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うろこ雲 千寿に至る 道示す-幸桃の盆地

昔々、ある小さな村に住む乙女・千寿がいました。千寿は心優しく、村の人々からも愛されていました。

彼女には一つの夢がありました。それは、遠くの山の向こうにあるという伝説の地、「幸桃の盆地」を見つけることでした。その盆地には、麗しく薫る「桃」があるそうです。

ある日、千寿は空を見上げると、うろこ雲が広がっていました。その雲はまるで道しるべのように、山の向こうへと続いていました。千寿はその雲を見て、これが自分の夢を叶えるための道だと感得しました。

千寿は村の人々に別れを告げ、うろこ雲の示す道を進むことにしました。険しい山道を越え、深い森を抜け、千寿は数々の試練を乗り越えていきます。その旅の中で、彼は人々と出会い、助け合いながら進んでいきました。

やがて、千寿はうろこ雲の終わりにたどり着きました。そこには美しい盆地が広がっており、盆地には紅桃色のモモが実っていました。まさに「幸桃の盆地」でした。千寿はその地で新たな生活を始め、村の人々にもその場所を教えました。

村の人々も次々と盆地に移り住み、農地を開拓し、畑を耕し、桃の果樹園を造成しました。村人は知識を磨き、知恵を働かせ、一所懸命働きしました。やがて、村はゆたかになり、皆が幸せに暮らしました。

千寿の勇気と決断は、彼女自身だけでなく、村全体に幸福をもたらしました。うろこ雲が今でも空に現れ、千寿の冒険と夢を語り継いでいます。

いつしか人々は「幸桃の盆地」と言うようになりました。