LEBEN 2020春M3新譜「鬼神口碑」感想(ネタバレ)

という訳でやってまいりました感想ネタバレ文。

今回はLEBENさんの「鬼神口碑」を聴いたわけです。
えーと、どこから語ればいい?

とりあえず、この物語のあらすじみたいなところから行くか
まず、この物語の時代設定的には平安後期から鎌倉あたりが妥当だろうか?
この辺はなんでそう思ったとか考察できるものでもあるので、一旦後回しでいいかな?

そしてこの物語は「鬼城」と呼ばれる鬼の血を引く一族が統括する里におけるお話となっている。

この鬼城の当主である吉宗様は所謂先祖返りによって鬼の血を色濃く発現したが故に暴走した際には調伏される運命にある存在である。
そしてその吉宗様を調伏するためにいるのが渡辺家の渡辺藤、そして後詰めとして封印の巫女である渡辺美鈴。
この三者の複雑に絡み合うお話といったところ。

さて、この話は私という人間にとっては語るところが多い訳だけど、とりあえず気の向くまま語っていきたいと思う。

いつもの通り、ボイドラを殆ど脳死で買う私は物語の大まかな話程度も認識せずに聴き始めたわけだけど、最初は悲しい運命がある程度のものだった訳だ。
ただ、なんとなくなんとかなるんじゃないかと言う希望の通り(ハッピーエンド思考)で、楽々と聴いていたわけだけども。


重かったわ。
これ副読本も合わせて買ったほうがいいよ。
でないと後悔する。いやマジで。

吉宗様カッコ良すぎるし、渡辺兄妹尊いしでエモの塊(語彙力消失)。
副読本の小説までちゃんと読んで欲しいところ。
そうじゃなくても読み取れるとは思うんだけども、あったほうが絶対にいい。
これは間違いない。

まずは吉宗様。
吉宗様ちゃんと後処理の方まで考えて行動してたんだなって思うよね。
多分姉のことも視野に入れてたように感じる。
美鈴ちゃんに対してツンデレなの好き。
んで、吉宗様役の天合さん。
役の幅広すぎやろ…。化け物か何かですか???
最初はいつものイケメンじゃんって思ってたけど、そうじゃねぇじゃん。
ずるじゃん。
何でも出来るじゃん。好き(急な告白)。

ハイ次。
ミスズチャン!!!(唐突)
可愛すぎて無理。
いや、兄様が限界オタクしても仕方ない。
私も限界オタクしそうだった。
健気なんだけども、実際に蓋を開けてみると凄く芯の強い女の子なんだなって分かる。
副読本でもそうだけど年相応な面を見せつつもやっぱり自分なりにちゃんと筋の通ったあり方ってのを見つけて行動してる感じ。
ちょっと吉宗様大好き過ぎるけどもそれがいい。
吉宗様はツンデレだから丁度いいよ(何が)。
多分言うまでもなく間接キスのシーンで心臓破裂した人多いと思うけども、個人的にはこけしがね…マジでエモくてね…感情がハゲた(語彙力)。
副読本は買ったほうがいい(何度も言う)。
んで、浅見さんの演技もね、嫌味がないから本当に可愛いんだよね。
やっぱりこの人は天才なんだと思う(急なべた褒め)。


ニイサマ!!!
藤はね、可愛いんですよ(え?)。
いやマジで。
吉宗様の境遇を知っていて、それで自分がって言う負い目があって、それでもなおなんとかしたいという気持ちがあって可愛いんですよ。
この兄妹二人揃って健気か????
でも、いよいよ吉宗の調伏する際の心を決めた感じは最高だった。
その後の副読本でも素晴らしいので副読本も買って(宣伝)。
これは美藤さんの勝利(唐突な勝利宣言)。
藤はThe美藤さんって感じの役柄なんだけども、感情表に出ないクールタイプかと思いきやちゃんと感情があるのが分かる演技でうますぎかってなった。
しかも吉宗様調伏のシーンでちゃんと感情が現れてて大変良かった。
美味しかったです(錯乱)。

次ぃ!
薫子さん!
今作の黒幕!というか、問題の元凶!
最初は怨恨かと思ってたんだけど、違うんだよね。
この二面性…ツンデレの吉宗様に似てるところがあるな(台無し)。
好きの反対は無関心とは言うけども、その通りでこの人は恨みながらも好きだったんだなってなる人。
流石に子供の頃に自分の親の腹割って出てくるようなところ見たらそうなるわなって思う。
その辺もあって、吉宗様は好きにさせてたのかなって。もちろんスキを見せることは無かったわけだけど。
んで、ジャケットで般若の面を持ってたのはそういうことだったんですねってなるやつ。
江井さんの演技はうますぎるね(うますぎるしか言ってない)。
この二面性の感情の揺らぎを上手く表現してて流石としか言いようがない。
やっぱりこれが浅見ゆいに連なる者なのか…(何いってんだお前)。
ちなみに個人的に作中で一番好き(性癖)。

