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Football Life vol.137

エスタジオ・ド・マラカナン。

1950年ブラジルW杯に向けて建造されたリオデジャネイロの巨大なサッカースタジアム。同大会決勝でブラジルがウルグアイに逆転負けを喫して開場早々に悲劇の舞台となってしまった。

僕が学生でサッカーのウンチクにハマったていたとき、マラカナンでの数々のエピソードを知るうちに死ぬまでに一度は行ってみたいスタジアムとだった。例えば「マラカナンの悲劇」とか、未だに破られていない神様ジーコが積み上げた333得点の記録とか。長い歴史の中で数々のゴールと熱狂を見届けてきたと思うだけで心が躍った。

初めて訪ねたのは2013年のコンフェデのときで、スタジアムの姿が見えただけで興奮した。しかし、僕が憧れたのは20万もの群衆を飲み込み、サッカーしか楽しみがない人が立錐の余地もないほど押し込められた立ち見席が生み出すカオスの世界だったから、80000人収容で全席椅子の近代的なスタジアムに生まれ変わり、カップルや家族が数ある楽しみのひとつとしてサッカーを楽しむ平和な世界観ではなかったから「これじゃナイ」感が強くて、肩透かしを食らったのを覚えている。

ちなみに正式名称はエスタジオ・ジョルナリスタ・ド・マリオ・フィーリョと言う。マリオ・フィーリョは、マラカナンの建設支援活動やフラメンゴ対フルミネンセの伝統の一戦に「フルフル」というキャッチな名前を付けたことで知られる20世紀中期に活躍したジャーナリストだ。政治家やサッカー選手じゃなくてジャーナリストの名前を付けられるブラジル人の感性はめちゃくちゃカッコいい。

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