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しるたの #3日本の伝統芸能は面白いpart3-能とは-

こんにちは、Itsukiです。


しるたのは、「知ることは楽しい」をコンセプトにさまざまなことを雑多に紹介するマガジンです。参考文献も紹介しますので、興味を持った方は是非読んでみてください。


第3回目は「日本の伝統芸能は面白いpart3」です。前回は狂言について書きました。今日は能について詳しく触れていきたいと思います。能については長くなりそうなので3回に分けて紹介する予定です。
それでは、本日は能とはどんなものか、簡単に紹介していきたいと思います。


能とは?-当時の最先端ミュージカル

能は、狂言とともに猿楽から発展した伝統芸能。シェイクスピアから遡ること200年以上前、中世に花開いた文化です。現在上映されている曲目だけで、200曲以上あります。
江戸時代は5曲の能の間に4つの狂言を挟んで演じられていましたが、長時間に及ぶため、現在では簡略化して催されています。
猿楽の物語性、曲舞、歌舞の優艶さが融合され、観阿弥(1323~84)・世阿弥(1363~1443?)親子によって飛躍しました。世阿弥については、能についての第3回目に詳しくご紹介します。


能の用語

よく使う能の用語について簡単に説明します。

シテ…主役。配役や演出を決めるプロデューサー的な役目もある。二部構成の能では、前場のシテは前シテ、後場のシテは後シテと呼ぶ。
後見…能の進行を見守り、補助する役。シテに何かあった時には代役を務める重要な役割。
囃方…右から笛、小鼓、大鼓、太鼓。曲によって太鼓が入らない場合もある。
地謡…ナレーション的な説明や情景、登場人物の心境などを謡う。
ワキ…シテの相手役。
シテツレ、ワキツレ…シテ、ワキに従う役。
子方…子役。
アイ…間狂言のこと。前場と後場をつないで物語の説明などをする。


曲目の分類について

能の曲目は、シテの役柄によって神・男・女・狂・鬼の5種に分類した「五番立て(ごばんだて)」が最もポピュラーです。

脇能物(初番目物)…神を主人公として平和や幸福を祈ったり、神社仏閣の縁起を語ったりする。祝言的な要素が多い。
二番目物(修羅物)…男が主人公。源氏や平氏の武将が死後も修羅道で苦しむ様子を描く。
三番目物(鬘物)…女が主人公。幽玄で優雅な舞が見どころになる。能の代表的ジャンル。
四番目物(雑能)…何かを思い詰めた「物狂い」が主人公のものをはじめ、執心、怨霊、人情ものなど、ほかのジャンルに入らないものはここに分類される。感情移入しやすい、ドラマ的要素の強い話が多い。
五番目物(切能)…鬼や妖怪などの「異類」が主人公の華やかで派手な演出で最後を飾る。


流儀について

能楽師の流儀には、全部で24の流儀があります。謡と演技を担当するシテ方、ワキ方、狂言方と、伴奏を担当する囃子方(笛方、小鼓方、大鼓方、太鼓方)の7つの役割があり、たとえば、シテ方は「能楽五流派」と呼ばれる観世流、宝生流、金春流、金剛流、喜多流の5つの流儀があります。


能の型-「両手シオリ(もろてしおり)」

能の型のなかから、「両手シオリ」という私の好きな型について説明します。

シオリとは涙を流す所作のこと。袖を濡らすという意味で「シオリ」といいます。能の特徴的な所作の一つです。両手で泣くことにより、絶望的な悲しみを表します。


おすすめ本

『能の本』村上ナッツ(監修:辰巳満次郎)
株式会社 西日本出版社

いくつかの曲目のあらすじを読むことができ、イラストも豊富でわかりやすいです。能とはどんなものか、概要を知りたい方におすすめです。


いかがでしたでしょうか。次回は能の演目の中で好きなものをいくつかあげたいと思います。

それでは、読んでいただきましてありがとうございました。

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