そして最後は暁さん。
こちらもThe神崎さんって感じの役。
最初はこっちが黒幕だと思ってました()
実際には違った上に、割としっかりとした人でちょっとびっくり。
しかも設定ではかなり重いの。
この人のスピンオフみたい。マジで。
鬼城の妾であった母の自害で、姉(吉宗の母)の暴挙を察知する有能さは流石と言える。
しかも自分で自分の子孫を断つという英断。
その判断が若い内に出来るのやっぱり凄いと思う。
まあ、声が神崎さんだから余裕だとは思うけど(厚い神崎智也ボイスへの信頼)。
あと、こちらも薫子さんと同じでジャケットの狐面はそういう意味なんだなって。

とまあ、こんな感じで非常に楽しませていただきました。
感情の纏まりがない駄文構成になってしまった…。

んでんで、ここからちょっとした考察タイム。
考察と言えるかは怪しいけども。
まず最初に時代は平安後期から鎌倉みたいな話を冒頭にしたんだけど、なんとなく理由があったりする。

まず最初に一番引っかかったのは六壬式盤。
おそらくなんだけど、これは古代中国における占術、六壬神課の式盤のことだろうと思う。
この時点で飛鳥時代よりも後の話だと分かる。
伝来したのが確かそのぐらいだったから。
音だけだから情報としてあってるかは怪しいけども。
これに続いて安倍晴明の名前が出たこと。
これでおそらく占星術が伝わった後の話だと分かる。
そんでこの六壬神課って平安以降に陰陽道を統括していた陰陽寮にて使われていたはず。
なので、ここで安倍晴明の名前と合わせて平安中期以降であると分かる。
んで、ついでに補強されるのが、芦屋暁の存在。
国が主体で陰陽寮を作ったのは飛鳥時代以降で、その規模を大きくしたのは安倍晴明などの存在が非常に大きい。
それに「芦屋」という名前、晴明ときたらもう道満でしょ(断定)。
という訳で、ここで平安中期以降ということまでは特定できる。

これだとまだ情報が足りないので、ここで注目するのは渡辺兄妹。
渡辺と鬼、この二つに結び付きがあるとすると最早あれしかねぇ。

「渡辺綱」

この人である。
あの有名な大江山の鬼、酒天童子を切り捨て、一条戻橋で鬼の腕を叩き切った「髭切」などなど。
羅生門のモデルにもなった頼光四天王の筆頭である渡辺氏。

おそらくそれがこの渡辺兄妹の所以にして、この物語で鬼の調伏を任されている理由だと思う。

そんで、この渡辺綱は平安中期の武将であるので、これでもう平安中期は確定でしょと思う。

そしてそこから推察するにその子孫のお話だとすると、平安後期から鎌倉前期という感じになる。

あと、役に立つかは分からないけど、入れ墨の存在。
日本において、入れ墨の文化は少し変わっていて、縄文刺青と呼ばれるものから、奈良時代以降に儒教の伝来でその様式が大きく様変わりしている。
そして江戸時代にも今度は芸術的、ファッション的なものとしてまた大きく変わっている。
そんでこの刺青の文化は所謂厄除けの文化としての意味が大きいのだけども、戦国時代まで行くと識別としての意味が大きく、死体判別のために使うことが多かったりした。
呪術的な意味合いでは戦国以前の方が活発だったと思われる。
となると、やはり平安後期から鎌倉前期が妥当だろうと推測できたりもする。

ただ、簪の文化は縄文時代に呪術的な意味合いで発展し、平安時代に一時的に廃れていて、復活するのは鎌倉以降の話であったりするので、作中のデザインの簪のようなものは平安時代全盛期には国風文化によって挿げ替えられている。
なので、実際には物語の時代は鎌倉前期から中期が当たりかもしれない。

いや、これなら鎌倉前期が正解かな?


あ、そうそう、余談なんだけどもついでに「鬼城」という名前。
これ実は中国語ではゴーストタウンを指す言葉なので、もしかしたら名前からして滅ぶことを想定していたのかもしれないって思ったりもした。
タイトルの「口碑」も口伝でのみ伝わるって意味だしね。


とまあ、こんな感じで感想とついでに時代考証をしてみました。
非常に面白かったので、皆も是非買っていただきたい。
副読本も。

いやでもこれネタバレだから宣伝にはならねぇな…(後の祭り)

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