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3DCG表現のための仕組み作り(外側を固める)

(約 1,900文字の記事です。)

久々に3DCGの回顧録です。

*3DCGで作りたいものがない(笑)

かつてはあった。目標を達成できて燃え尽きた(笑)今ココ。なので今作りたいものがない。なのになぜZbrushからFusion 360に回帰したりBlender、そのアドオン、Quad Remesherを試しながらUE4の学習を始めたのか。

それは、今後何かを作りたくなったときの下準備である。言い換えると、

*3DCG表現のための「外側」作り

なのである。3DCGはソフトで作る。だから、如何に優れた造形力があってもソフトの使い方が分からなければそれでおしまい。そして、実は1つのソフトで万能と言うことはなく、こういう造形はあっちのソフト、こんな造形はこっちのソフトで瞬殺、というように、作りたい形によっては得手不得手がはっきり分かれるのもまた3DCGの特徴だ。なので、1つのソフトに習熟したからといって、何でもかんでも「効率的に」作れる訳ではない。

もちろん気合いと根性と時間とエネルギーを費やせば1つのソフトで完成に至らしめることは可能だ。ここで重要なのは効率の話。もちろん趣味で「完成すればそれでいい」ならば、別に何を使って作ろうとも構わない。好きにすればいいと思う。

ま、私の場合は、最終的に「やっぱ作りてぇものがねぇ」ってなるリスクもあるのだけれど(笑)

*今UE4を学習している理由

静止画の3DCGは、形を作り(モデリング)、色や質感を決め(テクスチャ、マテリアル指定)、風景を作り(アセット作り)、構図を決めて撮影(レンダリング)の4ステップがざっくり言って必要だ。モデリングは入り口に過ぎない。なのでモデリング至上主義になってもそこから先がなければ石膏彫刻家としては優秀だろうが、表現者としては一度そこでとどまることになる。

次に、テクスチャ、マテリアルに習熟したとしても、背景がモノトーンやスタジオセットのままでは、物撮り、商用フィギュア表現などでは最適だが、広大なワンシーンは作れない。

アセット作りができたとしても、カメラの構図や表現技法が分からないと日の丸構図のままだったりするし、そもそもレンダリング結果に満足できるだけの設定に関する知識がないと、そこにたどり着けない。また風景や天候の制御に関する学習も必要だ。そのアセット選びから始まるわけで。

どうやっても、「あ、作りたい」と思ってから「完成」までが長すぎるのだ。だが、いずれは何かを作りたいという思いがある一方で、たまたま今は何を作りたいかがない状態だが、やるべき事は分かっているので、中身ではなく外側を埋める作業的な学習にまずは辿り着いただけだ。

これらを全てカバーできるのがUE4だと思ったから学習している。そして、今何か作りたいものがなくても、作りたくなったときに、この4点セットが既に揃っていれば、後は作るだけ、仕上げるだけ、というやりたいこと一直線のレールに乗っかるだけなのだ。結果を出したいと思った時に最短で結果を出せる仕組み作り。

*「どう見せたいか」から逆算した方が3DCGは効率的に作れそうだ

Zbrushを学んでいた頃はとにかく造形力が至上主義の状態だった。だが今はそう思わない。テクスチャやマップ、マテリアルによる光の表現もそれと同じくらい重要だと感じている。結局、両方必要なのだ。1つの結果を、スカルプトで作るか、マップで表現するかの違い。だが作業効率はかなり異なる。特にマップを既存のものを流用するならかなり早い。なので、最終的にどんな絵作りをしたいかで判断すればいいと思っている。

特にUE4を学び始めてからは情報の密度(LOD、ミップマップ、カスケードシャドウマップなど)の大小と、目に見える絵のサイズは密接に関わっていると感じた。3DCGでは無限にズームできるからどんどん細部に目を奪われる。だがLODを意識すべきだ。全身像の絵でしかないのに爪の際まで彫る必要はない。

要はバランス。

あと、メッシュがただの円柱みたいな多角柱でも、それが透明で液体が入っていて光沢があって泡がある表現であれば、それだけで立派なワンシーンだ。メッシュがいくらローポリであっても、それは一つの表現になる。これをスカルプトだけで表現することは不可能だ。

ま、そんなこんなで今はメッシュをどう作るかよりも、そのメッシュをどう光を駆使して表現するか(できるか)の方の能力を育てている最中です。


今回の創作活動は約15分(累積 約1,350時間)
(406回目のnote更新)

読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