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某有名キャラクターの案件に悲しんだ話

○ことの経緯

地方で伝統がある工芸品なんかを作っていると、役所経由で企業案件をいただいたりする。

それこそ、数年前世界的に有名なキャラクターの人形の制作依頼をいただいたことがあった。

そのキャラをAとする。Aはこちら地元でのイベント時に「地域の工芸品とコラボして、限定品を販売したい」と考え、市役所がうちを紹介した。

Aから電話で相談され、うちは快諾した。

そして、地元のイベント会社B大手事務所Cキャラクター会社Aがウチに来て、1時間ほど打ち合わせを行い、どのような人形を作るかの大枠を話し合った。


打ち合わせ時に大手事務所Cの担当者が興味なさそうにずっとスマホをいじっていたのに違和感を感じたが、大きな会社だしそんなもんかなーと思っていた。

なによりも、小さなころ大好きだったキャラクターAの案件で、私はとても嬉しかった。

大枠も決まり、あとはこちらが原型を作り、キャラクター会社Aに画像を確認してもらい、イベントまでに人形を納品するということで決定した。

そこからAとメールのやりとりをして、製作前に色見本を送っていただくことになった。

しかしいくら待っても色見本は送られてこなかった。

色見本どうなりましたか?とメールをしたが返事がなかった。

色見本はなくても原型作りはできるため、イベントまでのリミットも考えた父は、もう原型作りに入ろうと言ってきた。

しかし、私はちょっと違和感を感じて、もう一度Aにメールをした、が次の日も返事はなかった。

しかし、もう原型作りをしないと納品が間に合わない可能性があったため、東京のAの担当者に直接電話をした。

すると

「あの案件なくなりましたよ。」

とあっさり言われた。

さらに、

「事務所Cの担当者が連絡するって言ってたんですが、聞いてないですか?」

と言われた。

「聞いてないです、、、」と言って電話を切った。

いや、あんだけ確認のメールしたんだから、一言くらいメールで返してくれてもいいじゃないか。と思ったけど、

それよりも悲しい気持ちでいっぱいであった
大好きだったキャラクターAにコケにされた気持ちである。
こちらが原型作りを進める可能性はかなりあったのだ。
打ち合わせやメールなどのやりとりも埋没費用となる。

大手事務所Cや地元イベント会社Bも同様だが、メールでやりとりしていたのはAだったのだから。。。

○教訓

企業案件では、企業の担当者が元々こちらに関心があって製作を依頼されることがある。
このような場合、
かなり良いものができることが多い。
またプロモーションなども力を入れてくれるため、幅広い客層に認知され本当にありがたい。

しかし、今回のような「どこでも良いから、とりあえず地元の工芸品とコラボしよう」

という案件は細心の注意が必要である

先方は誠実さが必要ないのである。例えると、こちらはもう二度と来ない田舎のコンビニみたいなもので、その時だけの付き合い、店を出れば顔も思い出されない。

状況が変われば、不誠実な対応をされることも十分起こりうるのだ。

※実は他のキャラクター案件でも、かなり不誠実(というか違法)な対応をされて、ブチギレたことがある。

対応としては、

①企業案件は、こちらが条件を提示する。 
納期、ロット、サンプル費、取り消し時の費用請求など。

②そもそも企業案件は疑ってかかる
特に東京の大企業などから見ると、うちみたいのは存在していないようなものである。
地元の企業、信頼できる担当者、伝統工芸に理解のある企業など、見極める必要がある。

また、見極めるのめんどいよー、交渉は苦手だよーという場合は無理に企業案件を受けなくても良い。
不安に囚われず、生産性を保つほうが大事だ。



僕はいまだにAのキャラクターを見ると、心の奥底がチクッと痛む。

今の大人の自分というより、Aが大好きだった幼いころの自分(深層心理的な何か)が悲しんでいるのだと思う。

しかし、もうそんなことは言ってられない。

いつかあの担当者どもを見返すべく、今日も人形を作る。

(注意)藁人形ではない。



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