つ意味で目標を追うことは必要ですし、顧客の事業成長を見込んでの解約阻止であれば良いと思います。

ただ、交渉力を活用して短期的な更新率を維持することはカスタマーのサクセスではないですよね?
このようなカスタマーのサクセスに繋がらない自己満足なカスタマーサクセスの活動に線引きを行うために、カスタマーのサクセスを定義・言語化しておく必要があります。

言語化する上でもカスタマーサクセス目線ではなく、顧客目線で考える必要があり、この考え方を非常に分かりやすく言語化している記事を紹介させていただきます。

HubSpot カスタマーコード | 日本語版(ハブスポット)
https://www.slideshare.net/HubSpotJapan/hubspot-165525815?qid=2cc960fb-9478-4f1a-b199-f9bbe561acca&v=&b=&from_search=22

上記記事内にある通り、提供側が想定してるペルソナや顧客像ではなく、ひとりの人間としてしっかりコミュニケーションを取り、サービス導入後にサクセスの定義を言語化しておくことをオススメします。

この活動の積み重ねが製品やサービスの価値を検証したり、他チームとの連携に活用可能になります。

他セクションとの連携、情報共有

私はカスタマーサクセスチーム内の最適化のみでは、顧客に提供できる価値には限界があると考えてます。極端な例ですが、明らかに課題とサービス価値がフィットしていない顧客がサービスを購入した場合カスタマーサクセスが提供できる価値はかなり限定的になります。

上記項目でご紹介したような、自己満足的なカスタマーサクセスは出来てもカスタマーのサクセスに繋がるような活動は出来ません。
このようなケースを少なくするためには、セールスに見込み客とのコミュニケーションを改善、マーケティングには見込み客の集め方の訴求方法を改善してもらう必要があります。

本来、全てのセクションがカスタマーのサクセスを実現するために活動しているのですが、顧客からの1次情報から離れるとセクションが追っているKGIやKPIを上げるためだけに最適化を行う可能性があります。

私の考える理想的なファネルは以下のように循環しているイメージでです。

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出展 https://webtan.impress.co.jp/e/2019/02/28/31763

上記の活動で顧客とすり合わせたサクセスに対しての進捗や、どのようなサクセスを求めている顧客が価値を大きく感じているのか等、各セクションのリーダー陣を交えてしっかりと情報共有を行いましょう。

KPI設計・計測

「とはいえ、企業として投資(対策)するのであれば、、、もう少し、、ね」
上記のような活動の結果、実際に改善を進めるためには上層部の合意が必須で、そのためには改善による効果の試算が必要になります。

この効果の試算や検証を行うのに、6ヶ月~2年程度かかりますので立ち上げ期から仮説を立てて複数の指標を計測しておくことをオススメします。
※カスタマーのサクセスや契約更新が長期的なケースが多いため。

仮ですが、noteのカスタマーサクセスを行うとしたらどんな項目を計測するのか考えてみましたので記載します。

例:noteのカスタマーサクセスを行うとしたら

・サービスの利用人数(投稿者、観覧者、双方、その比率)
・登録後から初期投稿までにかかった日数
・登録後から初回ログインまでの日数
・登録後から初期アクション(スキ、フォロー)までにかかった日数
・登録3ヶ月間の投稿数
・登録3ヶ月間のアクション数
・観覧者が投稿者になった数
・投稿者が観覧する数

蓄積後にカスタマーのサクセスや契約更新率と相関があるのか計測してみましょう。もし相関があれば、それはただのやった方が良いことではなく顧客や自社収益に影響する可能性が高いことの証明になりますので合意を得やすいと思います。

ただし、相関があるからと言って必ずしも因果がある分けではないので、定期的に数値や実態を踏まえて検証を続けることをオススメします。

以上になりますが、どの項目も組織やセクションが確立して大きくなればなるほど着手しにくくなりやすいので立ち上げ1年目から対策した方が良いのではないでしょうか。

最後に

次回はカスタマーサクセスに必要なスキルや転職のお話でも出来ればと思います。
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