保護犬の里親になるまで:①保護犬カフェに行ってみた!

保護犬って? 保護犬を引き取りたいけどどうすれば? そんな興味をもつ人のために、”夫婦共働きでも保護犬の里親になれた”私の経験をお届けしています。
今回は第1回「保護犬カフェに行ってみた!」編。テレビで見たことしかなかった保護犬と、実際にふれあえる場所があるんです!

レポートの目次はこちら⇒⓪はじめに


 テレビのバラエティ番組や、SNSにUPされている犬の動画を見て癒されることはありませんか?。画面の中で無邪気に戯れるかわいい犬たち。しばらく眺めると元気が出ますよね。
 でもできれば、実際に犬に触れてみたい。そして、犬と暮らしてみたい。しかし我が家は共働きの夫婦2人世帯。もし犬を飼えたとしても、お留守番が長いのはかわいそう…。
 これは、そんな私たちが「保護犬カフェ」に行ってみた、体験レポートです。


犬に会いたい!ふれあいたい!

 ある日、ポストに入っていたフリーペーパーに、「保護犬カフェ」が近所にオープンしたという記事が載っていました。「保護犬」という存在はテレビで見たことがあり知っていました。「保護犬カフェ」とは時間制で店内の保護犬たちとふれあえるカフェということらしいのです。
 保護犬と会える場所といえば、保護犬の新しい飼い主(=里親)とのマッチングをする「譲渡会」が知られています。が、会場に訪れる人は里親になることが前提で、敷居が高いと感じていました。「保護犬カフェ」は犬の人馴れの訓練も兼ねているため、ただ犬とふれあうだけでもOKとのこと。無性に犬と遊びたかった私は、夫を伴って出かけてみました。

歓迎ムードの犬&スタッフさんたち

 お店の外観はナチュラルなカフェ。窓から犬がこちらを覗いていました。ドアを開けると、内部に脱走防止柵があり、向こう側から犬が数匹嬉しそうに尻尾を振っています。めちゃくちゃ歓迎ムードです。やさしそうなスタッフさんが簡単なコースの説明をして、柵のカギをあけてくれました。
 30分と60分のコースがあり、店内のフリースペースでドリンクを飲みながら犬と遊ぶことができます。「最初はテンションを上げず、そっと部屋でくつろぎ、一緒の空間にいることになれて来たら小さなエサを使って一緒に遊んでくださいね」とのことでした。
 店内には7~8匹の犬がいます。部屋に入った瞬間に飛び跳ねて寄って来る子もいれば、部屋の隅で様子をうかがっている子、ほかのお客さんとの遊びに夢中な子や、マイペースに昼寝をしている子もいました。

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目的は「犬が人のいる空間に慣れる」こと

 保護犬カフェの目的は、犬とお客さんが一緒に過ごすことによって「犬が人のいる空間に慣れること」。犬たちは普段、施設で人と暮らすための訓練を受けています。長時間人と過ごしても大丈夫と判断された子がカフェデビューするため、オスワリやマテのコマンドが分かる子もいるとのことでした。
 机の上にはお店のシステムやメニューだけでなく、犬とのふれあい方の説明があります。夫は犬を飼ったことがないのですが、とても分かりやすかったようです。お客さんが落ち着いて対応できることは犬にとっても安心できる環境につながるということでした。
 それぞれの犬の性格や特徴、保護までの経緯、そして保護されてからの変化を綴ったフォトブックも置いてありました。淹れてもらったコーヒーを飲みながらじっくりと読むことができます。スタッフさんも普段から犬に接しているため、忙しくないときは犬や保護施設のことについて詳しく話してくださいました。

飼い主になれますか?の疑問にも応えてくれる

 もちろん、カフェを通じて保護犬の飼い主(=里親)になることもできます。気になった子がいたらお見合いをし、トライアル(お試し期間)を経て、正式譲渡となるとのこと。詳しい注意事項や手順、費用の例などの資料も常備されています。この子は明日からトライアルですよ、と声をかけられた犬は、元気で人懐こい約1歳の若犬でした。
 「私たち、共働きでお留守番が心配です…」と聞くと、スタッフさんが快く相談に乗ってくれました。もちろん留守番時間は短い方がいいですが、犬によっては適性のある子もいるとのこと。大切なのは、犬が落ち着いて過ごせる環境をつくること。飼い主が帰宅してからのかかわり方を工夫することも一助になるそうです。
 「もちろん、個々の犬の性格や育成歴、ご家庭の事情を検討する必要があります。子犬よりも、成犬で適性のある子を探してみるのもいいかもしれません」。我が家での犬との暮らしにも少し光が見えた気がしました。

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気軽に行ける「ひとと犬をつなぐ場所」

 犬とふれあえて、保護犬について詳しく知れる。大満足の時間でした。その後も何度かお邪魔して、個々の保護犬のことや施設のこと、譲渡について教えてもらいました(犬と遊ぶことが最大の目的でしたが…)。カフェの代金は保護施設の運営費用にもなるとのことです。
 のちに私たち夫婦は保護犬の里親になります。何も知らなかった私たちが、「里親」という選択肢を考えるきっかけをくれたのは、この保護犬カフェでした。(もちろん、ただ犬と遊ぶだけでも十分楽しめます。それだけで犬たちの訓練・支援につながります!)


 保護犬カフェは、いちばん気軽に行ける「ひとと犬をつなぐ場所」だと思います。少しでも興味があれば、行ってみて損はない場所だと感じました。
 ただ、カフェによって注意事項や運営方針は異なります。事前にホームページなどの紹介をよく読んでから行くと、スムーズに楽しく過ごせるはずです。ぜひ(外出自粛などが落ち着いたら)保護犬カフェに遊びに行ってみてくださいね!

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