見出し画像

【月刊ポップ・カルチャーの未来から/24年8月号】 TikTokを5ヶ月間にわたり運用してみて感じたこと。

いつもは記事の中に書くことのない「自分のこと」について綴る月次連載「月刊ポップ・カルチャーの未来から」。これからライターを目指す(もしくは、ライターという仕事に興味を持っている)次の世代の方たちにとって、何かしらの思考のきっかけを提供したい、という想いで、今回も今僕が考えていることを思うがままに書き残しておこうと思います。過去回は、マガジン「月刊ポップ・カルチャーの未来から」からどうぞ。


この連載の2024年6月号(ライターにできる仕事は、「書く」ことだけなのか?)の中で書いたように、今も引き続き、ライターとして価値を発揮できる方法や領域が他にないか模索を続けています。その一環として、今年の3月末から新しく始めたのが、TikTokアカウントの運用です。遅ればせながらではありますが、3月末に始めてよかったと思っています。今回は5ヶ月間にわたってTikTokの運用を続ける中で感じたことを書き記しておきます。

まず、そもそも、僕の「書く」活動と、ショート動画が主流のプラットフォームであるTikTokが結び付かないという方が多いのではないかと思います。他でもなく僕自身の中でも長い間この2つが結び付いておらず、それが、ずっとTikTokに着手できていなかった理由でもありました。ただ、今の時代に何かを発信する者として、やはりこの巨大なプラットフォームをスルーし続けることはできませんでした。

TikTokの発信といっても、ショート動画を投稿しているわけではなく、1枚の静止画に音楽を付けたものを投稿しています。TikTokで投稿するためのコンテンツを都度用意しているのではなく、X(Twitter)の投稿をInstagramのストーリーズ用に加工し、そのスクショをTikTokの投稿に流用しています。イメージとしては、一つの投稿を、計3つのSNSに出し分けている感じです。実は、この形に至るまでに、TikTok上の編集画面で試行錯誤して加工していた時期が長かったのですが、その後、ストーリーズのスクショを転用したほうが効率的であることに気付きました。もちろん、この形がTikTokユーザーにとって最適かどうかはまだまだ分からないので、これからも試行錯誤しながらやっていくつもりです。

3月末に始めたタイミングでは、たとえ短文であるとはいえ、テキストを主軸とした投稿がTikTokユーザーから受け入れられるかは全く分かりませんでした。ただ、数ヶ月続ける中で、X(Twitter)の140字程度であれば、もしかしたらギリギリ許容範囲なのかもしれないと思うようになりました。「書く」ことを生業にする者として、無謀であることは承知の上で、約140字のテキストと1枚の画像を一つにまとめた投稿を、今も愚直に続けています。今のところは、まだ心は折れていないです。

続ける中で分かったのは、TikTokは、他のSNSと比べて、フォロワーの総数にかかわらず、「おすすめ」に載れば、つまり、上手くアルゴリズムにはまれば、一気に多くのユーザーに投稿が届き得るプラットフォームであるということです。現時点で僕のTikTokのフォロワーは数十人であるにもかかわらず、直近3ヶ月の投稿のほとんどが総視聴数1,000を超えていて、5,000を上回る投稿も少しずつ生まれ始めています。(なお、現時点における最大の総視聴数を記録した投稿は、YOASOBIのCoachellaのライブに関する投稿で、約1万です。)

とても不思議なプラットフォームだと思いました。各投稿の視聴数と比例する形でフォロワーが伸びないもどかしさはありつつ、XでもInstagramでもnoteでもアプローチできない音楽リスナーに投稿を届けることができている実感を、少しずつではありますが深めることができています。ただ、より大きなブレイクスルーを実現するためには何をどうしたらいいのか、はっきりとした答えは未だ分からずにいます。

先ほど、「140字程度であれば、もしかしたらギリギリ許容範囲なのかもしれない」と書きましたが、これまでの投稿の中で最も多くのスキが付いたのは、テキストを綴った投稿ではなく、その日にリリースされた新曲のジャケット4枚を並べたものでした。なので、僕の生業である「書く」ことを活かした投稿というよりも、どちらかというと「キュレーションする」に近い投稿だと思います。

ただ、「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、テキスト主軸の投稿にこだわらず、これからもTikTokにおける勝ち筋を模索していこうと思います。それこそ、2024年6月号(ライターにできる仕事は、「書く」ことだけなのか?)の中で書いたように、「キュレーションする」という形で(も)価値を発揮していけそうなら、余力がある限りどんどん頑張っていきたいと思っています。

また来月!



【関連記事】


この記事が参加している募集

最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。 これからも引き続き、「音楽」と「映画」を「言葉」にして綴っていきます。共感してくださった方は、フォロー/サポートをして頂けたら嬉しいです。 もしサポートを頂けた場合は、新しく「言葉」を綴ることで、全力でご期待に応えていきます。