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[つまみ食いラジオ Vol.5] オザケンについて。

みなさん、こんにちは!
このnoteはpodcastspotifyで聴ける[つまみ食いラジオ]のnoteです。
各エピソードのハイライトや、トーク中に登場した事例や参考文献の紹介、編集後記をご紹介していきます。

▶初のゲスト回!Vol.5エピソード

オザケン初心者マークのこばみほとまいこさんと、オザケンファンのゲスト小川くんを迎え、色々な角度からオザケンについてのトークを繰り広げました。

※あくまでも私たち個人の見解です。ファンの方もそうでない方もぜひお手柔らかに・・・ゆるーくお聞き頂けると幸いです。

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▶ナビゲーター・ゲスト紹介

改めて番組ナビゲーターの2人と、今回ゲストで登場してくれた「小川くん」を紹介します。

食トレンド研究家 渥美まいこ
1986年神奈川県生まれ。クックパッド社でFoodClipというメディアの編集長。ライフワークとしてnote で食トレンドの考察を紹介している。好きなオザケンの曲は『ラブリー』。
note:https://note.com/atsumimaiko
Twitter:https://twitter.com/atsumi_maiko
ホテルと旅のプロデューサー こばみほ
クックパッド→スマイルズと「食」を軸にしたキャリアを経て、現在はホテルプロデュースの温故知新に所属しつつ、フリーで旅や食関連のプロデュースも行う。ホテルや旅、食の魅力を歴史やストーリー・文化から紐解き発信中。オザケンの思い出の曲は、『僕らが旅にでる理由』。
note:https://note.com/kobamiho
Twitter:https://twitter.com/kobamiho52c
ゲスト:オザケンファンの小川くん
1991年生まれ。こばみほの友人。就職活動の面接で「小沢健二好き」という話題で盛り上がりLINE社に見事入社(オザケン採用!)。2010年頃から小沢健二やフリッパーズ・ギターの魅力に出会い、ファン生活が始まる。思い出深い体験は、大学生の頃行った小沢健二のオペラシティのライブでは当時は高価に感じられた『我ら、時』のアルバムを勇気を出して買ったこと。
Twitter:https://twitter.com/_ogawow_

▶Vol.5 オザケンについて。

3人のオザケンとの出会いや思い出の曲の話し。オザケンはなぜこんなにも多くの世代から長く愛されるのか?今のコロナの世の中とオザケンの思想、自炊やDIYカルチャーの話し、日本の食文化まで、オザケンを起点に様々な分野を越境するトークへと発展していきました!

vol 5_アートボード 1

▶ChapterA なぜオザケンは多くの世代に愛されるのか?

・玉虫色に変わるオザケンの曲たち。
- 今自分がいる世界によって、解釈がどんどん変わる抽象度ものを歌っているからオザケンの歌は色褪せないのかもしれない。
- 大きなマクロなことと、日常生活なミクロなことを繋げて一曲に収まっているから抽象度が高くありつつも、自分ごと化できる。
- 歌の中での具体⇔抽象の行き来で、私たちの日々の解像度をあげてくれる。

・圧倒的な生命の肯定
- オザケンの歌詞は生命を肯定してくれる。
-だから聞くと元気になる?


▶ChapterB コロナの世界とオザケン。「世の中の裂け目」のいま

・「世の中の裂け目」の話

2010年の『ひふみよ』LIVEで語ったモノローグ「闇」(一部抜粋・書き起こし)

2003年、夏の日の夕方。
ニューヨークで大停電が起こる。

エレベーターに閉じ込められた人たちが助け出される。地下鉄が止まる。道路では信号が消えてしまって、車が立ち往生している。家に帰れなくなった人たちが街中に溢れる。みんなが一斉に電話を掛けるから、携帯電話のネットワークが落ちてしまった。

パニックが起こるか、と思ったら、そんなことはなかった。街の人たちは、路上で休んでいる人たちをアパートに向い入れる。みんなが自分と感じが合いそうな人がいないか探り合っている。困っている人がいないか、注意している。みんなが頑張ろうとしていた。

いつも小銭をねだってくるホームレスのオッサンが大活躍している。「あのビルの間は休みやすいよ。水が飲めるし、ビルが自家発電だし」とか、ホームレスのオッサンは近所の事情にやたら詳しい。

(中略)

生鮮食品を売る店は、どうせ腐ってしまうのだからと肉や野菜をタダで配り始めた。どこの家でもロウソクの光の下で、大勢のための料理が始まった。電池で動くラジオやCDプレーヤーから、音楽が流れ続ける。

暗闇の中で、音楽は甘く、いつもよりくっきりと聴こえる。歌の歌詞は、雪の上の動物の足跡のようにはっきりと見える。言葉だけでなくて、音楽がはっきりと聴こえる。演奏している人、歌詞を書いた人の気持ちがドッキリするくらい近くに感じられる。そして、同じ暗闇の中に、同じ音楽を聴いている同じ気持ちの人がいることを感じる。

