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04 Limited Sazabysの爆走が止まらない

【04 Limited Sazabys/『SOIL』】

今から4年近く前、初めて04 Limited Sazabysの音楽に触れた時、とても不思議なバンドだと思った。

メロコア/パンクロック・シーンのド真ん中に殴り込むようなサウンドを搔き鳴らしているにもかかわらず、GENの「歌」はシーンにおいて明らかに異彩を放っていた。

語弊を恐れずに言ってしまえば、あまりにも「ポップ」すぎた。そして当然の結果として、メロコア/パンクロック・シーンを飛び越え、瞬く間に広く受け入れられていった。(そしてそれは、空前のフェスブームを勝ち抜くための、クレバーな戦略の結果でもあった。)

1stアルバム『CAVU』を携えメジャーデビューを果たした彼らの快進撃は、今でも鮮明に記憶に残っている。

そして、武道館公演を視野に入れながら制作された2ndアルバム『eureka』では、より大胆に「J-POP」に接近。少しでも遠くに、一人でも多くの人に「歌」を届けるために、GENは天性のポップ・センスを見事に開花させた。

この時期から、04 Limited Sazabysは、群雄割拠のロック・シーンの中で頭一つ飛び抜けた存在となっていく。

主催フェス「YON FES」の3年連続開催、結成10周年を記念した東名阪アリーナツアーの成功、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」における初のGRASS STAGE進出、そして、「AIR JAM 2018」では新世代を代表してトリ前のスロットを堂々と担った。

このように、彼らの勢いを示すトピックスはいくら並べても尽きることがない。

はっきり言ってしまおう、メロコア/パンクロックという出自を持ちながら、これほどまでにロック・シーン全体への訴求力を持つに至ったバンドは、この何年かを振り返っても他にいない。

冒頭で「とても不思議なバンドだと思った」と述べたのは、「ポップ」の魅力が爆発してしまっていたが故に、本来のホームであるはずのメロコア/パンクロック・シーンの中で、当時の彼らは立ち位置を探しているように見えたからだ。

しかし、今回の3rdアルバム『SOIL』を聴いて、04 Limited Sazabysが鳴らす「ポップ」の中に、揺るぎない「パンク」の精神性が宿っていることを再確認できた。

怒涛のブラストビート、もはや「メタル」とも呼ぶべきソリッドでヘヴィーなギターサウンド、そして、エモーショナルに加速する本能をそのまま音に表したようなメロディ。もちろん、彼らを10年間導き続けてきた「歌心」も健在だ。

このアルバムは「原点回帰」というワードで語られることになるのかもしれないが、彼らがメロコア/パンクロックのサウンドを、これほどまでにストレートに打ち出してきたのは今回が初めてだ。

極めて自然体なマインドと、たしかな経験に裏付けられた筋肉質なフィジカル、その2つが掛け合わさった威力は尋常ではない。

そして、"My HERO"と"Squall"が放つエネルギーは本当に凄まじい。

《僕らはずっとあの頃と同じ/お宝探す 戦士 魔法使い/立ち上がる以外 方法はない/先に進むだけ/さらに進むだけ》("My HERO")

《空は 五月雨どうして/不安を流して/立ち上がり 何度も/変われる 進める》("Squall")

この曲たちに込められたメッセージが説得力を持つのは、彼ら自身が、これまで誰も歩んだことのなかった道を、今も開拓中だからだ。

日本の音楽シーンにおいて、これから04 Limited Sazabysはどのような存在になっていくのか。それは誰にも分からない。

それでも、自由で、真っ直ぐで、熱い「パンク」の精神性を今作で証明してみせた彼らは、それだけで信頼に値するバンドだと思う。

《探し続ける 未知のユートピア/照らしてくれる 感触ばかり/塗り替える日々 君という意志が/確かに聴こえた/未知の先へ/待つ未来を》("Utopia")

これから先、彼らが見せてくれるであろう、パンクロックの未来に期待したい。



※本記事は、2018年10月12日に「tsuyopongram」に掲載された記事を転載したものです。

「tsuyopongram」はこちらから


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編集者/ライター/音楽/映画/1991・10・1 生/慶應義塾大学卒/2014年、音楽メディア企業 ロッキング・オンに新卒入社、編集・ライティング等を経験/2018年より、渋谷のITメガベンチャー企業にてメディア戦略を担当/音楽や映画のコラム記事を毎日アップしていきます!
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