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妻の語り草:魚を食べませんから

画像:太刀魚の唐揚げhttps://snapdish.co/d/rzOufa から。

和歌山県の太刀魚の番組があるらしい。テレビの番組欄で見つけて、妻に。

「そういえば、おかあさんが料理する太刀魚を少し小麦粉・片栗粉などを付けて焼いたのは、美味しいよね。」

話しを切り出すと、思い出したように話し出す。

母が妻の実家を訪問したとき、妻の母が母に告げた。

「魚を食べさせてもらえんじゃろう。」

内陸にあった妻の実家は新鮮な魚などはなく、精々2種類の青魚(決して新鮮ではない)に冷凍サンマ位しか手に入らない。妻は魚の料理法なども身につけてはいなかったらしいが、魚を食べられるかどうかなどには関心が無かった。

結婚してから、妻が先に知ったことの一つに、目の前に魚屋があったことである。料亭を営んでいた夫妻が魚屋を家の前で開業していた。母は魚が好きで、料理法は玄人裸足だった。母は海辺の村に一時住んでいたことがある。母はよく魚屋に出入りし、調理された魚を買ったり、自分で料理したり、かなりの頻度で魚料理が夕食に出ていた。

妻も知らず知らずのうちに魚料理をマスターしていった。母の伝授か、カワハギの卵まで料理していた。妻は母の好きなものも知っていた。母が料理しなくなってからも、母の好みと自分の好みに合わせて二人の朝食と昼食を料理していた。魚料理は夕食に出ていた。

母も夕食で魚が出て来たとき、よくこの話をする。母が亡くなってから、魚料理は減ってきたが、魚料理するときには、思い出したように話しする。

「久しぶりに太刀魚を焼こうか。」

「でも、油をあまり使いたくないし・・・」

言葉を濁す。

「いいよ、グリルで焼いたので。」

ーーー

妻はここ数週間、毎日のように「さしみ、さしみ」といい、連続して10数日スーパーに買い出しに行く。ところが、近隣の島に寿司を提供する店を知っていた。そこで食事をするにつけ、スーパーのさしみが少し遠ざかっている。しかし、寿司屋の「海鮮寿司」は高い、さしみに帰りそうになったが、夏になり、スイカが入ってきた。連続10日以上になる。もう20日に迫っているかもしれない。スイカに混じり、さしみが同時に入ってくる。

もうおかしい。十分推量できる現象が相次いでいる。