しみぬき工房 つづれや

着物の洗い張りで培ったノウハウから、綿や藍染のお手入れを得意とし、様々な衣類・素材を承…

しみぬき工房 つづれや

着物の洗い張りで培ったノウハウから、綿や藍染のお手入れを得意とし、様々な衣類・素材を承っております。〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地、フリーダイヤル:0120-975-354、営業時間:午前9時~午後6時(定休日:日曜日・祝日)

マガジン

  • つづれやの仕事

    洗い張り(水洗い)で培ってきた技術の上にあらゆるしみ抜き、洗いを承っております。

  • 作業の動画(YouTube)

    当社のYouTubeに掲載した動画が含まれている記事まとめ https://www.youtube.com/channel/UCOnpk1dh7tj6imXHksGcQ5w

  • よく読まれている記事

    つづれやのnoteで比較的によく読まれている記事をまとめておきます。

  • 緞通のしみ抜き・お手入れ

    日本三大緞通のしみ抜き・お手入れ承っております。http://dantsu-shiminuki.com/

  • 日々のつれづれ

    地方のしみぬき屋ですがボソボソと言うことがあります。

記事一覧

固定された記事

ドライクリーニングと水洗い

当社が洗い張り業を始めたのは創業である昭和9年(1934年)からですが、歴史を紐解くと国内では江戸時代には洗い張り(水洗い)が行われていたそうです。近年、当社にお預…

2024年1月:仕事の様子をまとめておきます。

カバンのお手入れ革製の持ち手から染料が移らないように工夫してお手入れしております。

2023年12月:仕事の様子をまとめておきます。

レザーとキャンバス地が組み合わされたカバンの染み抜き 濡れたタオルケットでくるみ、時間を掛けて乾燥する。クリーニング店では想像できない乾燥法ではないだろうか! …

2023年11月:仕事の様子をまとめておきます。

婦人セーターの染み抜き裾の裏地部分に移染が多くみられる。 婦人セーター真綿素材の本体からピンクの色素が移ったものと考えられる。紺地部分を養生して1%の塩素系漂白…

2023年10月:仕事の様子をまとめておきます。

30年経った手提げ袋の変色を直すボールペンのインクが付いたユニフォームスレン染料と思われるボールペンのインクが付いている。手間と時間を掛けた作業で解決できた。 …

紫外線照射技術を用いて変色のお手入れ

紫外線照射でどこまで直せるか検証する。万葉の時代から受け継がれた「雪晒し(ゆきざらし)」の応用である。 40年ほど長期保管でカビが変色した綿素材のバッグ40年ほど長…

2023年2月:仕事の様子をまとめておきます。

古い綿と新しい綿の油分の検証ご近所で綿花を栽培されている方からいただいた新しい綿と、使い古した座布団で使われていた綿を検証しています。 水をいっぱいに張った容器…

2023年1月:仕事の様子をまとめておきます。

前回に続いて、カシミア素材の検証を動画にて実施しています。 カシミア素材の底力!! 醤油編カシミア素材に醤油がこぼれても慌てることはありません! カシミア素材の…

2022年11月:仕事の様子をまとめておきます。

カシミア素材の水洗い検証何回揉んだら縮むのか? 延々と揉んでみると、縮み始める揉み回数が解ってくる。何度も何度も繰り返してみる。手揉みとワッチャー内での揉み具合の…

2022年10月:仕事の様子をまとめておきます。

祭りの帽子『絹羽二重』汗の変色補正に挑戦。瀬戸内の太陽の恵みを受けて「雪晒し」技法を施す。 仕事の相棒、亀の子束子新しい亀の子束子(たわし)から使い古して生地に…

2022年9月:仕事の様子をまとめておきます。

藍染絞りの浴衣当社では50年前から藍染ゆかたの変色を直してきました。衿や汗の変色を藍を傷めること無くお手入れいたします。 こちらは新反ではあるが長年の汚れが気にな…

2022年8月:仕事の様子をまとめておきます。

戸塚刺しゅうのお手入れ戸塚刺繍の仕上げとして手垢などのお手入れ処理を、当社(洗い張り屋)が担当いたしました。 戸塚刺繍(97×100mm)を張木でテンションを掛けなが…

2022年7月:仕事の様子をまとめておきます。

ポリ袋での保管状態(30年後)30年前にばあちゃんの留袖を手入れした。ポリ袋に包装してタンスに保管。30年後に出してみた。直射日光に10分程晒すと 37% だった湿度計が 6…

2022年6月:仕事の様子をまとめておきます。

スーツ上下のしみぬき過炭酸ソーダ5%で加工するが、ピンクの色素が滲み出た。 過炭酸ソーダ5%2回目で落ち着く。 納得できる仕上がり。 40年余り使用された絹のストール…

2022年2月:仕事の様子をまとめておきます。

『藍の色止め』はできません。(藍染め剣道袴)藍染め剣道袴の『藍の色止め』をご依頼いただきましたが、藍の色止めは出来ません。手入れする度、着用する度に移ろいゆく色…

