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『#真相をお話しします』(結城真一郎・著)


 本屋大賞2023ノミネート作品で。帯に「切れ味最凶、二度見不可避の新感覚ミステリ」とあった『#真相をお話しします』(新潮社・刊)です。
 「最凶」ってなんだ…。どんな「新感覚」なんだろう…。
 それを探りながら、楽しんで読みました。

 ──本当に?
 読みながら覚えるかすかな違和感と確かな胸騒ぎ。それでも、あなたの予想は必ず裏切られる!
 緻密で大胆な構成と容赦ない「どんでん返し」の波状攻撃に瞠目せよ。

 家庭教師を仲介する営業マンと母親、子供の三者面談が「惨者面談」なのは…。

 どの話も、ちょっと怖い、人が亡くなる、しかも殺される…。
 最後に…。


 「#拡散希望」の最後に、YouTuberが“真相”を流します。そして、

「ここまでの推理が正しいと思う人は『高評価』を、間違っていると思う人は『低評価』を押してください。この配信自体が話題性を狙ったヤラセだと思うのなら、それはそれで結構です。そういう人も『低評価』ボタンをどうぞ」

 ミステリの「#真相」は、どこになったのか。

 読み終えてなお、「どんでん返し」だったのか。
 騙されたのか。
 二度読みへ…。

 あなたも「#真相」を探ってみませんか。



 読書メモより

○ ──子供だと思って、彼らを侮らないほうが良い
 ──俺たちが思っている以上に、小学六年生は大人だぜ。
上手くいきすぎているというのも、もちろんある。だが、それだけじゃない。もっと根源的で、得体のしれない“違和感” ──しかし、その正体が掴めない。
○ ──うん、ありかもね。
 ──それで、困っている人様の役に立てるなら。
 私たちとは違って、本当の意味で──と続いたわけではないが、たぶんそういうことだろう。
○ ドッキリ説を脇に置くとすれば、可能性は三つ。(略)
○ 気を回せなかったことを反省しつつ、引っかかることが二つあった。一つは、彼女が一瞬だけ僕の手首を凝視していたこと。もう一つは、訪問の目的──(略)


   目次

惨者面談
ヤリモク
パンドラ
三角奸計
#拡散希望


【関連】
  ◇結城真一郎 (@ShinichiroYuki)(Twitter)
  ◇本屋大賞

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