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ポップ・カルチャー界のフィクサー・川村元気が、次に指名した新時代の「才能」とは?


日本が誇る稀代の映画プロデューサー、川村元気。

音楽シーンにおいて眩い光を放つ「才能」を、異なる領域のクリエイターたちと結び付けることで、奇跡のようなイノベーションを次々と生み出してきた、まさにポップ・カルチャー界のフィクサーだ。


例えば、彼が長年にわたってコラボレーターとして指名し続けているアーティストの一つが、BUMP OF CHICKENである。昨年、映画『億男』の主題歌として生まれた”話がしたいよ”。そして、ロッテ70周年記念のスペシャルアニメーションに起用された”新世界”。そうしたコラボレーション楽曲が見せてくれた新しい景色は、あまりにも壮大で、晴れ晴れしいものであった。




それだけではない。米津玄師の未知なる可能性を、映画主題歌という形で日本中に提示してみせたことも、川村元気の絶大なる功績の一つだ。2016年、『何者』の主題歌として生まれた”NANIMONO (feat. 米津玄師)”。そして、今や『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌という役割を超えて、日本の「夏うた」として、国民的レベルで愛されるまでになった”打上花火”。




何よりも忘れてはいけないのが、川村元気こそが、新海誠とRADWIMPSの運命の邂逅のきっかけを作った、ということだ。彼がいなかったら、『君の名は。』も『天気の子』も生まれてはいなかったかもしれない。考えれば考えるほど、平成のポップ・カルチャー界における川村元気の存在感が際立ってくる。




そして、川村元気が次に指名した新時代の「才能」が、Eveだ。



《ダーリン ダーリン 示しておくれ/今夜だけ そうさ今がその時なんだ/最高のショーにしようぜ 胸の高鳴る方へ/喜劇的な世界が幕を開ける》(”ぼくらまだアンダーグラウンド”)

あらゆる感情が絶え間なく明滅を繰り返していく内面世界が、かけがえのない「他者」との出会いを通して、色鮮やかに輝きを増していく、圧巻の4分44秒。

メロディ、リズム、コードワーク、それら全てが渾然一体となって、革新的なクリティカルヒットを放ち続ける怒涛のポップ・ミュージック。

未知なるフロンティアを切り開く可能性が、まさに、ここに凝縮されている。

川村元気は、今年の1月に発表された同曲のMVの製作を務めた。彼は、いや、時代は、Eveという新しい「才能」に気付いてしまったのだ。

本日リリースのEveの新曲”レーゾンデートル ”を、テレビCMを通して耳にしたことがある人も多いだろう。既にEveのポップの魔力は、僕たちの日常を侵食し始めている。

そして、この曲のMVのプロデュースを手掛けたのも、やはり川村元気だった。間髪入れずに実現した2度目のコラボレーション。彼が、いかにEveの「才能」に惚れ込んでいるのかが伝わってくる。



Eveと川村元気の「企み」が、これで最後になるとは決して思えない。

新時代のポップ・カルチャー史を、鮮やかに塗り替え、大胆に覆し、そして、力強く更新し続けてくれるのは、きっと彼らだ。

僕は今日、”レーゾンデートル”のMVを観て、その確信を深めた。



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