「夫が何だか不機嫌でやんす」の話

先日。
私は早く仕事が終わり、ウチでまったりしていた。

最近の夕食は
かっちゃんが作るので……
ほぼ100％作るので……

私も息子も7時くらいになったら

「お腹すいた〜」
「よな？」
「かっちゃん、おっそいな！」
「電話してみるか〜」

その時、電話がつながらず、そのまま8時過ぎたりすると……

つくねの重い腰がいよいよ動くんだ。

「あー……もうムリだ。お腹すいた……オムライスでも作るか」

「えっ！？オムライス、作ってくれるん！？」

「おーっ……うん」

（ナニコレ……何かさぁ……
オムライスでこんな喜ばれるってさぁ……
こないだまで私、ある程度ご飯作ってた筈じゃけど……

すっごい何もやらんお母さん感満載じゃない？）

まあいいけど！

その日は電話がつながったので、今日の（晩御飯の）予定を聞いたんだ。

「ご飯もう食べたの？」
「食べてない！今日は何作るん？」
「こないだのお肉焼いたヤツ作るよ〜」
「オッケー」

（ふむふむ……じゃ、私は後から肉をつまむとして……カレーも食べたいので、一人分カレーを作ろう）

野菜はレンチン、煮込みは５分。
最速のカレーを作った。

作り終えると同時にかっちゃんが帰ってきて

「あ……カレー作ってる……」
「うん。カレー食べたくて、一人前作ったんよ、10分で」

「…………」

「あれ？つくねが話してるよ？」
「あー……うん」
「えっ？何か怒ってるん？」
「……大丈夫。怒ってないよ」

これは……

全然大丈夫じゃないヤツ！！

ヒェ〜！
かっちゃんが不機嫌でやんす！
他のヤツらは騙せても……
このつくねを騙せると思うなよ！？

私はひとつの決断を下した。

よし……

ほっとこ！！

私は生きる上で、固く誓うと言うほどでもないが、やらない事ランキングに常にランクインしている事がある。

それは……

他人の機嫌をとらない。

目の前の人が機嫌いいも悪いも、怒ってる怒ってないも、その人の事情なので……

私は私の機嫌をとるのに精一杯なので……

特にかっちゃんは、精神がとても安定しているので、滅多な事では怒らない。

故に、そういう人から笑顔が消えるだけで、まあまあの迫力！

（何か知らんけど、こえーし、取り敢えず2階行こう。美味しいカレーを食べながら、初恋の悪魔の続き見んと！）

アツアツのカレーを持って2階に上がりながら……ふと気づく。

（あー……飲み物……もういいや）

カレーは甘口だし、平素より私はご飯食べる時に、水分を欲しないタイプ。
おかずを食べ、口の中が辛くなれば白米を食べればよし。

（あの不穏な気配満載の空間にいたくない……今日は唾液の分泌を促進するよう多めに咀嚼する）

溢れろ唾液モグモグモグモグ！

そう……
こないだ、つくねは

ミステリと言う勿れ（ドラマ）を見た。
それはそれは、面白く……

（そりゃそうよな！皆言うてたわ！ミステリと言う勿れミステリと言う勿れ言うてたわ！田村由美先生、原作！！ハイ、絶対面白いィィー！！しかも、音楽がKing Gnu！製作サイドが！！気合入ってる証拠！！！こんなん……絶対面白いやん！）

ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)

（いずれ買うから……待ってて←誰宛？）

主人公が面倒くさくて面倒くさくて……
とても良い……菅田将暉くん……スキ……
伊藤沙莉ちゃん……カワイイ……

一通り堪能した後、その興奮さめやらぬまま……
　
お次はこれだ！

初恋の悪魔。

林遣都くんは…
どちらかというとアレだっけど……
大好きな俳優さんになったわ。
（これハリーポッターにしか見えんけど、私だけなん？）柄本佑くんはどのドラマに出ても良い味しか出さんし……
伊藤英明は怖いし、安田顕はもう言うまでもない（程にキャラが立ちすぎている）。

それぞれの恋愛模様も可笑しいやら切ないやら……

終盤で良い意味で名探偵つくねの予想を裏切ってくれて

「うっわっ！怖っ！！」

ってなって……

もう夢中。

すると……

トントン。

「はーい」

ドアをゆっくり開けて……

申し訳なさそうにモジモジしたかっちゃんが入ってきた。

（すげぇ！めちゃくちゃモジモジしとるな！）

「あの……さっきは本当にごめんね〜」

「いーよー。『すげぇ怒っとる！こわっ！何か知らんけどそっとしとこう。しばらくすりゃ直るじゃろ』って即逃げたし。何だったん？」

「仕事終わって、スーパー寄ってから帰って……つくねもご飯食べてないって言ってたから、頑張って作ろうって思って……そしたらカレー作ってたから、少しショックで……」

「や、私は作ってくれた分は食べるよ。ただ、おかずの量が足らんくてもなー……あ！カレー作ろって思って」

「それに、息子に洗濯回しといて、って頼んだら洗剤ないよって、言われて買って帰ったら『詰め替えあるじゃん！ああっ！』ってなって……ごめんね～」

「いーよ、何回も謝る必要ないわ。どっちもさほど悪くないじゃろ。今後こんな事がないようにする為に……どうする？」

「もう大丈夫。しんどい時にはお料理しない」

「あー……それがいいわ。本当、しんどい時に頑張ると『こんなに頑張ってるのに！』ってなるからな……」

「うん」

「よし、一件落着。実はそれどころじゃない。初恋の悪魔が……とても楽しい……笑いもキレッキレでさぁ……」

つくねの独壇場。
滔々と語る。

滔々と語るで思い出したが、息子は明日から修学旅行だ。
今日の午前中はその為の買い物に行ってきた。

息子は世界の近代史が面白いらしく……

その際の車の中で、お店の中で

「文化大革命」
「アヘン戦争」
「大躍進政策」

について、

（中田敦彦のYou Tube大学なのかな？）

という程に滔々と語られた。

本当、結構分かりやすく面白く解説してくれて……

大変面白く為になるのだが、終盤で

（もう……つくねのライフはゼロになりかけよ）

となり、頭はパツンパツンになった。