シャドーバッター~魔剣漫遊記~(詩)

夜明け前

薄暗い部屋の中
わずかな希望を求めて
スマホに手を伸ばした
希望はそっと、温かなぬくもりを
伝えてくれた

それでも
絶対的な欠乏感に
どこか凍(こご)えてしまう
心の片隅
自分で光を
灯(とも)そうとする

今日も満足の行く
一日じゃなかったな
いや
満足できたこともあるけど
100点じゃなかったな
心の中で
今も誰かが石を投げる
私に向かって

別にいいじゃん
100点じゃなくても
毎回毎回100点が取れる
人生なんて
他人からみたら
気持ち悪いだけじゃない?
かなり嫉妬しちゃうよねえ

赤点ばっかりな気がしてる?
そんなことないだろ
30点は取れてるし
たとえ0点だとしても
今はそういう時期なんだよ
男に大人気のカブトムシだって
女に大人気の蝶々(ちょうちょ)だって
サナギのときはピクリとも
動かない
まれにプルプルしてるくらい
それでも皆
それがありのままでいることに
文句なんて言わないよ

強く美しくなる前

生まれてこの方
ずっとサナギな
気がしてる?
逆に楽しみじゃない?
このままサナギで一生を
終えるのか
それとも
長年の宿命を転換して
カブトムシになるのか

1年間サナギで成虫になった
カブトムシと
100年間サナギで成虫になった
カブトムシと
どっちがすごい?
逆にすごくない?
なんか100年もののサナギが
普通のカブトムシだったとしても
すごく普通じゃない感じが
するよね
君も同じだよ

そのカブトムシの角が
黒いかっこいいバットのように
長年の不幸を乗り越えた
ただものじゃない
特別な存在になるように
君の不幸の色をした
その心の中に
すでにあるバットも
存在するだけで
ただものじゃない感じがするし
なんかそいつが
ヒット打つ度に
涙出そうになるんだけど
一度でも
ホームランなんか打った日にゃ
号泣もんでしょ
その動画
神回確定でしょ

なあ
君にかかってる呪いとか
君が背負ってきた罪とか
君が抱えてる悲しみとか
全部君の
強力な武器なんだよ

そりゃあそんなもの
ない方が良いと思うのが
普通なんだけど
あるんだから
しょうがないじゃん

BUMP OF NOTER

だったら
そのうまく動けなかったり
する辛さ
どうしようもなく
わき上がる悲しさや
むなしさを
闇を吸うほど強くなる
魔剣に変えて
目の前の壁を
ぶち抜く強さに
変えていけばよくない?
人の魂にぶっ刺さる
臆病者の一撃を放てば
すごいんじゃない?
弱者の勇気の一撃を放てば
すごいんじゃない?
君らしい一撃を
ノートに放てば
すごいんじゃない?

今はサナギでも
良いんだよ
100年間
サナギのままでも

サナギのまま
死ぬのは嫌だろうけど
究極サナギのまま
死んでも
それはそれで
なんか
深い教訓を
人の心に残しそうじゃない?

それでも
サナギから
カブトムシに羽化して
人から深く愛されたいなら
サナギとして出来ること
今自分に出来る
ベストを尽くそうと
自分なりに
努力してれば良いんだよ
たとえ思い通りにいかなくても
くよくよしなくてもいい
だってサナギじゃん

見てる人に
プルプル動いて
あげただけでも
大サービスだよ
むしろ動かない方が
正しい時もあるしさ

HERO

やれること
やってけば
良いんじゃね?
そりゃアドバイスとか
忠告とか
批判とか
なんやらしてくるやつも
いるかもしれないけど
野球だって3割ちょっと打てば
良いってよく言うし
完璧じゃなくても
愛してくれる人はいるから
自分らしく
自分の望むままに
たまにプルプル動く
サナギとして
ありのまま
カブトムシに
変わっていけば
いいんじゃない?

そうやって
闇を吸った魔剣と
栄光を吸った聖剣の
両方を使える
偉大な英雄になろう
人の心を動かす
英雄に
僕らはなろうよ

むしろ
今日からなれる
自分自身の
心を動かす
プルプルを
見せるなら

目には見えない
世界の心を動かす
プルプルを
心の中で
見せるなら

自分らしい
一歩を
君が踏み出すなら
自身と世界の
英雄に
すでになっている

二刀流のプルプルバッター

すでに
自身と世界の
心を動かしつつある
感動させている

今日も
君の
しびれるような
魔剣と聖剣が舞う物語を
世界が待ってる
自身が待ってる

君が望む
恋人が
家族が
友が
君の目の前に現れるかは
君の持つ力によるけど

心の中にすでに
黒いバットを持つ君は
ヒットを打てば
人を大きく感動させる
力がある

そう思って
今日のプルプルを
楽しもうぜ!

祈りの物語

今日が神回じゃなくても
それは今週という神回の伏線で
振り返れば神回だから
全体的に見れば神回になってる
今日という日は
素敵な神話の貴重な一場面
勇気があれば
今日さえも楽しめるさ
今日さえも満たされるさ

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