蜘蛛の糸

微かに聞こえる 聞こえる声を頼りに
僅かな隙間をくぐる

寒さで震える様子を 楽しむようにキミは座り込んで
何もそばに引き寄せない 動じることなく
望んでいる 区別されない存在を 白いまま

息をして 邪魔をつくる
1つずつ 周りの石を 積み上げる

微かに響く 響く音を頼りに
身体を 無意識へ横たえて

見えるものすべてに 意味や理由を求めすぎて
自分を追い詰めた 色さえも分からなくなるまで
横切る光を無視して 白いまま

息をして 邪魔をつくる
1個ずつ 転がる石を 積み上げて
息をして 邪魔をつくる
1つずつ 周りの石を 積み上げる

役目を終え 還るものへ せめてもの弔いを
送り火を 舞い上げて 糸は切れた

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