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保護犬の里親になるまで:⑤トライアル2週目

保護犬って? 保護犬を引き取りたいけどどうすれば?
そんな興味をもつ人のために、”夫婦共働きでも保護犬の里親になれた”私の経験をお届けしています。
今回は第5回「トライアル2週目」編。1週目はとにかく安心できる場所を目指しましたが、一緒に暮らしていくには少しの変化も必要になりそうです。

前回はこちら⇒④トライアル1週目
目次ページ ⇒⓪はじめに


 犬が家にやってきてから1週間が経過しました。
 はじめは緊張していた顔つきがやわらかくなり、笑顔が見られるようになりました。年齢の割に幼い印象の犬でしたが、年相応の落ち着きがでてきました。


変化をつけてみる

 トライアルにおける3つのルール ①生活リズムをつくる ②人間とスペースを分ける ③無理強いをしない を守ったこともあり、犬は少しずつ新しい生活に慣れてきたようです。時間になると自分から「散歩に行こう」「もう寝ないの?」と言わんばかりに動くようになりました。
 慣れるまでもう少しかかると思っていたのですが、犬の表情を見ていると大丈夫そう。2週目は、慣れてきた行動範囲の中で「生活が楽しい」と思えるような変化をつけることにしました。


ブラッシングをしてみる

 来たばかりの頃はなでられるだけで精一杯だった犬。1週間経った頃にはお腹を見せて触らせてくれるようになったので、ブラッシングをしてみることにしました。
 ホームセンターでスリッカーブラシを買い、本を片手に犬を撫でていきます。 逃げたり怖がったりするかと思いましたが、犬はとても気持ちよさそうにしていました。聞くと、シェルターでもブラッシングやシャンプーをしてもらっていたとのこと。犬にとってリラックスできる良い時間になっていたようです。

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 トライアル期間はちょうど季節の変わり目で、超がつくほどの換毛期。モサモサ取れる毛に驚きましたが、犬好きのみなさんにはおなじみの光景のようです。

「グローブタイプのブラシがいい」
「洋服に付いた毛はゴム手袋で撫でると取れる」
「コームで梳かしてあげるときれいに仕上がる」

など、たくさんのアドバイスをもらいました。


外で遊んでみる

 この頃は犬の寂しがりやな一面が出てきた頃でもありました。帰宅すると、ずっと私たちの後ろをついてくるのです。いたずらや要求吠えはしないものの、さみしいという気持ちのあらわれだと思います。悲しい記憶のある犬は、分離不安気味であることも多いそうです。

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 家の中での時間はもちろん、他の場所でも思いっきり遊んでストレス発散ができるようにしたいと考えました。楽しい経験を増やして、私たちが出かけても必ず帰ってくるということも、犬に伝えたいことです。


 散歩の時にはボールを持って行き、犬が落ち着いていれば小さな公園で一緒に遊びます。また、完全室内飼いの犬ですが、係留リードをつけて庭でも遊べるようにしました。庭の中のにおいを嗅がせたり、一緒に走り回ったり。私たちも全力で楽しみます。

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 普段、犬は散歩の後に残念そうな表情を浮かべていましたが、思いっきり遊んだあとは満足げな表情を表情をみせるようになりました。


お客さんに会わせてみる

 我が家の犬は元々人間と遊ぶことが大好きです。宅配便などでも人が来ると喜んで見に行っていました。シェルターでもスタッフさんに自分から遊んでもらいに行っていたそうです。
 私たち2人しか会える人間がいないというのも、さみしいものかもしれません。そう考えていた折、友人が近くに来るとの連絡がありました。彼女は5匹の犬の飼育経験があり、その中には元保護犬もいます。事情を話した上で家に遊びにきてもらいました。

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 友人にはそっと家に入ってもらい、犬とご対面。犬はとても嬉しそうに友人のにおいを嗅いではしゃいでいました。なでたりてもらったり、一緒にボールで遊んでもらったり。30分程度でしたが、すっかり仲良くなっていました。
 今でもこの友人が遊びに来ると、犬はとても喜びます。私たちにとっても、犬のことを気にかけてくれる人がいることは嬉しいもの。これをきっかけに心強い味方ができました。


困ったこと


薬の服用後、お腹を下してしまった


 犬には持病があり、2週間に1度薬を飲ませなければなりません。薬は全く問題なく食べてくれましたが、その後お腹の調子が優れませんでした。2-3日様子を見ると元に戻りましたが、治まるまでは心配です。犬に薬を服用させる際は、すぐに受診できるような時間帯にしようと決めました。


散歩中にほかの犬に吠えてしまう

  普段全く吠えない犬が、散歩中にほかの犬とすれ違うと吠えるようになりました。調べると、飼い主を独占しようと吠えることがあるといいます。真相はわかりませんが、しばらくの間、私たちはほかの犬を見ても反応しないことにしました。飼い主さんには「まだお散歩に慣れていなくて、ごめんなさい」と言い、距離を取らせてもらっています。(今ではほとんど吠えることはありません)


犬の個性に合わせて環境を整えていく

 留守番時間が長い我が家。犬と関われるものごとを増やすことは、犬と私たちの信頼関係を築くために必要なことでした。
 この期間は保護団体のスタッフさんに、シェルターではこんなことやっていた、この犬はこんなことが好き、ということもたくさん聞きました。犬によって性格も背景も様々。それぞれの犬、それぞれの家に適したやり方があるはずです。
 犬の様子を細やかに観察しながら、個性に合わせて環境をつくっていくことが大切だと感じます。
 

 犬のペースに合わせつつ、犬と暮らしていく環境が整うようになってきました。少しずつ行動範囲を広げられるかもしれません。
  
 
次回、⑤トライアル3週目 をお届けします!

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