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書評: 全員経営者マインドセット (吉田行宏) 。人生を主体的に生きるための経営者マインドセット

今回は書評です。

全員経営者マインドセット という本をご紹介します。

この記事でわかること

・本書の概要
・強い組織にする 「MS マトリクス」 
・マインドセットの高め方
・主体的に働き、生きるために

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。

この本に書かれていること

本書からの問いかけを一言で表現すれば、強い組織にするために、個人としてどうあれば、組織をどうすればいいかです。

一人ひとりがプロ意識を持ち、自立と自律から主体的に行動する組織のつくり方です。

MS マトリクス

この本で紹介されているアプローチは、マインドセットとスキルを明確に分けます。

解説されている手法は、MS マトリクスと呼ばれます。

MS マトリクス

引用: 全員経営者マインドセット

MS マトリクス
・縦軸: マインドセットの高低
・横軸: スキル
・自分やメンバーそれぞれの位置を示し、組織のあり方や成長の方向性の羅針盤となるマインドセットという、スキルに比べて直接見えにくいものをスキルと分け、2軸で捉えることによってマインドセットへの意識付けが高まります。

では、マインドセットとは具体的には何でしょうか?

マインドセットの構成要素

本書では、マインドセットは6つに分解されています。

マインドセット
・当事者意識
・覚悟
・オーナーシップ
・全体最適
・ミッションフィット
・バリュー体現

これらの要素が関連し合い、マインドセットが形成されます。

マインドセットとスキルのそれぞれから、自分やメンバーが MS マトリクスのどこに位置するかを可視化します。

皆さんご自身は、マトリクスのどのあたりに自分がいると思うでしょうか?

立ち位置を知るチェックリスト

MS マトリクスの位置を知る目安は、次の18問からチェックできます。

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引用: 強い組織・危ない組織が一目瞭然、自社を見極める18問のチェックリスト|DIAMOND Online

チェック方法
・当てはまると思うものにチェックを入れる
・No. 1 から 6 のうち、チェック項目が一番多かった番号を確認
・以下の MS マトリクスで自分の位置を把握

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引用: 強い組織・危ない組織が一目瞭然、自社を見極める18問のチェックリスト|DIAMOND Online

いかがだったでしょうか?皆さんは、どこに一番近かったでしょうか?

ではここからは、どうすればマインドセットを高められるかについて掘り下げていきます。

マインドセットの高め方

この本を読みながら思ったのは、スキルに比べて、マインドセットは普段からより意識するとよいことです。

マインドセットはスキルよりも他者から見えにくく、自分でも認識していない場合もあります。

では、マインドセットはどうすれば高めていけるでしょうか?

読んで思った私見をご紹介します。

[高め方 1] 当事者意識, 覚悟, オーナーシップ

6つのうち、当事者意識, 覚悟, オーナーシップは近い概念なので、一緒に取り上げます。

それぞれの高め方は、次のように考えます。

マインドセットの高め方
当事者意識: 他責にしない。主語を自分で語る (一人称で仕事を捉える) 
覚悟: 最後までやりぬく
オーナーシップ: 自分がもし責任者の立ち場ならどう考えるか、どんな意思決定をするかを考えてみる

[高め方 2] 全体最適

2つ目は、全体最適というマインドセットです。

一部分ではなく全体最適で捉えるためには、どうすればいいでしょうか?

具体的には、次のフレームから仕事を見るようにします。

全体最適で捉えるためのフレーム
3C: 顧客, 競合, 自社
三方良し: 買い手 (顧客) , 社会 (顧客の先の顧客, 世の中全体) , 売り手 (自分たち) 

いずれも共通するのは、フレームを使い意図的に視野を広げ、視点を増やします。

そして、Win-Win を目指します。

時には一方の Win によって、もう片方の Win にならないこともあるでしょう。その時にどう矛盾を乗り越えるかです。矛盾に向き合い逃げないことが大事です。

[高め方 3] ミッションフィット, バリュー体現

ミッションフィットには、2つのアプローチがあります。

ミッションフィット
・会社や組織のミッションを理解し、どうすれば実現できるかを考える
・自分自身のミッションを持ち、会社・組織のミッションとどうつながるかを考える

バリュー体現も同様です。

会社や組織のバリューを理解するところからです。そして目の前の仕事でバリューを体現するにはどうすればいいかを考えます。

自分にとっての大切な価値観を言葉にすることも有効です。

個人としてのバリューと、会社・組織のバリューの両方を理解することによって、バリューは相対化されます。組織と個人で重なったバリューほど、体現度合いも高まります。

人生を主体的に生きる

私が本書から受け取ったメッセージは、人生を主体的に生きようです。

この本は、個人での経営者目線を高めてくれます。

ここで言う経営者目線とは、自分を1つの会社と見立て、仕事やプライベートでの活動を 「事業」 と捉えます。時間やお金というリソースをどの事業に配分するか、未来への投資をどうするかです。

自分の人生は、皆さんご自身のものです。他人に依存しすぎず、自立と自律から自分自身を経営していきます。

これが、自分の人生を主体的に生きることにつながります。

まとめ

今回は、全員経営者マインドセット という本をご紹介しました。

最後に今回の記事のまとめです。

本書からの問いかけは、強い組織にするために、個人としてどうあれば、組織をどうすればいいか。
一人ひとりがプロ意識を持ち、自立と自律から主体的に行動する組織のつくり方が書かれている本。
紹介されているアプローチは、マインドセットとスキルを明確に分ける。
図の 「MS マトリクス」 を活用する。

MS マトリクス

マインドセットの高め方
当事者意識: 他責にしない。主語を自分で語る (一人称で仕事を捉える)
覚悟: 最後までやりぬく
オーナーシップ: 自分がもし責任者の立ち場ならどう考えるか、どんな意思決定をするかを考えてみる
全体最適: 3C や三方良しのフレームを使い、意図的に視野を広げ視点を増やす
ミッションフィット: 会社・組織のミッションを理解し仕事に活かす。個人のミッションと組織ミッションをつなげる
バリュー体現: 組織バリューを理解し仕事に反映する。個人の価値観とのつながりを考える
本書から受け取ったメッセージは、人生を主体的に生きよう。個人での経営者目線を高めてくれる本。
他人に依存しすぎず、自立と自律から自分自身を経営していく。自分の人生を主体的に生きることにつながる。


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