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アメリは何処へ行く?!


アメリカは何処へ行く?!
 
基本的に、筆者はアメリカを悪く考えたり、悪く思ったりする者ではない。なぜなら、筆者は、民主主義を支持する者であるからである。

しかし、近年、アメリカの変質、それも悪い方への変質が見られると考えており、非常に気になっている。つれづれに、アメリカ随想のようなものを述べてみたい。

聖書のヨハネ黙示録に「わたしは、すべてを新しくする」(黙示録21:5)とある。現在の世界の情勢を見ると、これまでのすべてのシステムが揺らぎ始め、壊れていくような状況に陥っていると感じる。政治のシステム、経済のシステム、社会のシステム、これらの機能が麻痺して働かなくなってきていると感じるのだ。

特に、世界をリードしてきたアメリカがひどく、その矛盾をさらけ出しているように思われる。資本主義の総本山であり、民主主義の総本山であるアメリカが、根本的な改革をせずしては一歩も先に進めない状態に陥っていると言わざるを得ない。

成田悠輔イェール大学助教授の分析によると、そもそも、資本主義と民主主義は調和しにくいという指摘を行っている。

資本主義経済においては、少数の賢い強者が資源を吸い上げ、事業から生まれた利益を私的所有権で囲い込み、資本市場の複利の力を利かせて貧者を置き去りにするやり方、このような強者に動かされる仕組みが資本主義だと言うのである。

資本主義のこの経験則を描いたものに、ピケティの『21世紀の資本』やシャイデルの『暴力と不平等の人類史』などの著書が挙げられる。

しかし、民主主義はその資本主義の全く逆であり、民衆の権力、民衆の支配を意味しているので、異質な考えや利害を持つ人々や組織が政治に参入し、互いに競争したり交渉したり妥協したりしながら過剰な権力集中を抑制する仕組みになる。

その仕組みが行政府(政府)・立法府(国会)・司法府(最高裁)、および無数の監視機関への権限の分散となるわけだ。

民主主義は、自由で公正な選挙を通じて有権者の民意が政策を決定するように働き、その結果、民衆の意思による権力と支配が実現するのであると言えよう。民衆の諸力が憲法に規定され、簡単にその仕組みが解除できない状態になっているのが民主主義の典型的な形である。

以上の資本主義と民主主義の相互に葛藤する特徴を、簡単に言うと以下のようになる。

資本主義と民主主義は両立しにくい。その理由は利潤追求の資本主義が強者の論理に立ち、人権尊重の民主主義は多数の弱者の擁護という倫理観に立つので、二つの主義は衝突してしまうのである。

民主主義は人間の基本的人権を尊重するが、それはキリスト教精神(神の前の自由と平等)を遵守することを前提として成り立つ。一方、資本主義は一部の富者と多数の貧者を生みながら、強者(資本家)の論理を振りかざす傾向にある。

まさに、現在の米国の矛盾と葛藤はここにある。資本主義と民主主義を調和させる難題を米国は抱えているのだ。非常に難しい課題である。欧州も同じである。

結局、資本主義と民主主義を調和統一できなければ、欧米のパラダイムはやがて、崩れていくという運命が待ち受けていることになるのか。

そうかと言って、中国の共産主義体制に希望があるわけでもなく、まさに、現在の中国も共産党一党独裁に希望を見出すことは不可能であり、むしろ崩壊の危機に瀕していると言える。

左右、両方とも限界状況に達しているようだ。

天地創造の神が「わたしは、全てを新しくする」という言葉で、聖書を締めくくった理由は、理想世界を創造するための最終的な理念が人類に必要であることを宣言されているように見える。

それは、お金中心の金融グローバリズムではなく、愛と思いやりのグローバリズムを掲げなければ、人類社会の中に、本当の自由と平等は実現されないということである。

さらに続けよう。アメリカの様子を見て、不思議に思うことがある。

2020年11月6日の大統領選挙の結果、トランプ大統領はバイデン候補に敗れ、2021年1月20日より民主党のバイデン大統領が就任したのであるが、その後の流れを追うと、敗れたトランプの方がパワフルに活動しているように見え、バイデン大統領の方が弱々しく、存在感も薄く、全く勝利者のように見えないという実に不思議な違和感を覚えてしまうことである。

時事のニュースと話題を扱う「Total news world」によると、2022年12月15日15時(アメリカ時間)にトランプ氏は重大な発表をしたと報じ、トランプ氏が行った6分52秒のスピーチ内容の全体を日本語に正確に翻訳し、掲載している。

トランプ氏は、「今日、私は左翼の検閲体制を打ち砕き、すべてのアメリカ人のために言論の自由の権利を取り戻す計画を発表する」と宣言し、

「堕落した報道機関の邪悪な集団が、米国民を操り黙らせるために共謀していたことが、衝撃的な報道で確認されている。彼らは選挙から公衆衛生に至るまで、あらゆる重要な情報を抑圧するために協力してきた。検閲カルテルは解体され、破壊されなければならない」と述べている。

これはイーロン・マスク氏がtwitter社を買収し、いろいろと2020年当時の大統領選挙で何が起きていたか、twitter社の経営陣がトランプ氏の自由な発言の場をtwitterのプラットフォームから締め出した犯罪的行為の証拠の数々を、マスク氏が最近、おおやけにした事実を指していると思われる。

さらに、トランプ氏は、次の大統領選挙(2024年)で勝利した暁には、「私の就任後、数時間以内に、私は大統領令に署名し、連邦省庁がいかなる組織、企業、個人と共謀して、アメリカ市民の合法的な言論を検閲、制限、分類、または妨害することも禁止する。

そして私は、国内の言論に誤報や偽情報のレッテルを貼るために連邦政府の資金が使われることを禁止する。

そして、国内検閲に直接的、間接的に関与した連邦官僚を、国土安全保障省、保健福祉省、FBI、司法省、誰であろうと特定し、解雇するプロセスを開始する」と宣言している。

何とも、ものものしい。トランプ氏は、アメリカの言論が検閲され、制限され、妨害されることへの激しい憤りを語っているのである。

そして、「私は司法省に対し、絶対的に破壊的で恐ろしい新しいオンライン検閲体制に関わるすべての関係者を調査し、特定されたあらゆる犯罪を積極的に起訴するよう命じる」と述べ、

「これには、連邦市民権法、選挙資金法、連邦選挙法、証券法、反トラスト法、ハッチ法、その他多くの潜在的な刑事、民事、規制、憲法違反の可能性がある」と指摘している。

なぜ、かくもトランプ氏は、これほど激しくアメリカの言論の検閲体制を糾弾しているのか。左翼の論調を野放しにし、保守の(トランプの)言論を徹底的に検閲し封殺することへの怒りがトランプ氏の中で爆発しているのである。

こういうトランプ氏の発言内容を見ると、アメリカは、2020年の大統領選挙において、完全に言論の自由を失っていたということである。

検閲活動、情報統制によって、全体主義国家と変わらない不公平さと差別性によって、誤報や偽情報の方がまかりとおる犯罪的な国家に陥っていたことを明白にしているのである。

言論の自由を失えば、もはや、健全な民主主義国家は成立しない。そのような意味で、現在、アメリカは民主主義国家とは言えない状態であり、専制的、統制的、抑圧的な全体主義の国家に近付いているということになろう。

言論の自由を取り戻そうとするトランプ氏の真摯な挑戦は、真の民主主義を打ち立てるための聖なる戦いであると言える。

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