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堂々とねこまんま:カオクルックガピ魚バージョン

タイ料理の中でも外国人の認知度が高い”カオクルックガピ”。目の前に出された時の見た目の鮮やかさも喜びの一つになる一品です。
海老のペースト”ガピ”を混ぜたご飯を中心に、生野菜と錦糸卵、そしてメインとなる甘辛く煮た豚肉か牛肉を皿の上に乗せて、自分で混ぜながら食べていく料理です。皿の上でぐちゃぐちゃに混ぜて食べるという日本ではちょっとお行儀が悪いかもしれないねこまんま的なものが、こちらでは正統な食べ方として堂々と食べられているのです。

私のタイ料理への印象は、”混ぜて”食べる料理が絶妙においしい!それも、生のもの、火のとおったもの、甘さ、酸味、塩っぱさ、辛味、発酵されたもの、食に関したとりあえず全てのものを放り込み混ぜるのが上手。

本日は、そんなカオクルックガピでもほとんどお店では食べられない、我が家の魚バージョンをご紹介します。

ガピとは


正直にいうと、蓋を開けて香る匂いはやはり臭い!
発酵食品ですもんね。でも火を通すと、これがまたおいしいんです。

まず、この料理で一番の主役はご飯に混ぜるガピです。ガピは、えびを発酵させてペースト状にしたもの。タイ人が小さい頃には、他におかずがなくてもこのガピだけを白いご飯に混ぜて食べたら満足だった!というくらい、みんな大好き。
日本でも手に入るのかな、と調べてみたらありました!

うん、発酵食品なので確かに臭いんです。蓋を開けた時には抵抗があるかもしれませんが、発酵食大国の日本人であれば、自分で作って食べるのも大丈夫かと私は思います。レストランに出てくる調理されたカオクルックガピは全然臭くなくて、ちゃんとおいしいので色々な国の人に親しまれています。

それではまず、基本的なカオクルックガピの素材紹介です。

・ガピを混ぜたご飯
・錦糸卵
・青いパパイヤの千切り
・インゲン豆を細かく切ったもの
・唐辛子のみじん切り
・紫たまねぎの薄切り
・魚と生姜の甘辛煮


それぞれタッパー容器に分けて用意すると便利


とざっと見てみると、明かに日本で手に入れにくい野菜ですよね。でもタイ国内でも基本的に何を混ぜなくてはいけないという決まりはないので、生野菜、錦糸卵、甘辛煮とガピご飯があればお好みで大丈夫!
私がタイではない国で作るとしたら何を入れたらおいしいかなと想像すると、こうなります。


・ガピを混ぜたご飯
・錦糸卵
・にんじんの千切り
・さっと茹でたインゲン豆を細かく切ったもの
・七味唐辛子
・白髪ネギ
・魚と生姜の甘辛煮

です!これでもちゃんとタイ人もおいしいというカオクルックガピ魚バージョンになります。ちゃんとコツを抑えれば。

大事なところはやはりメインである”ガピ飯”です。これを間違えると残念なことになります。そして私がおすすめの美味しくできるコツもご紹介します。

ガピ飯

材料:
・ガピ(シュリンプペースト) 大さじ1
・ニンニクの薄切り(ふたかけら分くらい)
・炊いたご飯お茶碗2〜3杯分(炊き立ての熱々ではなく、常温まで落ち着いた温度のものが望ましい)
・油 - (※できれば、前日などに一度魚を揚げる時に使ったものをこして、魚の香がついたもの)

作り方:

1 まず油をフライパンにしき、ニンニクの薄切りを軽く炒める
2 そこにシュリンプペースト大さじ1を入れ、ペーストを油に馴染ませ、  溶かすように炒め混ぜる
3 ご飯を投入。ここが重要で、ご飯の隅々までシュリンプペーストと油が  混ざるように満遍なく炒め混ぜる

これです。簡単なのですが、タイ人はこのガピがちゃんと火を通されご飯に満遍なく混ざっているかで、満足するか興醒めかのどちらかの判断をします。

魚と生姜の甘辛煮

材料:
・魚をおろして、身を一口大に切ったもの(我が家ではティラピアですが、 鯖缶、鯖、ぶりが合うと思います)
・生姜の千切り
・お酢 (味をしめる役割で”ちょっと”)
・砂糖
・醤油かナンプラー
・唐辛子ー2本

作り方:
上記の材料をお好みの味バランスで、お好みの量で作ってください。ご飯や野菜と混ぜて食べるので、結構濃いめの味付けが合いますが、大事なポイントは、味付けを思い切り濃くするのではなく、一晩寝かせて味をしっかりと染み込ませたものがより一層美味しくいただけます。

野菜のせん切り、細かく切ったもの、錦糸卵、魚の甘辛煮をご飯と混ぜるだけなので、ご飯以外のものをちょっと多めに作って冷蔵庫に保存しておくと、次の日もご飯を炒めるだけで簡単に食べられるので、おすすめです。

ご飯を真ん中に、ぐるっと混ぜる具材を配置していきます。宇宙みたい!

そして盛り付けが楽しいところ。
ガピご飯を飯茶碗かお椀に一度入れて、きゅっきゅっと押し硬めます。それを平皿のど真ん中にお山のように配置します。
あとは、お好みで用意した野菜や甘辛煮、七味唐辛子もお好みでふりかけ、飾りにお花などをご飯の周りにぐるっと配置していきます。

食べ方:

”混ぜる”と言っても、人それぞれの食べ方があります。
お皿の上のものを一気に満遍なく混ぜてから食べ始めるのもよし、
好きな具の組み合わせをご飯と一緒にちょっとずつ変えたりして食べてもよしなんです。

”ガピ”は一度も食べたことがない人にとっては冒険家もしれませんが、お気軽なカオクルックガピで一度は試してもらいたい、実は簡単で美味しいタイ料理の一つです。私は今回の豚肉・牛肉を使わない、海老と魚の海鮮カオクルックガピが一押しです。

よかったらおうちで週末の食の冒険をお楽しみください。




<Amazonのアソシエイトとして、[釣妻食堂]は適格販売により収入を得ています。>



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