昔の人は、門構えに音と書いて闇を表した。

人が住んでいない砂漠にあるような闇が、大都会の上を覆う。その闇の中で音が響き、街中の路上でパーティーが始まった。いつも同じ感じで進んでいく世の中の中で、ある全然違う世の中が見える。一瞬だけ、全然違う僕らのあり方が見える。明日は電気が復旧して、また元の生活が帰ってくる。

けれど、今夜だけは、僕らは、全然違う世界で時を過ごす。そして元の生活に戻っても、世の中の裂け目で一瞬だけ見たもの、聴いたものは消えない。真っ暗闇の中で音楽を聴いていた日のことは、絶対に忘れない。

その記憶は、消えることが無い。

・『世の中の裂け目』に感じた感覚は消えない
-  ニューヨークの大停電のように、それまでの日常から逸脱した瞬間を「世の中の裂け目」と表現している。
-  ここでおきた変化は不可逆的であり、世の中の裂け目には、次にくる新しい生活が待っている。
-  コロナ渦の世の中のいまは、この時と同様にもう前と同じには戻れない不可逆的な「世の中の裂け目」が開いているのではないか。

▶ChapterC 自作することについて

(画像 なくてもよさそう)

・5/8のMステ出演時に語ったこと

- cookpadのデータでもこれまで料理をしていなかった人が料理を自作するようになってきている。
- 餃子の検索頻度が全年代でcookpadの検索があがっている。
- 手を加えて作る食事や自炊は、自分自身を自分の力でハッピーにできる行為。

・自作することやDIYカルチャーについて
-  全てできあいのものをかっているとそのものがどうできているか、技術、どうしてそれが美味しいのか等、モノの裏側がわかならい。
- 世の中の動きが、自分と関係ないものになっていってしまう。
-   DIY、自作をすることの価値は、世の中を身近に感じ、物事から阻害されずに、自己肯定感、自己効力感を持って暮らしていけること。

▶ChapterD オザケン視点で考える日本の食文化

・2017年流動体についての新聞広告

(official siteのひふみよでも閲覧できます。)

- オザケンの息子が日本の食パンを暗記パンとみて言った。
- 日本の食パンは紙に書いてある文字を転写できるそうな程、ふかふか。これは海外にはない、解像度が高い「ハイレゾ」な食べ物。

▶ChapterE ハイレゾジャパン!

・日本の食べ物はハイレゾ!
- ふかふかの食パン。安くて美味しいチョコレート。今や日本の食文化の代表格となったラーメン。甘くてジューシーないちご。

・日本のハイレゾ食を生み出す力
・何が日本の食をハイレゾたらしめるのか?
 -  仮説:道を極めるというカルチャーの影響。
他者と比較するよりも自己と比較して前よりよくなっていくかを問い続け、
自己を高めていく営み。何事も「道」的に捉えて、改善を繰り返していく文化が根付いている。
- そういう人が多いため、様々なカルチャーが洗練されているのではないか。

・島国の遺伝子
- 文化は平和なときに豊かになっていく。(例:江戸時代)
- 接続も断絶も選択できた、日本の島国の遺伝子故の文化。

▶ChapterF 自分が口にするものたちの起源を知ること

-  自作(自炊)をすることで、そのモノを知り、繋がりを感じる。
-  「ハイレゾジャパン」も起源をたどっていくと、そのはじまりは遠くにある。
-   歴史や文化や起源を知って食べることは、一番美味しい調味料であり、果てしない時代や文化の連続性を感じることができる。
(前回のつまみ食いラジオvol.4でも、起源を知ることの価値について語っています。)
-  点になっていたトレンドが線になる瞬間。

▶編集後記:オザケンを起点に、点と点を結んでいく。

初めてのゲスト回、いかがでしたでしょうか?

オザケンの歌詞や彼の言葉を切り口に、音楽・DIYカルチャー・食文化まで、様々な分野を行ったりきたりしながらの収録になりました。改めて、彼の視点からは、普遍的な考え方、限りなくピュアなモノの見方、私たちを肯定してくれる優しさなどを感じ、益々オザケンの奥深さを実感することができました。

いつのときも新しい視点や考え方を与え続けてくれるのは、オザケンが世代を超えて長く愛される理由かもしれません。

私たちの「オザケン学」、もっともっと楽しく深めていきたいと思います。

ご意見やご感想・コメントなどあれば、お気軽にTwitterなどで「#つまみ食いラジオ」で発信してくださると嬉しいです!ゲスト出演してくれた小川くん、そしてリスナーのみなさん、お付き合い頂きありがとうございました。(こばみほ)

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