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小さなことは大きなこと

生後10ヶ月になる息子がいる。

彼は、だいぶと人の顔に見分けがついてきたと思う。
最近、妻の姿が見えなくなると、すぐに大泣きするのだ。

一方で、僕の姿が見えなくなっても、息子が泣くことはない。
きゃはは、と笑顔のままでおもちゃと戯れている。
彼は、ちゃんと人の顔や匂い、声なんかでちゃんと人を分別しているのだろう。

それが、だ。
今日は少し様子が違った。

いつも朝の7時前に僕は家を出る。
その時間には息子はまだ寝ているので、朝に彼と顔を合わすことはない。

けれど、今日は珍しく6時ごろには目が覚めていたらしく、まだ眠くて少しぐずる彼を腕に抱きながら朝食をとった。

そろそろ出発の時刻となり、息子を妻に任せて家を出ようとした。
すると、扉をの向こうから息子の泣き声が聞こえてきた!

今まで父の姿が見えなくなることで、泣くことはなかったのに、今日は泣いていた。

「ちょっとは寂しがってくれたんじゃないか」と、小さなことだけれど嬉しくなった。

そんなことがあったんだ、ということを今日訪問した利用者さんとの世間話に話した。

「…そんなことがあって、少し嬉しかったんです。小さな事なんですけどね」

すると利用者さんから、こんな言葉が返ってきた。

「小さなことは大きなことよ。これからも、日常の小さなことを大切にしてね」

利用者さんは続けて言った。

「みんなはよく大きなことを達成しようと息巻くけど、自分にとっての大切なものは実は小さなことなのよ」

その言葉にハッとした。

たしかに僕も何か大きなことを成し遂げなければならない、と躍起になっていた時期がある。

けど、それを本当に求めていたのかというと、実はそうではなかった。
他人が“良い”と決めつけるものを勝手に目標にしていただけだった。

自分にとって本当に大切なことは、日常の小さなことに詰まっているのかもしれない。
大きなことに囚われて、小さなことを見逃していたのかもしれない。

「小さなことは大きなこと」

日常の中の「小さなこと」を拾い集めていくと、本当に大切な「大きなこと」に気づけるかもしれない。

そんな大切は「小さなこと」に見逃さないために、noteを書いているのかもなあ、と思った。

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