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今も大切な最初のタイ料理本

最近、私の手元に集まってきたタイ料理の本も増えてきました。
以前は、すでにタイに住んでいるのだからわざわざタイ料理の本を買わなくても..という想いがあり、タイ料理を習っても”本”は買ったことがありませんでした。という理由ともう一つ、タイ料理本とのいい出会いがなかったのです。それはきっとタイ料理と言っても「どんなタイ料理の、何を学びたいか」がはっきりしていなかったからかなとも今なら思えます。
そんな中、色々なご縁でタイ料理に興味を持ち、今まで何気なく作っていたタイ料理から、”面白い” ”もっと知りたい”という気持ちで少し学びの姿勢になると、やはり本はとてもいいパートナーとなってくれています。

今日はそんないいパートナーとなってくれた本、最初に出会って今でも「買ってよかったな」と思う日本語のタイ料理本のご紹介です。

『私のタイ料理』

1992年に発行された、日本でのタイ料理の第一人者である氏家昭子さんの『私のタイ料理』です。
私はこちらの本をタイで偶然見つけて購入しました。
一瞬、結構古い本だなぁと思いましたが、中身を確認して即買いでした。

日本人である私の味覚で選んだものを、限りなく本場に近い味でお届けしたい

氏家昭子『私のタイ料理』

と書かれているのを読み、これは是非味比べをしたい!と思ったのでした。

いくら”美味しい”と評判のいいタイ料理でも、タイ人の口に合うもの、好むものが全て日本人の口には合うとは絶対に言えない、と今まで食べてきたタイ料理で経験済みだったからです。日本人と大きく括ってしまうと、また偏りのある言い方になってしまうので、私自身の味覚の合う合わないでお話ししますと、タイ人の方々が「美味しい、美味しい」というその美味しいポイントが私の中では「え!これが?(謎)」だったり、”苦手”なポイントだったりすることもあります。
一番は、辛すぎて味が感じられない、そして匂いの独特さ、甘味塩気の美味しいと感じる度合いの違いなど。
生まれ育った環境、気候、習慣で感じる”美味しさ”はさまざまですよね。

丁寧な料理と語り

『私のタイ料理』では、タイ料理のレシピだけではなく、タイ料理で使う道具、素材や調味料のこと、味のこと、香りのこと、地域ごとの料理、タイ料理の種類などを簡潔に、でも丁寧に、写真付きで説明してくれています。

それが、ちょっとした図鑑のようで楽しいんです!

その丁寧な姿勢は、氏家昭子さんが選んだ料理自体、そしてそのレシピにも表れています。
この本で紹介されるタイ料理は、”丁寧に作る”タイ料理という印象です。メニュー自体が屋台で売られているようなものでもきちんと作ることで、安心安定の味ができる、というような感じ。そして屋台や食堂では見たことのないような料理もあります。

それでも、決して難しいものではなく、どのメニューも大きな写真と材料、作り方が1ページでおさまる簡潔なものばかり。
元々タイ料理は作り方が簡単なものが多いので、”コツ”さえつかめば美味しくもなり、掴めなければ不味くはないけれど、、ちょっと残念な味になるということはよくあります。氏家昭子さんのレシピは、日本で日本人が作って美味しくできるように、そのコツがすでにしっかりと簡潔なレシピ全体に生かされているなぁと感じました。

正直なところ..

さて、この本を購入して実際にいくつかの料理を作ってきた私の正直な感想です。
おそらく、この本に出ているレシピの全ては作らないと思います。
その理由は、私がそもそもちょっと苦手なものがあったり、作る工程が面倒だなと思ってしまうものもあったからです。(揚げ物・包み物、生ものなど)

ただその反面、ソースがすごかった!
炒め物、和え物、ディップなどの”タイ料理”するその味の決め手となるソース(味付けも含め)の種類も多いですし、どれも簡単なのが嬉しいんです。

ソース、ディップなどは、こちら現地でもそれで店の人気が決まる、家庭の味になる、という大切なところ。そして、人の数だけそれぞれの”美味しい”により、ソースの味も変わっていきます。

日本ではまだあまり知られていないお料理でも、
「辛くなければ」
「ナンプラーを使わなければ」
日本の食卓に上がりそうなくらい似ているものが多くあります。

でも、そこに唐辛子の辛味とナンプラーの旨味が加わることで、タイの味になることが多々あります。

氏家昭子さんのレシピを見て、

「あぁ、こうやって基本はできているんだぁ」

と、知ることができてうれしくなりました。基本さえわかれば、あとは自分好みに調整できるからです。そして、そこからまた他の料理にも応用が聞くのです。

その基本のソース・ディップが、ちゃんと日本人に合うような味付けのバランスで始まっているというところがありがたいところです。

オススメ

この本のレシピは、タイ料理といえば思い浮かぶカレーや麺類、炒め物は抑えられていており、特に炒め物が忠実に再現できると思いました。そして特に夏に向けて私がオススメなものがこちら。

カオ パット サパロット
パイナップル、ハム、エビのチャーハン

ザ・南国!のチャーハンです。
もしかしたら、パイナップルとご飯ものの合わせが苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、パイナップルを”果物”と考えずに、甘味を出してくれる食材とだけ考えてみると、ちょっと変わるかもしれません。
自然の甘味とエビとハムの塩味がいいバランスで楽しくなる一品です。カシューナッツの香ばしさと万能ネギの安心の爽やかさも加わって、、最高です。

大人なら(我が家なら)、このチャーハンと焼き鳥とビール。
お子様なら、パーティーにいいんじゃないかなと思います。

『私のタイ料理』はすでに絶版になっているので古本でしか手に入らないかとは思いますが、”古本”でも手に入るのであれば、
とてもオススメの一冊です。
私自身、購入した時は古本でした。
そして、今でも「出会えてラッキー!」と思っています。

もしよかったらお試しください。

この記事を書いてたらやっぱり何か作りたくなって、今日の晩ごはんに、『私のタイ料理』から、魚とグリーンペッパーのカレーペースト炒めを作りました。こぶみかんの葉の代わりにセロリの葉を、グリーンペッパーの代わりにブラックペッパーを。美味しい!




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