るろうに剣心

日本アクション映画の未来は、あなたのその「剣」に

『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014)/監督:大友啓史



今作が公開されてから5年以上の月日が経つが、この作品を超える日本アクション映画は、まだ現れてはいない。

極めてスピーディーでロジカルな編集。銃撃戦と肉弾戦の未知なる新結合。パルクールの要素を取り込みながら、縦横無尽に展開していく殺陣。

時代劇というフォーマットに則りながら、全く新しいアクションを妥協なく追求したこのシリーズは、日本を、そして世界を戦慄させた。

そして大友啓史監督は、このシリーズに「次の時代」への切実な願いを込めた。

今作では、「新しい時代」というテーマが何度も語られる。劇中においては、それは明治時代のことを指すが、言うまでもなく、僕たちが生きる今の時代へと通じるメッセージが紡がれている。

巨大な狂気と哀しみに打ち勝つために、そして、平和な世界の実現を祈り続けるために、剣心は刀を振るう。

その覚悟に、静かに心が震える。

《日本の未来は、あなたのその剣に》

これほどまでに痛切な映画は、「侍」としての魂を胸に秘めた日本人にしか作れない。

世界に誇るべき、堂々たるアクション映画に、僕は一人の日本人として最大限を払う。



※本テキストは、「【永久保存版】 僕たちを「次の時代」に導いた平成の邦画30本」の一部を抜粋・再編集したものです。


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