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冷蔵庫探偵。

《先日、銭湯の待合室で「冷蔵庫探偵」というマンガを見つけました。犯行現場にあった冷蔵庫をみてプロファイリングをし、犯人の性格を見抜いて真実を暴き出すという、それはそれは愚直な設定で。そのまっすぐさに全裸ながら震えました。どんな事件だって冷蔵庫探偵・レイコにかかれば全て分かってしまうのです。浮気を疑う友人は「お願いだから彼の冷蔵庫をみて!」と必死に訴え、大事件を抱えた刑事は「こんな時に、あの人がいればな…」とボヤきます。誰も解決できなかった事件を華麗に解き明かした後、レイコは言うのです。「全部わかるのよ、冷蔵庫を見ればね」。惚れ惚れするほど気持ちのいいキメ台詞であると、全裸ながら大きく頷きました。自分が犯人だったらと思うと恐ろしくてたまりません。レイコが近づいてきただけで悪寒が走り、何としてでも冷蔵庫に近づけてはならない、レイコに冷蔵庫を開けさせてはならないと必死になるでしょう。それでもレイコはやってきます。「こんな時にあの人がいてくれたら…」となれば、レイコは必ずやってくるのです。犯人目線のレイコはホラーです。怖すぎます。一巻を読ませていただき、その後三巻まで出ているとのことだったのでどこかで読めたらと思っております。「この漫画はこれでいくんです!」という気持ちの込もった設定とそこに真っ直ぐ突き進むストーリー。きっとそれは、洋服を着て読んでも面白いものだと思います。皆様も是非是非――――》

この書き置きを最後に、兄は突然いなくなりました。すがるような思いで警察に捜索願を出したものの、兄の足取りは掴めず、手がかりはこの書き置きしかありませんでした。刑事は言いました。「こんな時に、あの人がいてくれたら…」やがて一人の女性がやってきました。レイコと名乗るその女性は、できれば冷蔵庫の中を見せてほしいと言ってきました。私は冷蔵庫を見せました。冷蔵庫の中にはポカリスエットと賞味期限切れの漬物、缶ビールと少しの調味料が入っていました。私は、きっとこの人は喉でも乾いているのだろうと思い、「ポカリスエットでよければ飲まれますか?」と尋ねると、レイコは言いました。「全部わかるのよ、冷蔵庫を見ればね」…な、な、なんで…ビックリです。もうほんとビックリしました。レイコは冷蔵庫の中を見て兄の居場所を突き止めたのです。もう、なんてことなの…という、そういうマンガです。マジびっくりするんで是非是非是非。

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