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不登校の長男、ゲーム用パソコンを買う


壮大なお買い物語

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これは「フリーター家を買う」

と同じくらい我が家にとって

壮大なお買い物語。


ゲーミングパソコンという

壮大な価格もさることながら

学校にさえ行くことができていない

不登校な長男の壮大な冒険。


下手をするとゲーム依存症

に拍車がかかるかもしれません。

親にとっても無謀な買い与えに

なるリスクがあり

相当な覚悟がいりました。


長男唯一の自信


ゲーミングパソコンの購入は

妻からの相談でした。

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今はiPadやスマホで

マインクラフト

にハマっている長男。


友だちが来たときには

一緒にワールドで遊ぶのが唯一の楽しみ。


友だちの間でも長男のスキルは高いらしく

尊敬のまなざしを受けながら

マインクラフトを教えています。


長男の自信はゲーム

「今の生きがい」でもあるのです。


しかし自信のあるマインクラフトも

パソコン操作するユーザーには

負けてしまうようです。


ゲームスキルのある長男にとって

もっとレベルを上げるためには

パソコンでの操作が必須。


唯一の自信と本人のやる気を

伸ばすための手段が

ゲーミングパソコン


パソコンをゲームやおもちゃの

娯楽品と捉えるのではなく

こう考えたのです。

学校に行けない長男への投資


どうせ学校に行けないのなら

本人の生きがいとなるものを

とことんやらせた方がいい

いや、やらせるしか選択肢はない。

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投資のためのゲーミングパソコン

妻と共通認識を持ったとはいえ

葛藤はありました。


おそらく他人に相談しても

それは甘えなんじゃないか
余計に学校に行かなくなるのではないか

という答えが予想され、

誰にも相談できませんでした。


そこで長男が発達障害で

入院した病院の信頼できる医師に

パソコンを購入すべきか

相談しました。


冬に入り調子が緩やかに

悪くなっている長男。

高額なパソコンを購入をすることで

事態を打開したいと考える私と妻。

とうとうと話し続ける私たちに

ひたすら耳を傾ける医師。


医師の一言「いいと思います。」


医師の答えに一安心した妻と私。

ふと病院からの帰路で気づいたのです。


おそらく医師は

買っても買わなくても

「いいと思います。」

と言ったのではないか。


親が子どもに寄り添い

決断して行動すること

その行動に親子で責任を負う


その判断に間違いはないのです。

間違えても軌道修正して学べばいい。


学ぶのは子どもではなく親。

医師はこれを教えてくれたのだと

思います。

導いてくれたに近いかもしれません。


いざ秋葉原へ!


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ゲーミングパソコンを買うことが決まり

俄然、元気になった長男。


Amazonでワンクリックで

買えることを知っている長男は

待ちきれません。


しかしサンタが運んでくれるプレゼント

同等と思ってもらっては困ります。

親にとっては投資なのですから。


そんなわけでまずは

パソコン選びから

始めることにしました。

目的地は秋葉原


学校という集団が苦手な長男にとっては
歩行者天国はどう見えるのだろうか?


そんなことを思いながらも

電化製品屋さんの店員に

どんなパソコンが欲しいかを伝える長男


ゲームソフトを買うのとは違い

パソコンひとつとっても

ノートかデスクトップか

メーカーやスペックなどなど

決めなくてはいけないことが

たくさんあります。


知識がないながらも熱心に

店員さんに説明する長男。


私自身、電化製品に強くはないので

大学時代の友人にサポートをお願いしました。

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ふたりは九州男児

義理人情に熱い漢(おとこ)。


長男の事情にも理解があって

息子の要望をくまなく聞いて

最適なパソコンを選んでくれました。


秋葉原の電化製品屋さんを一通り見た後も

ファミレスでランチ兼作戦会議。

マイクラのワールドに入れないのはよくあるバグみたいだね
パソコンは自分でカスタマイズできるから買って終わりじゃないよ


しっかり耳を傾ける息子。

私は思わず席を立ち、

トイレで泣きました(少しだけ)。


何かできないことがあると

すぐに親に解決を求めてきた長男

親が解決できないと分かると

親のせいにしてきた長男


そんな負のスパイラルから

抜け出せるきっかけになるかもしれない。

そんな可能性を感じたのです。


パソコン先生となった我が友


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長男にとってパソコン先生になった我が友。


パソコンのセッティングから

ゲームの遊び方、動画の作成法など

手取り足取り教えてくれました。


教えてもらいながらも

基本は自分がやること

を実践する長男。


その集中力はすさまじく

パソコン先生も

驚くほど吸収しているよ!

と評していました。


過集中でこだわりが強く、できないと癇癪を

起こしてきた長男に悩まされた私たち

しかしその集中力を発揮できるよう

コントロールできれば

どんどんインプットできる。


パソコン先生(私の友)にもしっかり

敬語を使い質問ができる。

親の友だちという「いい距離感」の環境も

作ることができました。

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「学び」という名の冒険の始まり


パソコンセッティング後も

LINEグループでレクチャーしてくれる

パソコン先生=我が友

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長男にとっての学びの場、社会との接点が

ようやく始まったのかもしれません。


これからも「学び」という名の冒険は

続きます。

ゆっくりでもデコボコ道でも共に

歩んでいきたいと思います。


主人公は息子ではなく

親の私たちなのかもしれません。

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