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失敗しない蛸壺選び

SNSがマスメディアのソースにもなる時代、どんなユーザーをフォローするかというのは、極端に言えば人生を左右する。

とりわけ、自分の所属するクラスターの属性は、直接的にも、間接的にも影響を受ける可能性が高い。

大前研一氏の「人が変わる3つの方法」でいう、「時間配分を変える」「付き合う人を変える」の要素に通ずるものだと思う。
ちなみに、残りの一つは、「住む場所を変える」である。

例えば、健康志向の強いユーザーを多くフォローしている場合と、その反対の傾向の強いユーザーをフォローしている場合と比べると、その影響はどうだろうか。健康志向の強いユーザーなら、ヘルシーな食生活をアップしたり、情報を投稿する一方で、不健康属性が強いユーザーはまた異なった投稿傾向があるだろう。

類は友を呼ぶというが、似たものは集まるというだけでなく、似たもの同士のグループというのは、そのグループにおける特徴を、強化させる働きをもたらす。

タコツボ化はなぜおこるのか

しばらく同じクラスタの中で生活していると、それだけが自分の世界となってしまう、井の中の蛙のような状況が発生する。
会社でも、会社を変えたら、以前と同じ業種なのに、いままでとは、まるで勝手が違い、適応できずに病んでしまう。以前の会社は、分業化が進んでいて、隣の部署も何しているかわからない状況で長年やってきた。というようなのが、わかりやすいタコツボ化の例だろう。

Twitterを使っているとわかりやすいが、一人フォローすると、Twitterが似たような別のユーザーを提案してくる事がある。
そこでもう一人フォローすると、こんどはその人がリツイートしている人を面白そうだなと思いフォローする。そうする事で、同じ属性同士が次々に集まりクラスターとなる。

では、タコツボ化を防ぐにはどうしたらよいだろうか

居心地の良さだけを追求しない
気が合う、意見が一致する、好みが似ている。共感できる仲間といるのは、居心地が良いが、そればっかりは要注意である、朱に染まれば赤くなる。ふと気がつくと、赤以外の発言をしにくくなってしまうなんてことも十分にあり得る。

複数のクラスタを持とう
部活のようなもので、同じクラスはいつまでも続くとは限らない。消滅するものもあれば、新陳代謝を繰り返し、続く場合もある。
現代は、それなりに多様性があり、変動要因も多い。
〇〇一筋(ひとすじ)で頑張ります!みたいのは、比較的リスクの高い選択だと言えよう。

蛸壺から出よう
先の提案では、蛸壺を前提としているが、蛸壺から抜け出す努力も時には必要だと思う。
自分が住み慣れた環境から飛び出し、言葉の通じない、異世界の人々と交流するのは、それなりに労力を必要とする。
しかし蛸壺に閉じこもってばかりでは、自分の新たな可能性というのはなかなか発見できない。

最適化、関連レコメンドの罠
例えばネットの広告は、あなたの属性や購入履歴などに応じて関心を持ちそうなものを選んで提案してくる事がある。動画配信サービスにしても、再生した動画に関連したものを、ピックアップしてくるものが多い。
これは、関心のない広告が出るより、自分が探し求めているものを出してくるという点で良い場合もあるだろう。
ただし、これがあまりにも進んでしまうと、身近なところでしか、新たな可能性が広がらず、少し離れた場所に存在している、新たな可能性には触れる機会を喪失しかねない。

最寄りの駅から、自宅まで帰る道順を例にとるなら、いつも同じ道で帰るほうが、無駄は少ないと思う。
しかし、新たな発見は得られにくいだろうし、場合によっては、本当はもっと近道があっても、何年も気がつかずにいるなんて事もあるかもしれない。

青い鳥
とは言え、(実在しない)理想だけを追いかけ、あれもこれもと、いつまでも探し続けるのは、それはそれでリスクなのかもしれない。

ということで、おすすめなのは、若いうちにそれなりに幅広く、良さそうなクラスタを確保。良さそうだと思ったら、いくらか深掘りする。

失敗も大事
最初から失敗する事を恐れすぎるのはよくない。むしろ最初に失敗をいくらか積んでいた方が、あとで大きく失敗しないで済むかも、ぐらいな心持ちでいたほうが良いと思う。

まとめ
・普通に生活していると、居心地の良いタコツボ化に陥りやすい
・複数のクラスタを確保しよう
・現代のネットサービスが行なっている、ユーザーへの最適化はタコツボ化の要因にもなりうる。
・蛸壺の外にでよう。
・とはいえ、青い鳥をいつまでも探し続けてはいけない
・失敗を過度に恐れてはいけない。失敗も大事。

それでは、皆様も良い蛸壺を探してみてください。

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