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独立事象と従属事象

 数学といえば、その多くはヨーロッパにおいて発達した学問であると思われがちでありますが、東洋における「算術」としての数学的歴史は古く、その発達はヨーロッパにひけをとるものではありません。

「そろばん」は電子計算機以前の最も優秀な計算機であり、東洋における「剰余方程式」は「チャイニーズリマインダー」としてフェルマーの小定理でもその数学的真理が証明されています。

中国におけるコンピュータ教育の目を見張る発達ぶりは、この「中国式剰余定理」がコンピュータにおける数式処理に極めて論理的帰結を果たしているからであるように思います。

近代日本における代表的数学者「関孝和」彼は、ライプニッツよりも10年早く「行列式」理論を発見していた江戸時代の数学者です。
「行列式」これも現代数学の線形代数においてコンピュータの数式処理に重要な役割を果たしています。

これが300年以上前の日本の数学者によって確立されていました。
我々の自覚する「常識」とは、与えられた範疇における奴隷の自由に似た域を出ない非常に狭小なものである事を知らねば、物事の真実を把握する事は極めて困難であると常に感じます。

ギャンブルを区分けする方法のひとつに「独立事象」と「従属事象」という分類法があります。
「独立事象」とは、ギャンブルにおいてひとつの結果がその前の結果に干渉されない結果をもたらすものを言います。

例えば日本の伝統的賭博である「丁半ばくち」。
これは前の結果(サイコロがイカサマではないと仮定して)が丁であろうと半であろうと、次の結果には影響を与えません。

一方、トランプを使用したギャンブル。
例えば「ポーカー」「ブラックジャック」などでは1デック(52枚)の中にある同じ数字は4枚と限定されており、局面によってカードの出現率は変化します。これらのゲームを「従属事象」と数学では考えます。

では、日本中央競馬会の開催する競馬はどちらに分類されるのでしょうか。
同じ馬が2レース連続して出走する事は不可能なルールであれば、競馬は「独立事象」のゲームであると考えるのが通常です。それは前のレース結果が次のレースに干渉する余地はないからです。

そして「独立事象」のゲームには通常決まった確率と期待値が存在します。
競馬の期待値は約75%であり、この意味で考えれば競馬は「独立事象」のゲームであるはずです。

だが、一方ではいわゆる「流れ」という言葉が存在します。競馬においては、1日のレースに「出目」というものが存在すると耳にする事がありますが、これは「独立事象」ゲームには絶対に存在しないものでありますが、競馬における「流れ」とはいったい何であろうか。次回はこの辺りを少し考えてみたいと思います。

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