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樋口楓の新たな一歩、贈る言葉。

私の推しである樋口楓が今月末(令和2年3月25日)にランティスからメジャーデビューする。三曲のデビュー曲が収録されたシングルをひっさげて、羽ばたこうとしている。

樋口楓とはどういう人なのだろうか。世界的な黄色い熊のゲームをしてキレ散らかす人だろうか。それとも、色々なゲームを配信している人だろうか。あるいは、ライバー同士の関係が楽しまれるという今の風潮の原始の人だろうか。
どれも正しい。しかし、どれも樋口楓という存在の「強み」ではない。

私は樋口楓の「強み」はステージの上で歌うライブパフォーマンスであると考えている。KANA-DEROで、京都で、FAVRICで、MFで、あるいは両国で。樋口楓という人間がステージの上で右手を掲げて歌っているのを直で見た人なら、あるいはネット回線に乗った彼女の姿を見た人なら彼女のライブパフォーマンスがいかに素晴らしいものなのかご理解いただけるだろう。
樋口楓が一番輝くのはスポットライトを浴びるライブステージの上である

樋口楓が所属するにじさんじプロジェクトには様々なバーチャルライバーがいる。そして、彼女たちが得意とするものはそれぞれ異なっている。たとえば、樋口楓ととても仲の良いライバーである月ノ美兎が得意とするのは体験記やレポなどの雑談配信である。樋口楓や月ノ美兎と同じJK組というユニットの静凛はゲーム実況配信を得意としている。他にも大規模コラボを開くのが得意な人や、奇想天外な企画配信をするのが得意な人もいる。各人それぞれに得意なものを持っており、だいたいの場合その得意なものに共通しているのはYouTubeという配信プラットフォームで本領を発揮することができる長所であるという点である。そして、私は樋口楓の長所はYouTubeという配信プラットフォームでは発揮できないと考えている。

私もそう思うと頷いた方もいるだろう。いや、そんなことはないと首を振った方もいるだろう。だから、これは私大覺寺ツツジの感想あるいは持論であると思って読んでもらいたい。
樋口楓はゲームが下手である。FPSは当然に下手だし、アクション系はマリオですらクリアが困難である。万人を抱腹絶倒させるような話術も持っていないし、奇想天外な企画をすることもない。振り返って見れば、デビュー初期の彼女を牽引したのは他のライバーとのコラボや取りとめの無い日常を語る雑談配信である。ライバー間のコラボは今やメインコンテンツとはなり得ないが、かつて黎明期のバーチャルYouTuberそれぞれが一つの世界の住人として独立していた頃においてはライバー間のコラボは革命的な衝撃を備えたコンテンツだった。
では、何故ゲームが下手で話術も企画も無い樋口楓という1人の人間がバーチャルライバーとして活動をしているのだろうか。それは、言ってしまえば複雑な歯車の如き運命が噛み合った結果だろう。
樋口楓に限らず、にじさんじ1期生は当初はアプリのテスターとしてデビューした。そのことは樋口楓のYouTubeチャンネルのヘッダー画像が「にじさんじ所属ライバー」ではなく「にじさんじ公式ライバー」となっていることからもわかるだろう。そう、にじさんじは当初は一般向けに公開されて公式ではない一般ライバーも多く誕生するはずだったのである。そんなにじさんじアプリを宣伝するという使命を帯びて樋口楓はこの世に現れた。
さて。時間は流れ、にじさんじアプリは一般リリースを諦め、いちから社やにじさんじはバーチャルライバーの所属事務所のような位置づけとなった。そして、それに伴って一芸に秀でた者たちも多くライバーとしてデビューする。今では100人ほどの所属ライバーを有するにまで至った。100人である。ちょっと気を抜けば、きっと100ある星の輝きの中に埋もれてしまうだろう。
しかし、樋口楓は輝いている。我々の目にその眩い光を輝かせている。

