サンリオの新作映画「くるみ割り人形」がすごい

ハローキティやマイメロディなどのキャラクター事業で有名なサンリオですが、その歴史を振り返って見るとかなり野心的でアグレッシブな会社であることがわかります。映画・ゲーム・アミューズメントパーク・漫画雑誌と、とにかく新しいものはすべて試して、失敗と成功を繰り返してきました。

まぁ・・・個人的にはどう考えても失敗の方が多いような気がするのですが、どんなに失敗してもめげないのが、サンリオという会社のいいところ。

そんなサンリオが動くなら、ハローキティの海外展開などでキャラクター事業が好調の今しかない!ということで、11月29日、ハローキティの誕生40周年映画「くるみ割り人形」が公開されます。


ストーリー紹介が怖い

そんなくるみ割り人形の紹介文がこちら。

ある雪の夜。少女クララは、大切な“くるみ割り人形”をネズミの大群にさらわれてしまう。ネズミを追って彼女が迷い込んだのは、世にも鮮やかな【人形の国】。そこには【ふたつ頭の白ネズミの女王】に呪いをかけられ、眠ったままのお姫様がいた。邪悪な魔法を解くための【人形とネズミの戦い】に巻き込まれたクララは、“くるみ割り人形”に隠された悲しい秘密を知る。その時、まだ感じたことのない気持ちが彼女に芽生える。やがて“いのち”と引き換えにしても<守りたい>と思ったものとは―――?

「ふたつ頭の白ネズミの女王」っていう言葉から強烈すぎて、後半の大切な部分がぜんぜん頭に入ってきません。どうやってもキティちゃんやマイメロちゃんのようなポップな絵面が想像できない。

クララが「"いのち"と引き換えにしても<守りたい>と思ったもの」というのが「この化け物だけは人間界に入れてはならない」という使命感であることは想像に難くありません。


実は35年前に製作された映画のリメイク

さて、実はこの映画、1979年にサンリオ製作で公開されている映画のリメイク作となっています。人形劇という特殊なジャンルの映画ですが、このあたりが、常に新しいものを発信しようとするサンリオらしいところです。

YouTubeに、その時の予告編が残っていたので見てみましょう。






怖っ・・・・・



「ふたつ頭の白ネズミの女王」怖っ・・・!!


もう名前そのまんま、それ以上でも以下でもない「ふたつ頭の白ネズミの女王」でした。新橋のベロベロに酔っぱらったサラリーマンでも、名前から想像して実物とまったく同じ絵を描くレベル。

1974年にハローキティを世に送り出してから、「ふたつ頭の白ネズミの女王」を生み出すまでの5年間の間に、サンリオになにがおきたんでしょう。

2014年版では、いったいこれをどうやって現代風にポップにアレンジするというのでしょうか。その答えは、やはりYouTubeにアップロードされている、2014年版の予告編の中にあります。



ふたつ頭の白ネズミの女王が3Dでよみがえる!

というわけでさっそく見ていただきましょう。これが2014年版「くるみ割り人形」の予告編だ!!


見ていただけたらわかったと思いますが、

基本的になんにも変わってませんでした。


相変わらず怖いふたつ頭の白ネズミの女王


オープニングやタイトルのCGはともかくとして、本編は旧作と変わらない人形劇。古き良き昭和の、残しておかなくてもいい部分をまでしっかり継承しています。

しかも今回はこの「ふたつ頭の白ネズミの女王」が、なんと3Dで楽しめるというのです。正気かよ。


あまりの恐怖に、まだ動悸がおさまらないという方もいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと動画を再生してくださった方にはもうお分かりのように、この予告編で最も驚くべき点は、他にあります。



見てください!このいさぎの良さ!

冒頭にぜんぜん関係ないディズニー作品の大ヒット作を2つ並べて、まったく恥じる様子がありません。こんなに天真爛漫な予告編があったでしょうか。

かつて、ポケモンとまったく同じシステムのゲーム「サンリオタイムネット」を開発したサンリオらしい、素晴らしい予告編じゃありませんか。



しかし、さすがはハローキティ40周年記念作品、キャスティングにはなかなか力が入っています。

主人公のクララ役には有村架純さん、ヒーロー役のフランツには松坂桃李さんと、若手の実力派を中心に、由紀さおりさんなどの大御所も脇を固める豪華布陣。

そしてなんとあの広末涼子さんが・・・、え?



えええ・・・

いったいなにがどうしてそういうキャスティングになったのかわかりませんが、我らが広末涼子さんが「ふたつ頭の白ネズミの女王」役をつとめるようです。

しかも意外なことに、広末涼子さんはこれが「初の声優への挑戦」とのこと。

広末涼子さんのプロフィールに「くるみ割り人形/ふたつ頭の白ネズミの女王 役」という文章が永遠に残ることになりました。

もはや彼女がかつて世間を騒がせた奇行も、すべて彼女の精神に内在する「ふたつ頭の白ネズミの女王」が表面化したものである気さえしてきます。そう考えると妥当なキャスティングな気もしますが。



とにかく、色んな意味で楽しみいっぱいのサンリオ映画「くるみ割り人形」は11月29日全国で公開!当日は劇場へ急げ!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?