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糖尿病の基礎知識とインスリンの働き

糖尿病とはインスリンの作用不足により血糖値が高くなってしまう病気です。

この記事では糖尿病の基礎知識、とりわけインスリンの働きや血糖値が高くなってしまう仕組みについて解説します。

糖尿病にまつわる前提知識

糖尿病の前提知識です。インスリンやグルコース、血糖値といった用語を抑えておいてください。

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①膵臓にあるβ細胞というところがインスリンを分泌します。インスリンは血管の血液中を流れます。

②血液中にはグルコース(ブドウ糖)がうようよしてます。

③血液中のグルコースの濃度を血糖値といいます。略してBS(Blood Sugar)と呼ばれることが多く、正常値はだいたい100mg/dLです。

④血管に沿って細胞が並んでいます。

⑤細胞の血管側にはグルコース専用のドアがついています。

インスリンの作用 細胞にグルコースを取り込み血糖値を下げる

前提知識を踏まえた上で、インスリンの作用を紹介します。

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インスリンは細胞のドアを「パカッ」と開け・・・

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「いらっしゃいませー」と血液中のグルコースを細胞の中に取り込みます。

細胞に入ったグルコースはエネルギーとして使用されます。余ったグルコースはグリコーゲンとして貯蓄されます。

血液中のグルコースが細胞に入るので、血液中のグルコースの濃度が下がり、血糖値が下がります。

まとめると、インスリンは細胞のドアを開け、グルコースを細胞の中に入れ、血糖値を下げます。これがインスリンの作用です。

糖尿病はインスリンの作用不足で発症する

糖尿病はインスリンの作用不足によって血糖値(BS)が上がり発症します。

インスリンの作用不足には2つのパターンがあります。

インスリンの作用不足パターンその1 インスリン分泌障害

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膵臓が疲れてしまって、インスリンが出ないパターンです。これをインスリン分泌障害といいます。

インスリンがいないので細胞のドアが開きません。

グルコースは細胞に入りたいのに入れません。その結果、グルコースは血液に溜まり血糖値が上がります。

これがインスリン分泌障害による血糖値が上がる仕組みです。

インスリンの作用不足パターンその2 インスリン抵抗性亢進

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もう一つは膵臓がインスリンを出しても、効きが悪いという状態です。これをインスリン抵抗性亢進といいます。

インスリンの効きが悪いと、1つのインスリンでは細胞のドアを開けることができません。インスリンが連なってやっと開くことができる状態です。

こちらのパターンでも、グルコースが細胞に入りにくくなり、血液中にグルコースが溜まり、血糖値が上がります。

これがインスリン抵抗性亢進による血糖値が上がる仕組みです。

まとめ

・血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度のこと
・糖尿病は血糖値が高くなってしまう病気
・インスリンは細胞のドアを開け、 血液中のグルコースを取り込み、血糖値を下げる
・糖尿病はインスリンの作用不足で発生する
・インスリン作用不足の2つのパターン
 ①インスリン分泌障害
 ②インスリン抵抗性亢進

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