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【読書記録】フランケンシュタイン

2024年150冊目。

『オペラ座の怪人』に引き続き有名な古典を。以前創元推理文庫版を読みましたが再読です。

シェリーがこの本を書くことになった経緯は前書きの通りですが、そのきっかけとなった書籍も『幽霊綺譚 ドイツ・ロマン派幻想短編集』として邦訳されています。

フランケンシュタインの怪物というと四角い頭にツギハギだらけの身体、頭からはボルトというビジュアルがお馴染みですが、これは映画でボリス・カーロフが演じた際の姿ですね。

あと、死体に雷の電気を流して復活させる描写も映画由来です。小説では死体は用いているようですが、化学的、錬金術的に制作したという描写が強く、ゾンビのように蘇った死体ではなくホムンクルスのような印象です。明確な描写はありませんがフラスコで作ったようなイメージです。冒頭でフランケンシュタイン博士がアグリッパを学ぶ記述があり、ホムンクルスのイメージは強いです。

神ならぬ人が生命を創造することの是非、誰からも愛されなかった怪物の存在意義、人と怪物の違いといった怪物の苦悩や博士との問答にかなりのページが割かれており、エンタメ小説だけではなく深いテーマを扱った小説だと思います。

怪物は妻さえ作ってくれれば静かに暮らすと言いますが、最終的に2人の人物を殺してしまうなど残酷な性格を持っている感は否めません。妻を作らなかった博士の判断は正しいように感じました。

怪物は最後自殺すると言って姿を消しますが実は生き残っていて、という2次創作がたくさん作られています。今後も愛されるキャラクターとして活躍すると嬉しいです。

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