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《エピソード4・金と女》弱冠20歳で1000万超えの借金、鬱、自殺未遂、親との確執。からの逆転人生を実現させたリアル話。

金と女の渦に溺れていく

夢を失い、人生を生きる意義がなくなった。タガが外れ遊ぶ毎日。人というものは心が空虚であればあるほどその隙間を何かで埋めようとする。愛が欲しい。そしてお金があればなんでも満たされる。単純で浅はかなその思いとは裏腹に、お金を手にすれば余計に苦しく、抱きしめ合えば何かが足らないと感じる。その得体の知れない渦に溺れていく。そして借金と愛憎はこうして増していったんだ・・・。

借金は一気に

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彼女ができた僕はお金を使うスピードも額も増えていった。稼ぐのには時間がかかるのに、使うのは一瞬であるがゆえにバランスが崩れてゆく。借りることを覚えた僕は、さまざまなものを簡単に手に入れようとしていた。
車、バイク。ローンを組めば手に入れることができた。もちろんそれらは僕の所有物ではなく、ローン会社の所有物であるのに「俺のものだ」と勘違いした。

(車の車検証には「所有者」と「使用者」という枠組みがあり、一般的にローンを組むと使用者とは別に所有者はローン会社になる。これで売却した際の売却益がローン に充当される。残債が出ればローンは継続され、残債がなくなればローンの繰り上げ返済となる。車のローンを使った資金調達方法があるらしいがもちろん空ローンは違法なので、詐欺に合わないようにご注意を。)

お金も借りる額が増える。

学生ローンで借りた10万円は、返せば返すほど信用がつき借入可能額が増額していく。返したい本意と貸して荒稼ぎしたい本意がせめぎ合うわけだ。

1社目はあっという間に50万まで枠が広がった。返済の実績、滞りがない状態が続くと他社でも同じことが起きる。

学生ローンの一社は100万まで枠が広がった。
すでにその時、3社で計150万円の枠があった。

必然的に僕の遊びはさらに加速することになるのだ。

1ヶ月のバイト代、¥68000を・・

こんなこともあった。飲食店と量販店で掛け持ちでバイトをしていた当時、量販店での月のあるバイト代が¥680000だった。
あるバイト代支給日。バイト代から借金の元金を返済することなく僕は遊んだ。もちろんギャンブル。頭の悪い僕は、これを増やして返済に当てようと考える。どうせ増えても利息だけ返して元金は減らそうとしないのに、だ。

僕はそのお金を1日で使い切った。いや、厳密に言えば1日かからずに使い切った。

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闇金ウシジマくんや、ナニワ金融道、ミナミの帝王などの金融系漫画に出てくるどうしようもないヤツっているけど、まさにそんなヤツだった。

「勝ったら返す」そんな言葉ほど信用できないものはない。「絶対出るから」「絶対勝つから」そんな言葉を言うヤツは頭の悪いやつで、“絶対に勝てないから借金をして、1ヶ月のバイト代を使い切る”わけで、賭け事に絶対なんかありえない。

ギャンブルに狂った人間は、たまに起こるミラクルを「絶対」だと思っている。
プロでさえ「絶対」はありえないのに、分析も何もしないでダラダラとギャンブルにのめり込む人間に当てはまるのは

“絶対にトータルで負ける”

という現実だけだ。その現実にすら気づかず、「絶対に取り返せる」「ギャンブルで作った借金はギャンブルで絶対に取り返す」そうやって決して叶わない願いを吐露するだけなのだ。

モテたいがために使う金

お金の行き先はギャンブルだけじゃなかった。知恵も知識も価値もない人間にとっての防御は、“外堀を固めること”。つまり外見でどうにかしようとする。

財布、時計、身だしなみ。モテたいがための強がり、圧倒的なダサさ。

当時、12万のオメガの時計を身につけて、7万のヴィトンの財布を持っていた。髪を金髪に染めてピアスは合計で3つほど。

20代でも事業や投資に成功して億を稼ぎ出す人はゴロゴロいる。その間に自分の価値を高め、スポーツ選手になったり、芸術的才能を開花させたりする人もいる。

努力すらせず、成長をもしようとせず、何も持ち合わせない僕はたかだか10万ちょっとの時計と財布で調子に乗っていた。それでしか自分をアピールできないというのは、中身に何も価値がない証拠。

裸にしてしまえば何も残らないただのクソガキだったんだ。

使われていくお金。150万円を超えたところでお金周りの雲行きが怪しくなってきた。

そこからどうお金が動いていったのか、、。
続きは次回。



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