2022年1月:仕事の様子をまとめておきます。

家庭で水洗いをしてしわくちゃになったよだれ掛けを風合い良く仕上げる吉祥文様である鶴と亀の刺繍は素敵です。 赤穂緞通のしみ抜き作業 牡丹唐草に蝶文・縁卍繋文京都に…

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ドライクリーニングと水洗い

当社が洗い張り業を始めたのは創業である昭和9年(1934年)からですが、歴史を紐解くと国内では江戸時代には洗い張り(水洗い)が行われていたそうです。近年、当社にお預かりするケースだと着物全体が汚れるような状態は少なくなってきました。おそらく着物が普段使いで使用されることが少なくなり、ハレの日など人生で一番おしとやかな日での利用に変わってきたこともあるのでしょう。 絞り浴衣のお手入れ 洗い張り(水洗い)は、着物だから出来る最良の方法着物の利用頻度が少なくなったと言えど、衿袖

2024年1月:仕事の様子をまとめておきます。

カバンのお手入れ革製の持ち手から染料が移らないように工夫してお手入れしております。

2023年12月:仕事の様子をまとめておきます。

レザーとキャンバス地が組み合わされたカバンの染み抜き 濡れたタオルケットでくるみ、時間を掛けて乾燥する。クリーニング店では想像できない乾燥法ではないだろうか! ジャッキを使って強力にテンションを掛け、あるべきカバンのフォルムに補正する。 しみぬき工房 つづれや 代表:田川 芳弘 住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地 フリーダイヤル:0120-975-354 TEL / FAX:0791-48-8059 営業時間:午前9時~午後6時  定休日:日曜日・祝

2023年11月:仕事の様子をまとめておきます。

婦人セーターの染み抜き裾の裏地部分に移染が多くみられる。 婦人セーター真綿素材の本体からピンクの色素が移ったものと考えられる。紺地部分を養生して1%の塩素系漂白剤を噴霧してビニールを被せて反応を促進させる。 晴れ着に着用する羽毛のショールの裏側にできたシミを抜く(アセテート素材の漂白)冬の催し・成人式など防寒と装飾の役割から、振袖に白いファーのショールをつけられることがある。長年の保管中の湿りで変色してしまったらしい。 完成。 水洗いできないと言われたアセテート素材を

2023年10月:仕事の様子をまとめておきます。

30年経った手提げ袋の変色を直すボールペンのインクが付いたユニフォームスレン染料と思われるボールペンのインクが付いている。手間と時間を掛けた作業で解決できた。 シルク幟のお手入れこちらで2日ほど掛かると算定される。 しみぬき工房 つづれや 代表:田川 芳弘 住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地 フリーダイヤル:0120-975-354 TEL / FAX:0791-48-8059 営業時間:午前9時~午後6時  定休日:日曜日・祝日

紫外線照射技術を用いて変色のお手入れ

紫外線照射でどこまで直せるか検証する。万葉の時代から受け継がれた「雪晒し(ゆきざらし)」の応用である。 40年ほど長期保管でカビが変色した綿素材のバッグ40年ほど長期保管でカビが変色した綿素材のバッグ。反応染料で染められたもの 摘まみ洗いした為、変色をしてしまったケース しみぬき工房 つづれや 代表:田川 芳弘 住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地 フリーダイヤル:0120-975-354 TEL / FAX:0791-48-8059 営業時間:午前9

2023年2月:仕事の様子をまとめておきます。

古い綿と新しい綿の油分の検証ご近所で綿花を栽培されている方からいただいた新しい綿と、使い古した座布団で使われていた綿を検証しています。 水をいっぱいに張った容器の上に、古い綿と新しい綿を浮かせる 少量の界面活性剤(中性洗剤)を水に含めると、古い綿だけが沈む様子 製品として加工されることと、経年変化によって綿表面の油分が失われていくことで生じる違いとなりますが、お手入れの方法を工夫すれば、素材の油分をできる限り残していくこともできます。 レーヨン素材の房に付いた折り紙の

2023年1月:仕事の様子をまとめておきます。

前回に続いて、カシミア素材の検証を動画にて実施しています。 カシミア素材の底力!! 醤油編カシミア素材に醤油がこぼれても慌てることはありません! カシミア素材の底力!! アロンアルファ編カシミア素材にアロンアルファが付いても慌てることはありません! カシミア素材の底力!! 牛乳編カシミア素材に牛乳がこぼれても慌てることはありません! しみぬき工房 つづれや 代表:田川 芳弘 住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地 フリーダイヤル:0120-975-35

2022年11月:仕事の様子をまとめておきます。

カシミア素材の水洗い検証何回揉んだら縮むのか? 延々と揉んでみると、縮み始める揉み回数が解ってくる。何度も何度も繰り返してみる。手揉みとワッチャー内での揉み具合の違いをイメージしながら検証する。 元の生地 50cm 揉み回数 70回ほど 49cm 揉み回数 160回ほど 48cm 30~40年間使用された暖簾変色と退色が激しい。何処まで直せるか? 『水洗で移染した』とクリーニング店から相談有り麻、ポリエステル50%混紡のカーディガンに、他の商品からピンク色に移染した

