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《エピソード25・色のないベッドの上で》弱冠20歳で1000万超えの借金、鬱、自殺未遂、親との確執。からの逆転人生を実現させたリアル話。

決まりのない愛の形

パチンコ店に勤務する中で出会う様々な人たち。いろんな生き方を探しさまよう若者たちの働く場所であったし、お客さんも様々な人間模様をお店の中に作り出していた。僕はその中で新しい空気に触れて、そして新しい愛情を探していた。依存していた関係は余韻となって心にしがみついていたのかもしれない。

男と女

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魅力的だったMとは、距離が縮まろうとするとMが同棲していた彼の存在がブレーキをかけた。手にしたい

気持ちと距離を縮められない弱気がなんともいえない感覚を作り上げていた。Mも縮まりきるところまでは踏み込んでこなかったし、友達以上恋人未満という言葉がぴったりな関係だったと思う。毎日のようには顔を合わせるけど、体が触れ合うまでにはいかなかった。

社員だった僕は、アルバイトの人たちとは満遍なく仲良しで男性スタッフの兄貴的な存在位置であったし、スタッフと店長の狭間で橋渡しする役目でもあったし、店長からの相談もスタッフからの相談も受ける空気清浄機のような役割だった。

自然と僕には相談が寄せられる。「仕事やめたい」みたいなことももちろんだけど、仕事以外のことでも相談を受けるようになっていた。

その中で1番話をしたのがCちゃんだった。Mのクールさと違って温かみがあって柔らかい雰囲気のCちゃんは、ことあるごとに僕のところに相談に来た。

Cちゃんは少し、鬱気味だったと思う。

僕の“人を傷つけるような優しさ“は、人生を後ろ向きにみている人たちを依存させてしまう危険があるのはS子の時にわかったことで、できるかぎり突き放して考えようと思うけれど目の前に置かれた相談事を野放しにはどうしてもできなくて。それはきっと僕の器の狭さだったんだろうと思う。

Cちゃんが僕に好意を寄せるまでには、時間はそうかからなかった。そして僕もMへ対するもどかしさを忘れてCちゃんに引き寄せられていった。

依存はまた、そこに男と女として縛りつけようとしていたんだ。

一度きりのSEX

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Cちゃんは僕が社員になってから間もない頃に仕事を辞めていった。結婚していたけど事実上の離婚をしていて、小さな子供も1人いた。のちに正式に離婚をしてシングルマザーになったんだけど。

その相談にのっていたのが僕たちの関係を深めたのかもしれない。Cちゃんの実家は九州で、Cちゃんが実家に帰省しているときに遊びにいったりもするくらいに関係は深くなっていたけど、その関係はある意味、未来を考えると“悪化”していたんだと思う。

だって、1人の子供をもった女性を守るには弱すぎるくらいの男だったし、多額の借金を返していたし。でも、相談にのったことが入り口になって2人の関係は深くなってしまっていて。あの時に知った「依存をつくる材料」がその時も揃っていたんだ。そして揃っていれば自然と依存していく。

お互いに「付き合おう」なんて言葉はなかった。それでも恋人なのか、夫婦か変わらないくらいに会っていたし、お互いの母親を連れて4人で食事に出かけたこともあった。当然母親からはしつこく聞かれた。「どういう関係?」と。その度に僕は言葉を濁したんだけど。

仕事場のパチンコ店では毎日Mとは会っていたし、相変わらず飲んだり騒いだりはしていたけどMとの関係もそれ以上にはならなくて、何も手に入れないままそれをもてあそんでいた日々。

自信があるような態度を見せながら、一歩も踏み出せない自信のない自分自身が遊びに逃げていた。女性の心もわからず、自分の心すらわからず、やっぱりただ自分勝手に愛情だけを欲してさまよっている。そんな日々だった。

Cちゃんとの関係・・

ある日、僕とCちゃんは体の関係をもった。何事もなく自然な流れのまま僕たちは抱き合った。でも、抱き合ったあとそこには色のない空気が流れていて、温度のない肌があって。

初めてのSEXは最後の始まりになっていたんだ。そしてCちゃんは・・

続きはまた。

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