樋口楓には強みがある。ライブパフォーマンスという強みだ。しかし、このライブパフォーマンスという強みは天賦の才ではない。彼女が活動をしていく中で埋もれた地層の中から発掘し、研磨し、輝かせることに成功した強みだ。
樋口楓にはおそらくバーチャルYouTuber最多のファンメイドのオリジナル曲がある。彼女を育て、彼女にライブパフォーマンスという強みを与え、彼女に歌という武器を授け、深い暗闇を進むための灯りと方位磁針を授けたのは間違いなく樋口楓のファンと、ファンメイドのオリジナル曲である。
そのことは彼女もよくわかっていて、ことあるごとに彼女はファンへの感謝を述べるし、彼女のメジャーデビューシングルの3曲目はファンに対する感謝の歌であるという。
樋口楓というバーチャルライバーほどファンの力によって強さを得たライバーはそうそういないだろう。樋口楓の根幹を成すものは全てファンの熱量にって形成されたと言っても過言ではない。
しかし、いや。だからこそ樋口楓はメジャーデビューを機に一旦すべてを真っ白にした方が良いと考えるのが私の見解である。

送る言葉ではなく、贈る言葉。

「樋口楓はメジャーデビューを期に一旦すべてを真っ白にした方が良い」だなんて、どういうことかと頭に血の昇る思いを抱いた読者の方もいるだろう。もしかしたら、この記事に目を通してくれているかもしれない樋口楓さんも同じように頭に血を昇らせたかもしれない。
誤解の無いように言い直させていただくと、私は樋口さんはメジャーデビューを機に生まれ変わるべきだと考えている。いやまだ語弊があるな、しっかり表現しろ大覺寺ツツジ。
つまりだ、一番言いたいのは「バーチャルYouTuberが歌を歌っている」のではなく「歌手がYouTube配信をしている」という感じになっていって欲しいということである。
もっと簡潔に言うと、「バーチャルYouTuber」という狭いくくりではなくバーチャルもリアルも関係ない「歌手」という大きなくくりの中で活動していってほしいということだ。

既存のファンを喜ばせるためだけに歌手活動をするのではなく、新たなファンを獲得するために歌手活動をしてほしい。バーチャルという狭いくくりにだけ目を向けるのではなく、バーチャルとリアルのどちらもという大きなくくりに目を向けて活動して欲しい。それが私の願いである。
もしかしたら、樋口さんは既にこのことを念頭において活動をしているかもしれない。しかしそれでも、私は改めてこういう祈りを捧げたかった。

樋口楓よ、小さく収まらずもっともっと大きくなれ!

これまでの2年間で獲得したファンの数よりもメジャーデビューしてから獲得したファンの数の方が何倍も多くなると嬉しいなあと思ってます。
令和2年の3月25日からメジャーデビューする樋口楓はこれまでの2年間のインディーズ活動で得た経験や実力をメジャーで更に磨いていく、私はそう強く確信しています。

そして、樋口さんのこれまでの活動でファンになった私たちはメジャーデビューしてライブステージでステージパフォーマンスをして輝く”となりの席の樋口楓という友人”をライブ会場やニコ生会場で応援するのです。
バーチャルYouTuberの樋口楓のライブが歌手樋口楓のYouTube配信に変わったとき、樋口さんのメジャーデビューは成功を収めたということになるでしょう。あくまでこれは私の持論で、樋口さんがバーチャルYouTuber樋口楓の方が良いとおっしゃるなら私はそれに従いますけども。私は樋口さんが3回廻ってワンと叫べと言ってきたら間違いなくその通りにするような人間なので。

何はともあれ。樋口さんのメジャーデビューシングルの発売が待ち遠しい。わくわくする。はやくジャケットを棚に並べたい!

最後に送る言葉ではなく贈る言葉を書いて締めます。

樋口楓さんへ。
メジャーデビューの後、どんどんどんどん大きくなっていって巨大な花を咲かせてください。メジャーデビューという「生まれ変わり」の瞬間を経て、あなたはきっともっともっと強く大きくなれます。だから躊躇わず、チャンスと思った機会は逃さずに前へ前へと突き進んでいってください。
ファンとは推しと肩を並べて歩くよりも、推しの背中を一生懸命追いかけて全力疾走するのが大好きな人種なので!

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