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いま、ものづくり・ハンドメイドとどう向き合おうか~災厄の中でこそ汝のハンドメイドを愛せよ~

こんにちは、何も作れないくせに、3度の飯の次のハンドメイドの世界が好き、ハンドメイド変態ツルカワです。今日は2020年2月25日。まだ2月末なんですねえ、なんだかこの間年が明けたばかりというのが信じられない年の瀬感…じゃない、緊迫感です。理由は言うまでもなく、コロナウイルスの蔓延ですね。経営してる「ちいさな雑貨ギャラリー プラムツリー」のブログには書きましたけど、ギャラリーの営業もさてどうするか…といったところで…頭が痛いです。ですが、今回はこの話ではないあれこれを。

さて、世間ではイベントの中止・延期が相次いでますね。コンサートやスポーツの試合、そしてハンドメイドイベントも次々に規模の大小にかかわらず、中止や延期の報を毎日耳にするようになりました。せっかくお客さまと接する機会が…そのため作りためてきた作品が…参加費の返還はどうなんだろう…と、作家さんには日々生きた心地がしない日々だと思います。当のツルカワも行きたいイベント・展示がいっぱいあったのを、今でさえもう、外に出るのが怖くて諦めてる現状です。まぁそれでも受け手は諦めて「残念!!」って家にこもってればなんとかなるのですが、出展者・主催者のみなさんの心労は計り知れないものと想像します。(ツルカワもギャラリーの4月の企画展の開催をどうしようか悩んでる身でもありますので…)

さて、作家さんの中で一番深刻なのはきっと売る機会を逃すことによる「経済的損失」だと思います。マーケットプレイスなどのでの通販で挽回しようと思っている方もいるかも知れませんが、ツルカワの想像では物流もこれから厳しい局面に立つと思うので、もしかしたらそれすら、ままならないかもしれません。そうなるとどうでしょう。お先真っ暗、と感じることでしょう。2020年、とんだ災厄の年です。

でもね、とツルカワは無責任に思うのです。ここ数年、怒濤のスピードで「売ること」前提でものを作ることが主流となってきたハンドメイド界においては、一呼吸いれる機会なのかも知れないとも。いや、それじゃ、食べてけないんですけど、という「本業ハンドメイド作家」の方には「何悠長なこと言ってるんじゃ」とお叱りいただくことは分かっています。でもそれを承知の上で書かせて下さい。

もし作家さん、売る機会がなくなって嘆いているのでしたら、「売ること」を前提としない作品作りに取り組んでみませんか。思いがけない、有形無形のなにかが見つかるかも知れません。そして自分が何でものを作っているかの認識を新たにしてみませんか。「売ること」以前のそもそもの「作ること」という行為に今一度没頭してみて、新たな方向で、向き合ってみませんか。ハンドメイドと。なぜ自分がそれを好きか、なぜ自分がそれをしているのか、考えてみる機会としませんか。それは今後の作品作りにスゴーく生きると思うのです。ピンチをチャンスに、というほど容易ではありませんが、「今年はもう一回自分の基盤を見つめ直す年」。そう捉えなおすことはできませんでしょうか。

そしてツルカワが、おすすめというか、お願いするのは、そうやってできた作品を見せ合うことです。SNSがこれだけ発達してる時代です、TwitterやInstagram、勿論このnoteでもいいです、そこで見せあいっこしましょう。そのままにせず「こんなんできました」って発信しましょうよ。そしてそれを称え合いましょう。あら探しせずにね、他人の表現に素直に感動してみる時間を得ましょう。自分の表現と他者の表現に敬意を払う合う時間を作りませんか。そこには「売れっ子作家」も「駆け出し作家」も「ただの手芸好き」も、関係ありません。これも「売る」という行為から離れればこそのことです。

そしてこれも大事。家族に、友人に、恋人に。だれでもいいです、周囲の人に作品を見せてみましょう。「この非常時になにを」というひともいるかもしれませんが、そういった作品に触れることで、緊張が続く日常の中で「安堵の時を得る」人もいるかも知れません。それはこの災厄の中で、なによりの救いとなるはずです。

そんな確信がツルカワにはあります。これには裏付けがあって、ツルカワ、東日本大震災以降、3年おきに東北を旅しているのですが、震災からまだ3年の2014年だったかな、訪れた気仙沼の仮設商店街のなかにあった雑貨屋さんでこんな話を聞いたんです。「震災直後、あのころは見た目が華やかなものが沢山売れたのよ、ピンクの薔薇の柄の雑貨とかね。みな、美しいものが見たかったのよ。そうでないものを見過ぎたから」。要約すればこんな言葉でした。
そのときはっ、としましたね。普段「べつにあってもなくてもよいもの」…ハンドメイド作品の多くもそうですね…が、非常時には、ときに、格別に、人間を助けるのだと。だから、もしかしたら、それに近いことがみなさんのハンドメイド作品を通して生じるかも知れません。それは、息詰まる生活の中において、素晴らしい事だと思いませんか?そしてみなさんの普段からの創作活動は決して、ムダなものではないと、証明することができるでしょう。

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(これは昨年2019年の夏、東北旅行したときのスナップ。釜石駅にて)

…なんてね、いろいろ書きましたけど、あっさりこの騒ぎが収束しちゃえば、まあ、よかったね、で終わることではあります。ここに書いたことは意味がなくなります。でもそれが一番なんですよね。平穏な日々が訪れ、イベントも無事に開催され、外に出るのも怖くなくなって。元の日々が来て。そうなることが一番です。ツルカワもそれを何より願います。でも、もしそうでない日々が続いてしまったら…そのときに、ツルカワのこの記事が…ハンドメイド作家さんの助けに少しでもなればなぁ…。と思うのです。

そうやって、こうやって、ハンドメイド変態ツルカワは、変態なりの視点で、今年も、やめるときもすこやかなるときも、ハンドメイドの世界を手がかりにヨタヨタ歩いて行きたい所存です。みなさん、ゆるりがんばっていきまっしょい。



いろいろがんばって日々の濁流の中生きてます。その流れの只中で、ときに手を伸ばし摑まり、一息つける川辺の石にあなたがなってくれたら、これ以上嬉しいことはございません。