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僕がタイコーヒーで起業したワケ

2018年10月15日。
友人と共に株式会社アカイノロシ設立。
https://akhainoroshi.com/wp/
現在の事業内容は、「タイコーヒーの輸入・卸売・小売販売」である。

この話をすると必ずされる質問がある。
「なぜ数ある国の中でタイのコーヒーなんですか?」と。

確かに日本でタイコーヒーといえばまだまだマイナーな存在だ。日本に輸入されるコーヒーシェアの1%にも満たない。

しかし、実はタイ北部では盛んにコーヒー栽培が行われている。その昔、タイ・ミャンマー・ラオスの三国が接するメコン川沿いの山岳地帯は「ゴールデントライアングル」という世界最大の麻薬密造地帯だった。

そこでは、アヘンのもととなるけしの花が栽培されていた。その多くは先進国へと輸出されるのだが、栽培を行う山岳民族もその過程で麻薬中毒になってしまい、まちは廃れた。

そんな状況をどうにかせねばと立ち上がったのが、タイ王室と国連だった。
けしに代わる作物を普及させる「ロイヤルプロジェクト」が約40年前に始動し、コーヒーやマカデミアナッツの栽培が始まった。

これが、タイ北部でコーヒー生産が始まった歴史だ。しかし、コーヒー豆が仲介業者によって安く買い取られ、十分な現金収入に繋がってないことがあるという問題を抱えていた。収入に繋がらなければ、また彼らは麻薬に手を染めてしまうかもしれない。
・この構造を農園からの直接購入という形で変えることができないだろうか?
・日本という場所で新たな市場を開拓できないだろうか?

これが、タイのコーヒーで起業しようと思った大きな理由なのだが...

実は個人的にはもう一つ大きな理由があった。

話は変わるが、僕は名古屋市出身だ。幼いころからいわゆる「都会」と呼ばれるところで育った。
そんな中、高校三年生だった2014年。増田寛也さんの「地方消滅」という本が発売され大きな反響を呼んだ。さらに9月には安倍政権が「地方創生」という政策を打ち出し、「地域活性化」が声高に叫ばれるようになった。
しかし、高三の僕に「地方創生」はあまり響いてこなかった。自然の豊かさや人の温かみといった「地方の魅力」があまりピンとこなかった。
『ヒト・モノ・カネ」がなくて困っているなら、それがある都市部にみんな移住すれば良いのではないか?都市圏を拡大し、無理のない程度に地方を縮小するのもありなのでは?』というのが率直な気持ちだった。

しかし、そんな僕の考えを大きく変える出来事が起こる。それは、大学二回生のPBLというフィールドワークを軸とした講義でのことだ。京都府北部の過疎地域で地域の方にロングインタビューを行い、一つの冊子にまとめ上げた。
おひとりおひとりからお話を伺っているうちに、
「地域から人がいなくなるということは、まちが無くなるだけでなく、その地域で育まれた歴史・文化・方言・踊り...そのすべてが消えてしまうんだ」ということを強く感じた。

話はタイへと戻る。約40年前、国策として始まったコーヒー生産。だが、今や立派な「文化」だ。山岳民族の生活リズムはコーヒー生産に合わせたものになっているし、豊かな自然と共存した森林栽培でコーヒー豆は作られる。
何より山岳民族の人々が美味しいコーヒーを作ることを誇りに感じている。

そんな光景を見て、僕はコーヒーの輸入を通じて、山岳民族の文化や自然、誇りを紡いでいきたいと強く思った。
これが、「僕がタイコーヒーで起業したワケ」だ。

そんな想いも共にアカイノロシのコーヒーを楽しんでいただきたい。
そして、アカイノロシのコーヒーを飲んでいただいたその日から、あなたも遠い異国の文化を紡ぐ「ノロシスト」の一員だ。

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