2022年10月:仕事の様子をまとめておきます。

祭りの帽子『絹羽二重』汗の変色補正に挑戦。瀬戸内の太陽の恵みを受けて「雪晒し」技法を施す。 仕事の相棒、亀の子束子新しい亀の子束子(たわし)から使い古して生地に馴染ませた。素材、温度、時間、風合い、商品の使用状況、等などに合わせて使い分けています。 ウール&シルク素材でシミのサンプルを作る。半年後、1年後、2年後、4年後、8年後に状態を確認しながらしみぬきテストを行う。 納品時の包装を検証するおよそ16年前に手入れした訪問着の虫干し依頼。湿度計でポリ袋の中を測ったところ

2022年9月:仕事の様子をまとめておきます。

藍染絞りの浴衣当社では50年前から藍染ゆかたの変色を直してきました。衿や汗の変色を藍を傷めること無くお手入れいたします。 こちらは新反ではあるが長年の汚れが気になっている。絞りを延ばさずに、藍染の色が褪めないように手入れしていきます。 左:絞りに原因不明の変色が見られる 右:絞りの部分だけをシミを抜いた状態 藍染の麻のれん緑の糸印を長年の使用で手垢で変色しておりました。下にした生地は変色を直した状態となります。 藍染は手入れする度、使う度に移ろいゆく色合いを楽しんでく

2022年8月:仕事の様子をまとめておきます。

戸塚刺しゅうのお手入れ戸塚刺繍の仕上げとして手垢などのお手入れ処理を、当社(洗い張り屋)が担当いたしました。 戸塚刺繍(97×100mm)を張木でテンションを掛けながら幅を調整すると、立体感の有る仕上げが出来る。 地蔵盆の幕 黒カビと青カビの除去黒カビと青カビで汚れた幕。 染色を傷めずに直すには方法が無い。塩素系漂白剤を使用すると染めに影響が出るため、最近まではクリーニング業界では絶対に禁止されていた。 酸素系漂白剤ではこれが限界。 過酸化水素35%と過炭酸ソーダを配合

2022年7月:仕事の様子をまとめておきます。

ポリ袋での保管状態(30年後)30年前にばあちゃんの留袖を手入れした。ポリ袋に包装してタンスに保管。30年後に出してみた。直射日光に10分程晒すと 37% だった湿度計が 65% になった。温度が上がると湿度もあがる。(飽和水蒸気量による現象) ウレタン樹脂の文字を『消して』とご依頼いただく。だが…ウレタンを溶かす方法がございません。 シャチハタスタンブと朱肉色泣きテスト噴霧の量を調整しながら紫外線に晒すと違う結果が出ないかな? 志んしと張木着物の洗張りには欠かせない「

2022年6月:仕事の様子をまとめておきます。

スーツ上下のしみぬき過炭酸ソーダ5%で加工するが、ピンクの色素が滲み出た。 過炭酸ソーダ5%2回目で落ち着く。 納得できる仕上がり。 40年余り使用された絹のストール縮緬のストールを洗い張り、雪晒しを試みる。全体には綺麗になったが部分的な濃い変色が直らず。過酸化水素35%+アルカリ剤同等、紫外線照射15分。 全体に綺麗になったが、一部の変色が直らなかった。 酸素系漂白剤の効果。60年前の染色が甦る。

2022年2月:仕事の様子をまとめておきます。

『藍の色止め』はできません。(藍染め剣道袴)藍染め剣道袴の『藍の色止め』をご依頼いただきましたが、藍の色止めは出来ません。手入れする度、着用する度に移ろいゆく色合いを楽しんでください。此れが藍染めの文化です。 アイロン掛けの様子です。 アセテート素材の子供袴変色の汚れを抜いてみました。メーカーは『ドライも水洗いも不可』と言っているが、しみぬきは『駄目』と言ってはいない。 対馬つむぎの変色補正兵庫県丹波篠山の「ふた藍」様から、ご依頼いただきました。おそらく150年程前の対

2022年1月:仕事の様子をまとめておきます。

家庭で水洗いをしてしわくちゃになったよだれ掛けを風合い良く仕上げる吉祥文様である鶴と亀の刺繍は素敵です。 赤穂緞通のしみ抜き作業 牡丹唐草に蝶文・縁卍繋文京都にある伝統工芸品を扱う記念館よりご依頼いただいた赤穂緞通のお手入れ 作業中の動画 2020年5月に移染経験のある同じ図案の緞通でした。そんなこともあって、今回は少し緊張しつつ作業を行いました。 日蓮宗の本衣、全体と襟袖回りの変色が酷いので漂白を行う全体の漂白と袖口の内側を改めてしみぬき漂白を試みるが限界か…